https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13118838/dtlphotolst/smp2/

東京都内のアジア料理を編集部が独断と偏見でオススメする「BEST TASTE ASIA」。2回目の緊急事態宣言が発令され(止め処なくコロナ禍は進んでいたが)、家族や友人に会う些細な幸せが遠のきつつある。旅行や盛大な外食だって、喉から手が、足が、五臓六腑全てが、、、出てくるほどには待ち望んでいるよ。早くマスクを取って、大切の人と笑い合いたい。

近い未来に希望を添えて、新大久保の個人的名店を今回は紹介しようと思う。韓国ブームが高まる中、旅行せずとも韓国気分を味わえる名店が日本にあって良かった。新大久保があって良かった……。

 

今回、新大久保でお勧めしたい名店は“コリア タッカンマリ”。基本的に予約制の超人気店。

新大久保駅を左に曲がって、ネパール料理が並ぶ路地裏に位置するこじんまりとしたお店。K-POP(SMアーティストの曲が多かった)が流れる店内は韓国料理店おきまりの雑多感は無く、少し高級な洋食店のようなのに、価格帯はお財布に優しくって。この1年で鈍った外食バロメーターが上がる。

タッカンマリとは韓国語で「鶏一羽」と言う意味です。 韓国の東大門が発祥で、地元の方にもとても愛される人気料理です。 タッカンマリはとてもシンプルながら、しかしその味は鶏本来の旨味を存分に引き出した、日本で言うところの鶏水炊き鍋に似ています。 大きな特徴は鶏一羽が丸々入ったそのビジュアルと、それをハサミで豪快にチョキチョキ切るパフォーマンス、食べる本人がお好みの量で組み合わせるつけだれにあります。

上記“コリア タッカンマリ”サイト参照。とにかくタッカンマリは幸せな料理で、身も心も温まる、しかもコラーゲン配合だから肌にも優しい(諸説あり)。鍋は目の前で煮込まれて行くから、それが出来上がるまでカリカリチーズのチヂミや、なんてことない豆腐をつまむのも楽しい。15分ほど煮込まれて、“ハサミで豪快にチョキチョキ切るパフォーマンス”を堪能したら、お好みで付けダレを作る(付けダレにマスタードがあるのが面白い!)、そしてひたすらに食べる、謎の達成感と共に無心放心で食らいつく。美味しいしか言えない。

https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130404/13118838/dtlphotolst/smp2/

シメはうどんか雑炊か、私は雑炊をお勧めしたい。鶏エキスが丸々染み込んだスープに、ご飯、溶き卵、この黄金比はいつ見てもときめく。美味しい。シメのフェーズに来ても、美味しいの言葉しか出てこない。人は恋愛をするとバカになると言うが、それは絶品料理を食す時も同じであると思う。義務教育を経て、大学にも通い、社会人になった女3人が、2時間ほど“美味しい”しか発さなかった。だから、何か悲しいこと、思い悩むこと、そういう時にこそこのタッカンマリは美味しく、ありがたく感じるのだと思う。全ての鬱憤がここにいる2時間だけ排除されるから。何より、温かい料理は優しい。

今年の冬は大人数で鍋をつつくなんてこと出来なかったから、冬が終らぬうちに鶏(タッカンマリ)を囲みたい。

この文章を書いていてふと、「near the future」のフレーズを思い出した。ドイツに留学中、現地で出会った友人達との別れ際に交わした言葉。その時は「see you agein in near the future」なんて、超楽観的に言っていたけど。こうやって「near the future」という抽象的な希望に馳せながら、何かを待ち望む日が来るなんて思いもしなかった。

もしかすると私たちが思い描くこれまでの「near the future」はもう訪れないのかもしれない。確固たる今を生きるしかないのか、そんな時に何か1つ変わらないものがあることは救いになると思う。ご飯でも、音楽でも、自分の爪の形とか、セーターの毛玉とかでも。今回は新大久保の“コリア タッカンマリ”を紹介したが、食という観点で、そういう今にときめくものを発信できたらと思う。この渦中だからこそ、near the futureに思いを馳せて。

【コリア タッカンマリ】

住所:東京都新宿区百人町1-11-25 ヴィラレナール2F
営業時間:
月~金→17:00~23:15(最終入店22:00)
土・日・祝→12:00~23:15(最終入店22:00)
定休日:無休
HP:https://www.dakhanmari.com/