ユニクロを展開するファーストリテイリングが10月11日に、平成30年8月期連結決算で、売上収益が2兆1,300億円と初めて2兆円を突破した。

過去最高の業績達成には、 国内の売上収益を上回った、海外ユニクロ事業の売上収益8,963億円(前期比26.6%増)、営業利益は1,188億円(前年比62.6%増)と、大幅な成長が結果に繋がったようだ。海外事業の中でも、中国、香港、台湾を始め、東南アジア・オセアニア地区が、海外ユニクロ事業の柱として利益を上げている。一方アメリカは、未だに赤字が続いているものの、赤字幅は半減している。

https://www.retailgazette.co.uk/blog/2018/10/uniqlo-posts-record-annual-profits/

アメリカから見たユニクロ

最近アメリカのメディアでも多々取り上げられるユニクロ。アメリカのユニクロ本社は、ニューヨークのソーホーにあり、マンハッタンだけでも3店舗あるため、ニューヨークでは、ユニクロの知名度は驚くほど高い。街を歩いていてもユニクロの紙袋を持ち歩いている人を多々見かける。

一方それ以外の地域では、やはりユニクロを知らない人がほとんどだ。そのため、ユニクロは今アメリカの店舗数を増やす計画や、人気セレブリティー/アニメとのコラボレーション企画に力を入れている。

https://www.uniqlo.com/alexanderwang18fw/jp/

この秋10年ぶりに、ファッションデザイナーのAlexander Wang(アレキサンダー・ワン)とコラボレーションも先日発表となった。ユニクロの大ヒット商品である「ヒートテック」のスペシャルコレクション「UNIQLO and ALEXANDER WANG」を発売予定だそうだ。

ユニクロのライバルはアマゾン

ユニクロは、ファスト・ファッションの中でも、H&MやZARAは、もうライバルではないと考えている様だ。今の最大の競争相手は、アマゾン。アメリカでは、日本のユニクロが、倉庫で働いていた90%の労働者をロボットに変えたとニュースになった。

アマゾンと同様に、ロボットの導入により、在庫管理や検品を24時間稼働させる事が可能になった。リーテイル企業が次々倒産していく中で、生き残るにはユニクロのウェブサイトをどのくらい発展させるかが重要な鍵となる。先日ファーストリテイリングの柳井社長がグーグルと手を組み、機械学習技術による画像認識を活用した着こなしのトレンド分析や需要予測の取り組みを始めたという。

これが上手くいけば、クラウドの分析ツールを利用して、需要を確実に管理でき、将来的にリーテイル業界で一番難しいと考えられる、不要な在庫を減らす事が可能になるだろう。『進化』を恐れないユニクロが、日本の技術とサービスで、アメリカでも誰もが知っているブランドになるのも、もう遠い話ではないだろう。