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シンガポール出身、現在ロンドンを拠点に活動するyeule(ユール)が満を持してファーストアルバムとなる『Serotonin Ⅱ』をリリースした。アルバムタイトルからも漂う、酩酊的なサウンドがクセになるアルバムに仕上がっている。

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yeuleとは

シンガー/トラックメイカーのNat Ćmie(ナット・チミエル)によるエレクトロニック・ポップ・プロジェクト:yeule(ユール)。ファイナルファンタジーのキャラクターに由来する名だという。2014年にデビューEP『Yeule』を発表しそのキャリアをスタートさせる。以後2枚のEP『Pathos』『Coma』計3枚のEPをセルフリリースし、2018年には海外を拠点に活動するアーティスト LLLL (フォーエル) とコラボレーションしたシングルをリリースするなど、その注目度は予てより高いものであった。

エモい

Sound Cloudを始め、自分で作った音楽がインターネットを通じて世界中にいるリスナーに届くようになってから新たに生まれた音楽ジャンルは数知れない。Vaporwave、ローファイヒップホップ、エモラップ。インターネット発の音楽に、ジャンル問わず言えることの一つとして”吐露”のようなニュアンスが垣間見える。自分を取り繕うことでも、大きく見せることでもなく、若さゆえの孤独感を部屋で一人モニター越しの不確かで微かな共感を頼りに、脆くも、しかし確実にどこかの誰かと結びついている音楽。それが一種のムーブメントとなって初めてジャンルとして確立してきた。部屋で一人、クラブの空気感を想起して、自分が踊れる曲を作って何が悪いと言わんばかりに。その最先端を走り、高等な表現技術を持った存在こそが彼女だ。

親日家?

日本の駅のホームアナウンスのサンプリングや、「Pixel Affection」という曲では”あの人”と微かな日本語らしき声の連続を聴くことができる。シンガポール出身というバックグラウンドを持つ彼女の活躍は、同じアジア人として誇らしいものであり、よりシーンにおいて大きく名を上げていくアーティストとして注目しておいて損はないはず。というよりも、アルバムを一聴していただければクセになることもさることながら、その脆さや危なっかしさから彼女の存在が頭から離れなくなってしまうのではないだろうか。彼女を中心に大きなムーブメントがこれから蔓延していくはずだ。