テクノファンなら誰でも知っている、世界で今最も熱いDJイベントBoiler Room(ボイラールーム)。過去に日本へも上陸した事があるテクノイベント、ボイラールームについてご紹介する。

グローバルなオンライン・ライブ・ミュージック

ボイラールームとは、2010年イギリスのロンドンで設立された、オンラインを通してライブ・ミュージックを提供する新しい形の音楽プラットホームである。現在世界的にもかなり注目されていて、ストックホルムから上海までと、約100を越える都市でボイラールーム主催のライブショーを開催している。

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ボイラールームの本拠地は音楽の街ロンドン。また他にもアムステルダム、ベルリン、リスボン、サンパウロ、メキシコシティ、クラクフ、東京、シドニー、ロサンジェルス、ニューヨークなど、特にテクノ音楽とゆかりのある土地に拠点を置いて活動している。世界中で1ヶ月でおよそ約30から35のライブショーを開催している。彼らの活動は主に、世界中からライブパフォーマンスをする音楽家、またはDJを集めオンライン上で紹介すること。アーティストのライブ、DJのプレイする様子をリアルタイムで配信し、その映像をYouTubeなどで保管、パフォーミングできる場を提供している。

ボイラールームの活動がここまで大きな成功を収めるきっかけになった理由は、創始者である「Blaise Bellville」が彼のテイストに合わせた他の腕利きアーティストたちを彼自身が手がけていたオンラインマガジンのミックステープ収録に招待したことがはじまりである。Blaise Bellvilleの直感は、ものすごく時代性にマッチし正解だった。当時ミックステープの収録に招待されていたアーティストとは、現在世界のDJのハートとも呼ばれる「Thristian Richards」や、クラブミュージック発信の地ロンドン東部(ハックニー)が発祥のオンラインラジオ局「NTS Radio」の創始者でもある「Femi Adeyemi」など。彼らもまた同じくボイラールームの成長とともに同時進行で成功し続けているアーティストたちである。彼らが最初に撮影したライブ映像は、2010年アメリカの動画共有サービスUstream(ユーストリーム)でリアルタイムに放送された。

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Boiler Room(ボイラールーム)が主催を務める音楽とは

ボイラールームが主催を務める音楽内容とは一体どんなジャンルのミュージックなのだろうか。

彼らがプログラミングする音楽は基本としてガレージ、ハウス、テクノ、ダブと言った「エレクトリック・ミュージック」に焦点を当てたものが最初は主流だった。現在ではグライム、ヒップホップ、クラシック、ジャズなどと徐々にジャンルも拡大させている。英国の伝統的な新聞「The Guardian」の調べによるとボイラールームは以下のような記録を出している。

Boiler Room(ボイラールーム)の、2010年その活動を開始してから現在まで世界各国でストリーミングされている分数は約35億分(ミニッツ)。視聴者の数は約40万人を越えている。

(The Guardianより)

量、そして質にもこだわりを見せるBoiler Room(ボイラールーム)のアーカイブ

ボイラールームが、他のリアルタイムでライブ音楽の映像などを提供する組織と比べ一際優れている点は、彼らが保管しているアーカイブの量数が断然多いと言うこと。幅広く展開しているようだがよく見ると内容は彼らのテイストにかなり絞りがかけられている。逆に言うと、ストイックに自分たちのこだわりのアーティストだけを世界中からチョイスし提供することが、ボイラールーム特有のオリジナリティーある顔ぶれを揃える秘訣でもある。自らの音楽テイストに相当な自身があると言うことが、ボイラールームの成功の重要な鍵らしい。

ボイラールームのアーカイブは数だけではなく、その質にもこだわりを見せる。

例えば、YouTubeでBoiler Room(ボイラールーム)をチャンネル登録しておくと週に大体10本は新しい動画がアップされることが分かるだろう。しかも登場して来るアーティストも「Nicola Cruz(ニコラ・クルーズ)」や「Bonobo(ボノボ)」「DJ SHADOW」と凄腕ばかり。中にはレディオヘッドの「Thom Yorke(トム・ヨーク)」すら彼らのライブ映像に登場するという様。

http://35.245.19.26/archives/12360

また、ボイラールームの興味深いもう一つのこだわりは、彼らのライブ映像に登場して来る客が全て一般来場者ではなく、彼ら独自の目で選んだ招待客であると言うことだ。彼らのライブ映像はあくまでプロの撮影を通した「ショー」である。盛り上がり方にもアーティストたちと一定の距離感を保つ徹底した指導とこだわりを見せるのが当然という意見。筆者の私もいつかこのボイラールームに招待されてみたいものだ。きっと大きなステータスになるに違いない。

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自身のオンラインマガジン配信からスタートした、ライブ音楽映像配信サービス。Boiler Room(ボイラールーム)の熱狂は、他と格別な違いを見せる。YouTubeなどにも多数アップされてあるので興味があればぜひとも視聴していただきたい。テクノファン以外もジャンルを越えて楽しめること間違いない。