LOS ANGELES, CA – JANUARY 25: Actress Kimiko Glenn attends the 21st Annual Screen Actors Guild Awards at The Shrine Auditorium on January 25, 2015 in Los Angeles, California. (Photo by Ethan Miller/Getty Images)

今年の3月9日に日本での全国ロードショーを目前に控えるスパイダーマン新作映画「スパイダーマン:スパイダーバース」。スパイダーマン映画では初となるCGアニメ映画となっており、複数のスパイダーマンが1つの映画の中に登場するという世界が舞台になっている。

そんな中、アニメ映画の世界からやってきた少女ヒーロー「ペニー・パーカー」の声を演じるのが、キミコ・グレンだ。数年前から、映画、ドラマ、舞台に引っ張りだこのキミコ・グレンの魅力とは?

日本の母とアメリカ人の父を持つハーフ女優

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キミコは、米アリゾナ州フェニックス出身で、ドイツ、アイルランド、スコットランド系の血を引くアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた。10歳のころから、地元の劇団などで演技を始めたという彼女は、現在29歳。ハリウッドやブロードウェイなど活躍の場を広げる続けている。

彼女が最初に掴んだ大きな女優としての仕事は、2008年、ミュージカル「春のめざめ」のアメリカナショナルツアーだった。若干大学1年生でありながら、同ミュージカルで役を掴んだ彼女は、その後、約2年間、アメリカ各地を周りながら同ミュージカルに出演し続けた。

一躍、その名を轟かせた「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」

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「春のめざめ」以降、テレビドラマの端役やインディーズ系映画で献身的に女優活動を続けた彼女を、一躍有名にしたのが、Netflixの大ヒットドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」だった。

裕福な家庭のお嬢様として何不自由なく育った主人公のハイパーが、若気の至りから大昔に行った麻薬密輸の罪で投獄されるというコメディドラマで、エミー賞常連となったNetflixが誇る大人気ドラマだ。その中で、政治活動から投獄されたスコットランド人と日本人のハーフの囚人「ブルック・ソーソー」役でシーズン2から出演。とてもおしゃべりで周囲からも迷惑がられているという面白い役でありながら、ハーフとして、アジア系のグループにも白人系のグループにも馴染めず、その孤独から自殺を図ってしまうという難しい役を見事に演じきり、話題となった。

歌手としても活躍

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その華奢な体からは想像できないほど、見事な歌唱力を誇る彼女は、「春のめざめ」以降、様々なミュージカルに出演。

中でも、2007年に公開された同名映画を原作に、2016年からブロードウェイで上演されているミュージカル「ウェイトレス」にオリジナルキャストとして、主人公の友人で同じカフェで働く女性「ドーン」役で出演。同ミュージカルは、演劇のアカデミー賞ともいわれるトニー賞に4部門にわたりノミネートもされた大人気ミュージカルで、演技力、歌唱力、ダンス力、知名度など様々な技術が求められるブロードウェイに、オリジナルキャストとしてキャスティングされるのは、並大抵のことではない。その人気と彼女の実力が垣間見える。

オリジナルサウンドトラックにも彼女の歌声が収録されているので、興味のある人は彼女の力強い歌声をぜひ聴いてみてほしい。

Youtubeのオリジナルドラマも放送開始

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昨年の6月から、彼女はYoutubeプレミアムのオリジナルドラマ「Liza on Demand」にもメインキャストの1人として出演している。他人の雑用を引き受けるアプリで依頼を受けることで生計を立てる女性が主人公のドタバタコメディで、キミコは主人公のルームメイト役を演じている。

こちらは日本での公開はまだだが、今後の公開を期待したい。

ハリウッドで存在感を強めていくアジア系俳優たち

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近年、ハリウッドではアジア系俳優たちの活躍が目立つ。

15年ぶりに主要キャストが全員アジア系俳優のみで作られたメジャースタジオ映画「クレイジー・リッチ!」は批評家たちからの評価や、興行収入的にも大成功を果たした。「グレイズ・アナトミー」への出演で知られる韓国系女優サンドラ・オーは、2019年のゴールデン・グローブ賞でホストを勤めるとともに、ドラマ部門の主演女優賞を受賞。同賞のドラマ部門助演男優賞は、フィリピン人とアメリカ人のハーフであるダレン・クリスが受賞している。

多様性が叫ばれ続けるアメリカ、ハリウッドの世界でアジア系俳優の起用が促進され、評価されることは同じアジア人として、たいへん喜ばしいことである。

キミコ・グレンを初めとする日系俳優たちの活躍に今後も目が離せない。