ファンシー×ストリートなスタイルが人気の「Cherry Baby」。その独特の配色やプリントが可愛いと20代の女性を中心に評判だ。そんなブランドを手がけているのは、イギリス人スタイリストでニューヨーク在住のヴァンナ・ヤングスタイン(Vanna Youngstein)だ。

日本ではボンジュール レコードでいち早くセレクトされ、最近ではX-girlとのコラボレーションも実現。モデルで女優の水原希子さんがインスタグラムで着用写真をアップしたことでも話題を呼んだ。そんなCherry Babyを生み出したヴァンナとはどんな女性なのか。彼女の持つ独自の世界観や人気商品を生み出したアイデア、仕事観に迫る。

独自のスタイルは幼少期から

子供時代にはすでに自身のファッションスタイルを確立させていたというヴァンナ。イギリスで育ったものの、アメリカ人とのハーフだった彼女は、学校の制服にアメリカの大学ジャケットのようなものを合わせることが好きだった。彼女のスタイルは全てそこから始まった。

後にファッションデザインの学位を取得した彼女は、NYでアパレルブランドのデザイナーとして勤務していた。そこで撮影のためにスタイリング作業をすることがあった。それがきっかけで今のスタイリストの職に目を向けたという。いつも自分好みの洋服に出会うのを夢見ていたが、当時はなかなか難しかった。その為自分で作ることを決意し、Tシャツをデザインすることから始めた。

Cherry Babyについて

ヴァンナは、女の子らしくて楽しい女性の衣装部屋のようなものを作りたいと思っていた。もちろん全ての男の子も使えるような。男性も着れるというのは目標でもあったが、彼女の作ったTシャツの最初の購入者はなんと男性だったという。「私のブランドは本当にみんなの為にあるの」と彼女は語る。

アイディアの元は自分の好きな要素を掛け合わせることだという。チェリー、小さな天使、シカ、蝶、リボンなどがお気に入りだ。ブランドを始めるにあたってTシャツ作りから取り組むことはブランドを表現する方法としてはいいスタートだと思うと語る。

Cherry Babyができるまで

彼女のデザインで印象的なのがブランド名にもなっている“CHERRY BABY “というワード。これは自分のスタイルを最も表現できていると思い、数年前にまずは自分のために洋服にデザインしたという。彼女がその服を着て出かけると、行く先々で「そのTシャツはどこで買ったの?」と尋ねられ、撮影現場に着ていけばモデル達に「自分にも作って欲しい」と頼まれたという。

けれど実際、それから3年間は作ることはなかった。そしてある日、ついに作ることを決めた。そのきっかけが、 Carly Rae Jepsen(カーリー・レイ・ジェプセン)の « Boy Problems »と言う曲のミュージックビデオ中でモデルのManon Macasaet(マノン・マカサエット)にTシャツを着せたことだ。Petra Collins(ペトラ・コリンズ)が監督をし、スタイリングを任されたヴァンナ。全てはそこから始まったと語る。大勢の人が、CHERRY BABYの言葉の意味を尋ねるが、それはヴァンナの生み出すスタイルの姿勢であり、彼女が考えた表現である。

自分の仕事の好きなところ

クリエイティブなところ!と語る彼女。創り出す過程のそれぞれの瞬間が好きだという。例えば、撮影の時や洋服を包んで購入者に送る時。全てを自身で行っており、それぞれの包みにバレッタやステッカーなどの小さな贈り物も一緒に挟み込んでいるそう。そして何よりも好きな時が、自分の作った服を着用した写真を、お客さんが送ってきてくれることだ。それが男の子でも女の子でも、その瞬間が最もクールだと語る。

そしてこれからの活動については、Cherry Babyのトータルルックを作り上げたいという。

X-girlとの初コラボ

今年6月に発売されたX-girl×Vanna Youngsteinのコラボアイテムでは、Tシャツに99%エンジェルの文字。でも背中には小さく1%デビルとプリント。こんなところもヴァンナらしいキュートさがふんだんに盛り込まれている。

自分の”好き”を探求することでその世界観を作り上げているヴァンナ。自らのアイデンティティのように、1つのものにとらわれずミックスして生み出す個性は、今や多くの人々の”自分らしさ”に繋がっているのかもしれない。