https://www.whowhatwear.com/asian-designers

 アナスイを始め川久保玲、山本耀司、三宅一生、渡辺淳弥など、世界で成功した数少ないアジア系のファッションデザイナーたち。最近では、様々なアジアの国々から個性あふれるファションデザイナーが続々誕生し、ラグジュアリー界はアジア系ファションデザイナーなしに語れない程、注目を浴びている。

その理由の一つが、今まであまり世界のラグジュアリーファッション界では見かけなかった、中国、マレーシア、シンガポール、ネパールなど、様々なアジアの国々の魅力が、今世界で刺激を与えている事にあるだろう。そしてミシェル・オバマを始め、多くの政治家/セレブリティー達が、国際色豊かなデザイナーの作品を着用する機会が増えたことだ。

アジアの新鮮なデザインやカッティング技術、今のラグジュアリーは、真のインターナショナルなデザイナーで彩られている。そんな中最近注目を集める、今知っておきたい素晴らしい若手のファッションデザイナーを5名紹介したい。

1- ハン・チョン (Han Chong)

https://www.mirror.co.uk/3am/style/celebrity-fashion/self-portrait-dress-kate-meghan-9270766

ハン・チョンは1978年マレーシアで生まれ育ち、服飾の学校で勉強するためにロンドンに引っ越した。卒業後、共同創設者と一緒にレーベルを立ち上げるが、彼は自分自身のクリエイティビティを表現したいと、セルフポートレイトという自身のレーベルを、2013年に創設した。イギリス王室のキャサリン妃、メ―ガン妃もセルフ・ポートレートのドレスを身に着け、女優のクリステン・スチュワート、リース・ウィザースプーン、そしてあのビヨンセまで着用したという話題のデザイナーなのだ。

ハイブランドの上質の素材でクリエイティブなデザインなので、数十万円はくだらないと思わせるドレスが、実際4万円ほどで、驚くほど手頃のプライスが魅力的。その手頃さで、上質のデザイナードレスが手に入ると世界中で話題を浴びている。

2- サンディー・リアング (Sandy Liang)

https://www.oprahmag.com/style/a23553236/fashion-sandy-liang-chinese-culture/

 

サンディー・リアングは、1991年生まれの27歳。彼女のお父さんがマンハッタンのロワー・イースト・サイド(中華街)でレストランを経営している、中国系アメリカ人なのだ。ニューヨークを中心に人気が高まっている”IT(イット)”デザイナーだ。彼女は小さい頃から、絵を描くことが大好きで、結局ニューヨークのファッションの学校の一つ、パーソンズ ・スクール・オブ・ デザインを卒業後、2014年に自身のレーベルを発表。

彼女のコレクションは、「ニューヨークシティーの中華街」の要素が詰まっている。つまり、中華街で育ったバックグランドからも刺激を受けながら、シティー・ガールの新鮮さをミックスした感じだ。彼女は、中華街のレストランでモデルに集まってもらいコレクションを発表したり、自身の中国人のおばあちゃんを最新コレクションを集めたファッションカタログ(LookBook)に登場させるなど、斬新なアイデアが話題を呼んでいる。サンディー・リアングのお店はニューヨークに一店舗のみだが、百貨店のNordstromやSaksでも取り扱いがあり、海外からの注文は、オンラインで受け付けている。

3- ジョセフ・アルチュザラ (Joseph Altuzarra)

https://www.qthestylist.com/2018/03/10/spotlight-joseph-altuzarra/

 

ジョセフ・アルチュザラは、1983年中国系アメリカ人の母とフランス人の父を両親に持ち、パリで生まれる現在36歳の若手実力派デザイナーだ。2004年アメリカの大学でアートを学び、その後ニューヨークでマーク・ジェイコブスのインターンシップをする。その後ファッション界での経験を積み、パリでジバンシーのデザイナーの下でアシスタントを務め、2008年自身のレーベル、アルチュザラを発表する。

2009年には、ニューヨークのファッション・ウェークでデビューを果たし、あのアナウィンターから高評価を得る。自身が生まれ育ったフランスの影響を存分に追求した、彼のデザインは伝統的なラグジュアリー・ブランドの一員を果たした。CFDA/VOGUEファションファンド賞も何度が受賞し、彼の実力は世界中で評価が高い。

4- プラバル・グルン(Prabal Gurung)

https://www.definingcultures.com/prabal-gurung-nepali-american/

プラバル・グルンは、シンガポール生まれ、ネパール育ち。インドでファッションデザインを学び始め、その後ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインで卒業後にニューヨークでデザイナーとなる。

卒業後は、あのシンシア・ローリーと共に2年間プロダクション・チームで働き、その後5年間ビル・ブラスでデザイン・ディレクターとして経験を積む。2009年に彼自身のレーベル、PRABAL GURUNG(プラバル・グルン)をニューヨークのブライアント・パークで披露した。鮮やかな色使いと、ネパール・インドの刺激を受けるパターンが彼のドレスを際立たせる。ミシェル・オバマ、キャサリン妃、サラ・ジェシカ・パーカー、セリーナ・ゴメスなどが着用したことでより人気が急上昇した。現在彼は、ネパールの親善大使としても活躍し2015年ネパールで地震があった際も1億円以上の寄付を集めるファンドを設立した。

5- ジェイソン・ウー ( Jason Wu)

http://www.stylebistro.com/Jason+Wu%27s+Celebrity+Clientele
ジェイソン・ウーは、1982年台湾生まれで、カナダのバンクーバー育ちの、ニューヨークをベースとするアーティスト兼ファション・デザイナー。ニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインで勉強し、彼自身のラインを発表するにあたって、ナルシソ・ロドリゲスの元でトレーニングをした。

覚えている人もいるかもしれないが、2009年元オバマ大統領の就任舞踏会の際に、ミシェル・オバマが着用したゴージャスで品もある、あの白いドレスが彼の名を世界に広げた。それ以来、ジェイソンは多くのセレブに衣装提供を果たし、プラス・サイズのラインまで立ち上げたのだ。ダイバーシティーが目まぐるしく進むファッション界で、新しいデザイナーのスタイルに出会うことは、飽きやすい私たちを常にドキドキさせてくれる。