【21Questions】思わず笑ってしまうような滑稽な瞬間、ズッコケ写真を作るイタリア人アーティスト、Sandro Giordano(サンドロ・ジョルダーノ)

Q1:お名前を教えてください。

こんにちは、私の名前はSandro Giordano(サンドロ・ジョルダーノ)です。

Q2:何歳ですか?

44歳

Q3:出身はどちらですか?

イタリアのローマ

Q4:ローマの生活はどうですか?

朝から晩まで今のプロジェクトのために働いているから、街でゆっくり過ごす時間がほとんどないんだ。オフの日は、友人たちと映画を観てディナーをすることが好きだね。僕たちイタリア人は社交上食べることが大好きなんだよ。

Q5:普段は何をしていますか?

僕は2013年頃から僕のプロジェクトに全力を尽くしてきているし、そのおかげでたくさん旅をするようになった。僕は旅する事や新しい世界を見て、自分の知らない文化を見つけることが大好きなんだ。旅は精神にもオープンな心を持つためにもとてもいいことだと思う。時間がある時はジムに行ったり、自転車に乗ることも好きだね。僕は音楽が本当に好きでヒマさえあれば、SpotifyやiTunesで新しいアーティストや音楽を見つけているよ。


「ありふれた一日」

Q6:ズッコケ写真のプロジェクトに関しては、2013年から話題になりましたね。なぜ写真の道へ? 

僕は20年間俳優をやっていたので、フォトグラファーになるなんて思いもしなかったよ。今のズッコケ写真に対してのアイディアも偶然生まれたんだ。

Q7:フォトグラファーとして活躍する中で、この仕事の魅力とは?

全てにおいて今の仕事はとても魅力的なんだ。なぜなら、毎回僕にとって挑戦なんだよ。毎回、撮影の前夜は楽しみで落ち着かなくて、眠れないんだ。「未知」ということは本当に魅力的なことで、誰もなにが起きるか分からない。毎回新しいズッコケ写真の作品を作る時は、ブラックホールにダイブする気持ちなんだ。僕が思い描いているアイディアが実現できると思う?

Q8:話題になったズッコケ写真【IN EXTREMIS】について教えてください。

このプロジェクトは2つの出来事からスタートしたんだ。一つ目の出来事は2013年の9月になるのだけれど、ある女優さんにクリエイティブな写真を撮ってくれるように頼まれて、僕はすぐ、階段の先に顔が打撲だらけ彼女の姿のイメージが浮かんだんだ。そのイメージが僕の頭から離れなくなって、なぜこんなイメージが僕の中ではなぜか楽しくてたまらないのか自分と向き合ってみた。そういえば何ヶ月前かに行きつけのプロテイバーに行くバイクでひどい事故を起こしてしまって、腕を骨折したんだ。    その瞬間から、僕の人生上でより重要な目標を与えられたかのように、この物質主義な世界では僕たちみんな犠牲者になるんだということを伝えたくなったんだ。

Q9:このような創作スタイルはどのように見出しましたか?

僕は俳優になる前は、舞台のセットデザイナーをしていたんだ。色や幾何学を使って遊ぶことが大好きで、僕が俳優になった時はステージ準備する際に何時間でもこの作業を観察していたよ。とても感動的だった。


「テングダケが私を助けてくれた」

Q10:仕事上、様々な人々との出逢いがありますが、コミュニケーションを取るにあたって大切にしていることは何ですか?

他の人の意見を聞くことが僕にとってとても大切なことだ。他の人の会話でのやりとりを許さないのような、自分だけのことを話す人は苦手だね。世界中でどんな愚かな人の意見でも必ず聞く価値があると信じている。

Q11:ソーシャルメディアやInstagram上で注目している人はいますか?

最近Instagram上で、非常に興味深くてクレイジーなアーティストを見つけたよ。彼は自分だけを主人公にして、写真やビデオを作っているんだ。自分の顔をステージ上と見せかけて、見ている人にちゃんと理解してもらえるように念入りに配置された小物で溢れている。彼の作品は、本当に素晴らしいだけでなく、非常に面白い。David Henry Nobody Jr:https://www.instagram.com/davidhenrynobodyjr/

Q12:何か集めているものはありますか?

僕はドイツ人のポップスターの【Nena】の大ファンなんだ。彼女は1984年に「99 Red Ballons」というシングル曲で世界中に大ヒットした歌手さ。今でも彼女はドイツで人気があるんだよ。30年間ずっと彼女の載っている雑誌を世界中から集めているんだ。もちろん日本からもいっぱい持っているよ。彼女はもうずっと僕の頭から離れない偉大な人なんだ。僕は彼女がこのインタビューを絶対に読まないことを願っているよ。きっと彼女はこのことを知ったら、僕が頭がいかれていると思われるからね。


「私がイタリアなのよ」

Q13:お気に入りのコーヒーショップなどはありますか?

アムステルダムに僕の唯一お気に入りのコーヒーショップがあるんだ。そこは好きなだけいられるし、世界中で一番いいマリファナが吸えるんだ。

Q14:お気に入りの場所や今後訪れてみたい所はありますか?

【バルセロナ】には絶対住んでみたいね。毎年、何ヶ月間か海の近くのアパートの一室を借りて過ごしているよ。
あとは【ベルリン】も大好き。【日本】にも行ってみたいね…このインタビューを気に日本のギャラリーから展示会の声がかかるといいんだけど。

Q15:.好きな香りなどはありますか?

僕は香水などは助けないけれど、一応シャワーぐらいは浴びるよ。

Q16:好きな音楽やミュージシャンはいますか?

エレクトロニックミュージックのドイツのバンドの【Moderat】、アイスランドアーティストの【GusGus】は、今とてもはまっているミュージシャンたち。そして何より【Nena】。

Q17:好きな映画や監督などはいますか?

僕は映画館が大好きで、ここにリストをあげきれないくらいから、ちょっと考えさせて。ロバート・ゼメキス作のアメリカ映画【永遠に美しく…(1992)】は僕の人生においてトップ5に入る作品だね。僕のお気に入りの監督はスペイン人の【ペドロ・アルモドバル】監督。


「お人形ちゃんたちの髪をとかす」

Q18:お気に入りの本などはありますか?

ジョージ・オーウェルの【1984】という本。予言的な小説を書いていたんだ。この本を書いたのは1949年なのに、著者はすでにその時、将来何が起きるのか知っていたんだよ。本当に信じられない。

Q19:どんな人や事に影響を受けますか?

僕のプロジェクトは正確な計算ではなく、「胃」から来るんだ。僕のプロジェクトと同じような新しいものが他で生まれない限り、僕は人々をこの地上の人々たちをクラッシュさせし続けるよ。

Q20:今の社会の現状についてどう思いますか?

現在の人々はみんな急激に動いていて、本当に重要ではないことを重視しがち。僕たちみんながやるべきことが多すぎて、それらを実行するのに十分な時間さえない。だから現実的には内面で混乱が起きて、みんなつまずいてしまうんだよ。みんな全てのことにをチャレンジすることに必死だ。

Q21:.最後に、Sandroさんのアートを通して何かメッセージがあればお願いします。

僕の作品の特徴は、今のぎっちりした社会に美しさ、豊かさ、多作で、そしてもっとも重要である静けさを伝えたい。今のこの重たい重量に耐えられなくなった時、唯一の対策は、そのまま生かすか、崩れ落ちるかなんだと思う。その瞬間、まだあなたが地上にいるのならば2つの選択肢があって、地上に止まり死を選ぶか、または痛みを経験して再び強く這い上がるか。僕の写真を見ている人たち一人一人の人生、彼らの周りの世界観を考え直させて、何か変えてあげたいと思っているんだ。

さすがイタリア人と言ってしまおうか、どんな社会問題や日常もブラックなのに豪快で愉快に仕上げてしまう。
もちろんSandroさんの長年生きてきた経験や彼しか持っていないユニークな発想だからこそできる作品の数々。
思わず笑ってしまうような滑稽な瞬間を収めたシリーズは他にも満載。


photo : Elisa Perotti

SandroさんのInstagram:@__remmidemmi
ホームページ:http://www.sandrogiordanoinextremis.it