この渦中、改めて”空間”と向き合う人も多いはず。普段は覗けない気になるあの人の気になる空間から、あなたもお家でも新しいインスピレーションと出会えますように。国内外で活躍するアーティストやクリエイターから”空間”を彩るとっておきのインテリアを紹介していただく特集企画。
記念すべき第1回目は、今年デビュー10周年を迎えたOKAMOTO’Sからオカモトレイジが登場。多種多様なアイテムが揃う空間で、学びを創出する彼のこだわりとその秘訣をお伺いした。

-家にいる時間が長い今、インテリアなど家でのこだわりのアイテムやそのエピソードなどを聞いています。思い入れのあるモノ、何かあるでしょうか?

うーん。本当に、意味不明なベクトルに振り切ろうと思えばその方に振り切れるし、実用的な物にしようと思えばそれも紹介できます。意味不明な石とか、飲まないけどずっと机の上に置いてるモエシャンとか…。

-では、1つは機能的で普段活用されてるもの、もう1つはレイジさんらしい、こだわりのものをお願いします!

普段使いだと、個人的に凄くお気に入りのシンセサイザーがありますね。Hikari Instruments Monos。シンセサイザーって普通、結構高いんですよ。安くて3、4万円とかだけど、これは2万円。安いだけじゃなくて、癒されるような音も出て楽しい。なんかね、こういう音が出ます(ヒーリングっぽい音)。これをずっと部屋で流しっぱなしにしています。

-このアイテムを選んだきっかけは?

これは楽器屋さんで見つけて、凄い良さそうと思って触ってたら、ホントに良かった。操作方法は俺もよく分かんないんですけど、直観でただ触ってるだけで楽しいですよ。

-この時期は家の中の行動範囲って限られていますが、音楽やエンターテインメントに対して能動的に家でされてる事はありますか?

本当に色んなシンセを繋いで、ひたすら意味不明な音を鳴らし続けてますね。
最近、芝刈り機と電動ブロアーを買ったんですよ。それがめちゃめちゃ楽しくて、ずっと芝刈りしてます。さっきもずっと芝刈ってましたね。見た目も恰好いいから、インテリアにも良いかも。

-まさか、芝刈り機が出てくるとは思わなかったです(笑)。

リョービの芝刈り機とブロアーバキュームは超愛機。最近手に入れた物の中では1番最高なインテリアかも。

-主体的にできる音楽の楽しみ方について、お勧めの楽しみ方や聴き方ありますか?

めちゃめちゃ簡単な方法として、ミックステープを自分で作るのは結構お勧めです。MacだとGarageBandが最初から入っているし。
プレイリスト組むのも良いんですけど、ミックスしてワントラックにするのは、自分でも忘れていた「俺、こんな曲ここに入れてたんだ」みたいな、そういう新鮮さが保たれるんですよね。ちょっとひと手間かけると愛着が湧くというか。
あとはギターの練習とかめっちゃ楽しいですよ。シンセサイザーをひたすら触るのも本当にお勧めしたい。未経験のことを、家でどんどんやってみると良いですよね。

-音楽の聴き方だとどうですか?

聴き方としては、レコードが一番いいかな。片面終わったらレコードプレーヤーの針をあげなきゃいけないので、フィジカルで音楽と向き合わなきゃいけない。だから、ながら聴きみたいなのは絶対できないんです。何やってても20〜30分に1回は中断して、レコードプレーヤーの方に行ってってしなきゃいけないから、音楽との密接度が高いですよね。

-前回のプレイリストインタビューでもフィジカルで知識を蓄えることの重要性を仰っていましたよね。そこにも通じるものがあるというか…

やっぱり、知識が思い出になった方が強いと思うので、フィジカルの重要さはそこじゃないですかね。フィジカルとデジタルの何が1番違うかって、デジタルの再生行程は思い出にならないですよね。買った時の景色とか手触りとか匂いとか。やっぱ店まで買いに行ったり、その帰り道とか大事。初めてiTunesで音源ダウンロードした時のことって覚えてないけど、初めてレコード屋さんでレコード買った日のことってよく覚えてると思う。

【学生時代にタイムスリップしたら何を聴く?】「パンクは”自分でも出来る”って思わせてくれる」オカモトレイジが選ぶこれからも愛すべき6曲とは。:https://mag.sixty-percent.com/archives/19888

-では、先ほどの質問の続きです。レイジさんならではの、こだわりのインテリアを教えてください。

本当に物が沢山あるんですよ。俺は意外と物持ちが良くて、小学生の時拾ってきた石や1才の頃のクリスマスプレゼントを今だに持っていたり。

-インテリアやアイテムを選ぶポイントは何でしょうか?

俺が買っとかねーと誰も買わねーだろうな、というモノはとりあえず買っときます。買わないとわかんねーよな、というのがあるので。買ってみたら意外と格好良かったとか、その反対とか…。
デジタルの音源、サブスクに入っているのも気に入ったら買いますね。もしサブスクのサービスが終了したり、原盤元が配信ストップしたら、何も残らないじゃないですか。それが仕方ないと思える人は全然いいですけど、自分は音楽で生活してるからそうはいかない。

-OKAMOTO’Sの10周年ベストアルバムも、めちゃくちゃ分厚くて楽曲達をフィジカルで振り返れるというか。

初回生産限定盤はブルーレイが入っていて、完全生産限定盤にはレコードも入ってるから更に分厚いんですよね。
レコードとかを持っておくと、過去の自分偉いなって思うことが多々ありますね。レコードは新譜でも1枚3,000円〜5,000円位するし、場所を取るけど、掃除の時とかにやっぱりそういうの一通り見ちゃうじゃないですか。そうやって振り返ると、新しい発見がいつもあるんですよ。買った当時だけじゃなく、今も発見が持続するんですよね。

-話が戻りますが、買う前と買った後のギャップが1番あった物は何でしょう?

モノ自体のギャップより、自分とモノとのギャップがあるものが多いですね。
俺はお酒を殆ど飲まないんですよ。けど、このモエシャンをずっと机の上に置いているって言う。なんの意味もないですけど(笑)、ヒップホップな感じ出てて良いですよね。タバコも吸わないけど、買って来て置こうかな。

そういう家の中に異次元のモノを存在させると、自分でも毎回違和感を感じて、それが面白いんです。だから今の時期、1番自分の生活からかけ離れてて、絶対今必要無いっしょ、みたいなのを机の上に置いとくだけでもいいんじゃないですかね。

-ステイホームの今、仕事のスイッチはどうやって切り替えていますか?

とにかく楽器や機材を全部、手が届くようにしていますね。機材や楽器を常にセッティングされた状態にしていると、触るときの億劫な感じも無くなるし、楽器から遠のく事もない。
積極的に触る癖をいかにつけるか、楽器の演奏においてポイントになると思うんで。とにかく触る癖がついてる人の方が多分上達も早いですよね。

-余裕がある人は、買って身の回りにおいておく事も大事だったりすると

そうですね。そもそも作業場みたいなものを自分で設ける。そういう場所で、手が届く所に物を常に置いとくのが重要かもしれないですね。

-最後に、この時期だからこそ伝えたい事はありますか?

健康第一ですね。1日3食摂るのは結構良いですよ、規則正しい生活はお勧めです。
俺もここ1ヶ月は、毎日遅くても2時半には寝て朝は7時に起きてます。1日3食しっかり食うと、無駄食いとかしなくなるし。毎回さっき食ったばっかだなって状態で食べるから、常にお腹が減ってないんですよ。お茶碗1杯くらいですぐお腹一杯になるから、食う量は確実に減りました。

【オカモトレイジ プロフィール】

1991年生まれ、東京都出身。中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO’Sのドラマー。
2010年CDデビュー。デビュー当時は年間平均100本を超えるライブを展開し、海外公演等も積極的に実施。幅広い音楽的素養を生かし、DJとしても活動中。さらにファッションモデルとしての活動やMVのプロデュース、また、自身でエキシビジョンを手がけるなど、クロスジャンルな活躍で現代のカルチャーシーンを牽引。

4月から全国ツアー「OKAMOTO’S 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2019″BOY”」を敢行し、
6月27日(木)にはOKAMOTO’S史上“最初で最後”の日本武道館ワンマンを開催。
2020年4月15日には初のベストアルバム「10’S BEST」をリリースなど、ますます加速を続け精力的に活動を続けている。

SonyMusicLabels HP : http://www.okamotos.net/