PRADA創始者の孫、Miuccia Prada(ミウッチャ・プラダ)。「PRADA」と「Miu Miu」両方を手がける多忙な彼女。
一次は経営難に陥ったPRADAを立て直した張本人でもある。2005年発行のTime Magazineでは、「世界で影響力のある人物100人」の中に選ばれている。また、昨年10月英国で発表されたThe Fashion Awards 2018では、ファッションとアート両方の重要なアイコン人物として、現在ディオールのクリエイティブ・ディレクターでもあるキム・ジョーンズと共に再受賞も果たした。
祖父は「PRADA」の創業者
ミウッチャ・プラダは、正真正銘「PRADA」創業者マリオ・プラダの孫である。ファッションデザイナー、特にビジネスウーマンとして優れた才能を持っている。
1949年イタリア、ミラノで生まれ。大学はミラノ大学の政治学科を卒業している。彼女のファッションキャリアのスタートは、祖父の会社「PRADA」のアクセサリー部門のデザインを担当したことがきっかけだったようだ。その後、母親指導で「PRADA」の経営を学ぶ。
ミウッチャ・プラダがPRADAを手がけるようになってから、会社は徐々に拡大して行き、フェンディ、ヘルムート・ラング、ジル・サンダーなどを子会社に持つようになった。また、彼女はウーマン、メンズライン共に、革製品や靴、香水などの展開も拡大させている。
1989年、初めてPRADAはウーマンコレクションのデザイナーとして、ミウッチャ・プラダを紹介している。
1995年からミウッチャは、PRADAメンズコレクションも手がけるようになる。
1992年、ミウッチャの家族内のあだ名をブランド名にした自身のブランド「Miu Miu」を設立。彼女の提案する新しいラインは、「より低価格にしたウーマンコレクション」と「ミウッチャ自身の私服」をコンセプトとしている。
1993年、アメリカのファッションアワードのインターナショナル部門で賞を取る。
また、彼女の夫はPRADAの商品商業の責任者として会社の経営を支えている。
ミウッチャ・プラダが語る「アート」
アートとはアイデアと夢想を形にし表現すること。私の役目はそれを売ること。
ミウッチャ・プラダ(Wikipediaより)
ミウッチャ・プラダは、ファッションにおいてのハイアートを基本的に避ける傾向があるデザイナーだと言われている。高級ファッションブランドの大手PRADAを手がける彼女のアートに関する意見には、どのようなものがあるのだろうか。
昨年にThe Fashion Awards 2018の受賞の際行われたファッション、アート誌Numeroのインタビューでは、ミウッチャ・プラダは彼女の「アート」に関する個人的な思いを語っている。
市場がプロパガンダ目的や経済目的に求めている「アート」には全く興味がないわ。私が目を引く「アート」とは、そこに良いアイデアがあるかどうか。アイデアのリソースは、時には科学者のある一つの考えだったり、映画監督の現代を捉える視点だったりと、ただ単にアーティストの個人的なアイデアだけとは限らない。私的な意見で述べると、今日のアーティストは、特に緊急時を対処するアイデアがかけていると言えるわ。
アートとは、あなたの知識をオープンさせ、新たな自己と出会える世界。
ミウッチャ・プラダ(Numeroより)
ミウッチャ・プラダの名言
ミウッチャ・プラダは数々の名言を残すファッション・アイコンとしても偉大な人物だ。ファッションデザイナーとして、また、PRADA創業者の血を引く経営責任者として、彼女の口から出る言葉には何か特別な強い力が感じ取れる。ここでは彼女の名言を複数ご紹介したい。
-私が何か気に入った時、決まって使うシンプルな言葉は「ビューティフル」。ラグジュアリーだとかシックのようにファッション業界の間で、すでに使われすぎている言葉だけれど、その中に詰まった意味はいっぱい。
-お金のためだけに働くことなんて私には不可能。自分の信念に沿って物事を実行するべき、結果的にそれがお金に繋がるから。
-女性は特に、年齢を増すことに過剰に意識しすぎている。でも大抵見た目が最も良い女性は、ほとんど他よりも野生的な人の場合が多い。
-普段と異なったファッションを楽しむには徹底的な努力が確実に必要。
-ファッションは視覚的な言語。今日では人と人とのコミュニュケーションがずいぶんと早くなったでしょ?自分が何を着るかは、自分自身を世界へどう表現したいかと全く同じことだと言えるわ。
-「着る服なんて重要じゃない。」なんて言っている人たちの言うことなんか信じない。
-以前に作ったものを越える作品を作らないと意味がないわ。時には自分のテイストとすら対立しなければいけない事もある。
(ミウッチャ・プラダ)
アート、ファッション、クリエイティブの世界に非常に影響力のあるデザイナー、ミウッチャ・プラダ。PRADAの孫娘として、大手ファッションブランドを新たな未来へ引き継ぐ。時代が変わるにつれ、ファミリーブランドとして、家族経営で会社を切り盛りするファッションブランドが減って行く中、現在でも祖父の血を引きファッションアイコンを保つ彼女。
PRADA 人気が現在でも確実に揺るがない秘密は、他とは徹底的に異なった、絆の強い家族の経営方法にあるのかもしれない。