POSTED ON 2019年6月7日 1 MINUTE READ BY SIXTYMAGAZINE TEAM
今回は、今最も注目を集めるロックバンド「Tempalay」のフロントマン小原綾斗さんへ聞いた21の質問を紹介。
一度聞いたら瞬殺脳内トリップすること間違いなしの独特な世界観が魅力のTempalayのほぼ全ての曲の作詞作曲を手掛けている小原綾斗さんの、ちょっとSっ気ある素顔に迫ってみた。
Q1:いつ高知から上京されたのですか?
20歳の時です。高知に住んでいた時からバンドは組んでたんですけど、一度音楽に飽きちゃって大阪で映画の勉強してました。それを辞めて、高知時代のバンドを再結成しようと思い、その時のボーカルの先輩が東京に上京してたので、その先輩の家に転がり込んだんだのが20歳のときです。ただ、二年ぶりぐらいにその先輩に会ったらとんでもなく面白くない奴になってて。そのせいで一瞬大学生コンプレックスになりました。
Q2:そこからTempalayが誕生するまではどういう活動されてたんですか?
当時は、週7ぐらいでバイトしてたので、なかなか人との出会いがなかったですね。なので、知らない大学に潜入したり、メンバーを募集してる音楽サークルとかに応募したりして、その間10回ぐらいバンドを組みました。ただクソな奴らしかいなかったから、もう自分で歌おうと思って。それで一人でやってたら徐々に人が集まって今に至るって感じですね。
Q3:現メンバーとの出会いは?
藤本夏樹(ドラム担当)は池袋の小っちゃいライブハウスの喫煙所で出会いました。ドラムプレイは見てないんですけど、まぁイケメンだったので「叩いてや~」って声かけたら「レコーディングの時だけなら」ってことで参加してもらって。それからコンテストに応募する時に「アー写入る?」って聞いたら、「一応入っておこうかな」みたいな感じでずるずる一緒にいます。実はまだ一回も「一緒にやろう」とは言ってないですね。内縁の妻みたいな。
AAAMYYY(シンセサイザー担当)は、2016年ぐらいからサポートで2、3曲だけ弾いてもらってました。その後アメリカにツアーに行くときにAAAMYYYに「一緒に行きたい」と言われ、「どうせ一緒に行くなら、もう全曲弾いて一緒にライブしたらいいんじゃん」ってなって、そこからずるずる一緒にやってます。
Q4:大阪で映画の勉強をされていたということで映画は好きなのですか?
いや、そんなに好きでもない。最近良かったのは普通にグリーンブック良かったです。あと、岸和田少年愚連隊を見直したぐらいですかね。
Q5:普段どんな方と飲みに行きますか?
MONO NO AWAREとかKing GnuとかTENDOUJIとかPERIMETRONとか。あんまり会社員とか、そういう方とは時間が合わないんで、クリエイターとかと飲むことが多いですね。美容師とかそういう。あと二人で飲むことが多いかもしれないですね、マンツーマン。大勢でわーっといるのあんまり好きじゃない。
Q6:「引くほど人を選ぶ」小原さんの”こいつ面白いな”と判断する基準とは何ですか?
第一条件としては、あざとくないやつです。一瞬でもあざとさを見せてきたらちょっと上からもの言いますね。
Q7:普段はどんな音楽を聞きますか?
洋楽、邦楽問わず音楽は色々聞きますけど、やっぱり純粋にすっと入ってこないっていうか、普通には聴けなくなってきたんで、自分の創作のインプットになるようなものしかあまり聴けなくなってきましたね。でも最近は日本の古い音楽とか、あまり知らないなと思って結構聴くようにしてます。
Q8:2019年6月5日にリリースした新アルバム「21世紀より愛をこめて」のコンセプトとはなんですか?
ボイジャーレコードから今回はインスパイアを受けています。ボイジャーレコードとは、NASAが打ち上げたボイジャー探査機に当時の文明を詰め込んで飛ばしたレコードのことで、海の音とかいろんな音が収録されていて、それを拾った地球外生命体に”こういう文明がある”っていうことを知らせるためのロマンティックなものです。 今音楽は、どんどんサブスク化していって物がいらないじゃないですか。でもなんか例えば子供が物を実際に手に取って遊ぶことってものすごく実感があるっていうか、そういうことって意外と大事だなと思って。
だから、自分が今感じてる匂いとか、空気感とか、情景を詰め込んだものを、100年後か1000年後かに、自分の子供かそのまた子供か、はたまた人間じゃない何者かが、ぱっとそれを開いたときに、そのときの匂いとか空気を感じてもらえたらそれはメッセージになるかなと思って、この瞬間から未来へっていう意味で「21世紀より愛をこめて」っていうコンセプトにしました。
Q9:収録曲の「おつかれ、平成」は3.11についての曲ですか?
この曲は震災の歌とは言ってないんですけど、でも確実にそう読み取れますよね。平成ってどうしようもない事や、向き合いたくない現実とか、たくさんあったと思うんですね。だけどみんな前向いて生きていかなきゃいけないわけじゃないですか。どうあがいても時代は変わるし、どんどん時間は過ぎて行くんで、いろいろあったけど「とりあえずおつかれ」ぐらいのラフな感じでいこうよと。この瞬間は、この瞬間で過ぎて行くし、前向いて生きて行くしかないっていうことです。
Q10:「そなちね」は藤本夏樹さんのお子さんに向けた曲なのですか?
たまたま夏樹に子供が生まれるから書いたけど、別に夏樹の子供のための曲ではないんですよ。なんか変な広がり方してるよね。
お正月に「ソナチネ」っていう映画を中学生ぶりに見て、この話は、自分で自分の父親を殺しヤクザという道を選んだ主人公が、他のヤクザと違って自分には帰る場所がない、死ぬことでしか自分を幸せにできないってなって自殺するというものなんです。これから生まれてくるものってめちゃくちゃ美しいわけですよ。全く違うものだけども、全く一緒のもの。表裏一体っていうか、二面性をこの曲では書きたかったんです。
Q11:ファンからの反応などをみてきて、「次の作品はもっとやばいものにしなくちゃ」とプレッシャーに感じることはありますか?
別に「奇抜なことをやろう」と意識してやってるわけではないんですよね。メンバーみんな「表現としてビビらせたい」みたいな思いと「常に過去の自分達を超えていく」みたいな感覚があると思います。あとは、期待されればされるほど、すごくそれを上回ったり、真逆のことをやって期待を裏切りたくなりますね。そうすることがむしろファンへの信頼につながる気がしてるのでこれからも期待を裏切っていきたいです。
Q12:自分のことをエゴサーチしたりしますか?
めちゃくちゃしますね。楽しいです。「小原君、かっこいい」ってやつだけ拾ってます。「AAAMYYYめっちゃかわいい」とか「夏樹くんイケメン」とかは全部通報してます。
Q13:ライブ中でテンションの上がるファンの仕草などはありますか?
僕、たぶんめっちゃSなんですよ。例えばめちゃくちゃアウェイなライブとかあるじゃないですか。そういう時みんな白目むいてるんですよ。誰こいつらみたいな。そういう人たちの前で歌うのめっちゃ興奮するんですよ。逆にキャーキャー言ってると「うそつけ」って思うんです。
Q14:今回の「のめりこめ、震えろ」PVは最初から最後までのめりこんで見続けてしまうものでしたが、意識したことはありますか?
最初の1分を大事にしてます。最初の1分では完結しない内容にいい意味でなりましたね。いつものダッチ(監督:山田健人の通称)とはまたちょっと違って面白かったですね。
Q15:「死」に言及する歌が多いですが、「死」についてどのようにお考えですか?
死はめちゃくちゃ怖いですよ。だからこそ興味があるっていうか。人の狂気とかにすごく興奮してしまうんですよ。ものすごい怒ってるときとか、バイオレンスだったり猟奇的なものとか、すごく好きで興味があって、その最たるものが死だと思ってます。今回の最新曲「のめり込め、震えろ」のPVのテーマも、おどろおどろしいものの美しさみたいなものになってます。絶妙な恐怖に興味があるんです。
Q16:最新曲「のめりこめ、震えろ」PVで、最後の方に登場するぬらりひょんみたいなものの正体は何ですか?
「のめりこめ、震えろ」は音楽業界に対する宣戦布告みたいなテーマなんです。
最後に登場するのは、なにかのメタファーであって、どんなに頑張っても絶対に勝てない強大なものがあるっていうことの設定なんです。それが音楽業界なのか音楽以外のなにかなのかメディアなのか分からないですけど、絶対的に勝てない何かがあるんですよ。 ある程度取り込めても絶対に殺されるっていう。表現が断たれる絶対的ななにかがあって表現が突き抜けることはないと思うんです。これから先も。
Q17:小原さんは今の音楽シーンについてどうお考えですか?
良質なものっていうのは、何年たっても聴けるんですよ。ただ僕たちの世代って、一手先をめちゃくちゃ狭い視野でしか見てない、この瞬間がよければ満足って音楽家が多いなって思いますね。 お客さんは、流行ってるとそれがどんなにダサくても「これがいまの音楽なんだ」って勘違いする。そうやってどんどん質が下がって悪循環になっていく。ちょっとずつ変わりつつあるなっていうのは実感はあるんですけどね。まぁ一世代前の奴らがそれをダメにしたんじゃないですかね。(笑)
Q18:ちなみにTempalayを聞いたことない人に自分たちをどう勧める?
勧めないですよ。聴かない方がいいよって言う。刺激が強いからね。
Q19:普段言えないメンバーに伝えたいことあればおしえてください。
“一緒にいてくれてありがとう”と書いておいてください。
Q20:今回のアルバムについてファンへのメッセージはありますか?
形ある物を買って欲しいですね。それを自分の子供や孫に物として伝達していってくれれば、僕の目標はクリアするかなという感じです。
Q21:最後に伝えたいことがあれば一言どうぞ
夏ですね。夏はやっぱり楽しいですよね。夏は好きです。
Tempalay(テンパレイ)
2014年の夏に結成されたロックバンド。結成からわずか1年で「FUJI ROCK FESTIVAL’15&17」に出演し、アメリカの大型フェスSXSWに出演、2度に渡る中国ツアーを行う等、最も注目を集める新世代ロックバンド。2018年7月より小原綾斗(オハラ・リョート/ Gt&Vo)、藤本夏樹(フジモト・ナツキ / Dr)、AAAMYYY(エイミー / Cho&Syn)による新体制となる。新体制でミニアルバム『なんて素晴らしき世界』を9月26日リリースし各所で高い評価を得る。そして今回その独特な世界観にさらに磨きがかかった新アルバム「21世紀より愛をこめて」が2019年6月5日にリリース。
■リリース情報
NEW ALBUM
Tempalay「21 世紀より愛をこめて」
2019 年 6 月 5 日(水)発売
PECF-3234
価格:2600 円(税抜)
CDの購入はこちらから:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07Q2FHDB6/httpwwwgeo077-22/ref=nosim/
▼ツアー情報
“TOUR「21世紀より愛をこめて」”
6月6日(木)京都 磔磔 【SOLD OUT】
6月21日(金)金沢 GOLD CREEK
6月22日(土)新潟 GOLDEN PIGS BLACK 【SOLD OUT】
6月23日(日)仙台 spaceZero 【SOLD OUT】
6月28日(金)岡山 YEBISU YA PRO
6月29日(土)大阪 Shangri-La 【SOLD OUT】
6月30日(日)名古屋 APOLLO BASE 【SOLD OUT】
7月3日(水)東京 LIQUIDROOM 【SOLD OUT】
7月5日(金)福岡 the voodoo lounge 【SOLD OUT】
7月6日(土)広島 CAVE-BE
7月7日(日)高松 TOONICE 【SOLD OUT】
7月20日(土)札幌 BESSIE HALL 【SOLD OUT】
[チケット]
前売 ¥3,000(スタンディング/税別/1D代別)
各プレイガイドにて発売中