TENDOUJI モリタナオヒコ×アサノケンジ 「俺たちはアジアのバンドだっていうのを押し出したい」

インディーシーンきっての愛されバンドTENDOUJIが遂に、1stシングル『COCO』をリリース!4人がポップな海賊達に扮したジャケットを開けると、そこにはいつまでも変わらない愛すべきTENDOUJIらしさと、彼らの新たな挑戦が宝箱のように詰まっている。そんな宝箱を開けた人も、まだの人も、このインタビューを読んで彼らが創り出す甘酸っぱい青春の主人公になれるはず。
新曲のポイントはもちろん、リスナーが気になるステージからの光景も要チェック。FUJI ROCKやオールナイトニッポン出演など、飛ぶ鳥を落とす勢いで郭大するTENDOUJIの、丸い空間に飛び込もう。

先日リリースされた新曲、COCOのイントロが特に印象的でした。TENDOUJIのメイン曲はトップからポップでハイテンポなリズムのイメージが強いので。

モリタ:イントロは確かに今までには無い感じだよね。俺らってアジアのバンドで、アジアの片隅の日本という小さな国でバンドやっているわけなんだけど、そういう、「俺たちはアジアのバンド」っていうのを押し出したかったんだよね。MVも海外で撮影したし。後は僕ららしい疾走感や駆け抜けるところを出して行こうと。

歌詞も甘酸っぱい青春の1ページを連想しますが、どこか傍観者としての一面も感じます。

モリタ:僕の曲はだいたい、昔の自分を今の自分が俯瞰しているっていうので作っています。僕たちはバンド始めるのが28歳で遅くて。それまでの人生が本当に辛かったんだよね。今やっとバンドやって好きな事やって、楽しくなってきた。こういう歌詞はいつもそうですけど、辛かった時の自分を見ているイメージ。昔の自分を見ている。今はつまらないけど、楽しくなるよと。

ケンジさんは今回、Magic Hourを担当されていますが、どうでしょうか?

アサノ:俺も昔しんどくて、本当に何も無い人間だったから(笑)。でもバンドやる事ですごく今クリアになっているというか。今回の曲は、歌詞だけ見たらマイナスのことしか言ってねえなって、曲ができたあとに気づいて(笑)。でもそれをそのまま出せたのは、今の自分が過去の自分を清算できているからなのかなと。そこの感覚でやっているのかな。歌詞は基本的には自分の話が多いな。

お二人は普段から曲や歌詞の意見の交換などはありますか?

アサノ:歌詞に関しては全く無い。むしろ話したく無いし知りたく無い(笑)。

モリタ:恥ずかしいからね、歌詞って(笑)。同級生になんか内面をさらけ出すのって、今更そういうことを知られるの恥ずかしいなって。でもバンド始めた頃はヨッシーと3人で歌詞を書いてましたね。最近は別々だけど。多分言いたいこともそれぞれあるだろうっていう。でもまた一緒に作ることもやりたいですね。

お互いから見た魅力や自分にはできない表現だったりはありますか?

モリタ:それはありますね。俺だってこういうの(ケンジさんのアーティスト写真)できないし(笑)。こんなポーズ取れないっすもん(笑)。

アサノ:単純にTENDOUJIのイメージとなる曲はナオが書いてて。やっぱり書き始めたタイミングも絶対一緒だし、バンドも一緒に始めたから経験値に大差はない状態で始まったけど、ライブまで想定して曲を作れたり出来るっていうのは俺はできないなと。

逆に、ご自身で思う役割や意識していることは?

アサノ:俺は、鉄砲玉かな、、、。

モリタ:鉄砲玉だったんだ(笑)

どういうところが鉄砲玉なのでしょうか?

アサノ:なんかパンって出て行くなら最初に出て行こうと思うし。あと、太ってるしね。わかりやすいじゃん太ってるやつって(笑)

モリタ:俺はなんか役割って言っても、中学からの立ち位置だと思っていて。ケンジが先頭にいて、俺がちょっと端っこにいて、ヨッシーはどっちにもいて。ナオユキは後輩なんでちょっとうしろからのぞいてる、そんな感じで。

そういった4人の雰囲気を大切にされているからこそ、その雰囲気が伝わってお客さんも盛り上がれるのかなと。

アサノ:曲によってはもちろんその範疇を超えることもあるんですけど、基本的に最初曲作って、最初はこの4人でやったらかっこいいなっていうのを考えますね。

今回の1stシングルリリースまで、FUJI ROCKやオールナイトニッポン出演など、特にここ1、2年で様々な変化や飛躍があったと思うのですが、お二人は何か思う事はありますか?

アサノ:関わってくれる人も増えたし、単純に意識は変わったかな。前は自分たちでちっちゃい車に乗って移動して、いいライブしようが悪いライブしようが、俺らの責任だからって喰らってなかったんだよね。今は重荷を背負ってる訳ではないけど、色んなことを考えながらライブするようになったな。でも計算している訳ではなくて、自然に付いてきたというか。完全に気持ちでライブをやっている中にもそういったのが自然に入ってくる感じ。

昨年のボロフェスでTENDOUJIを初めて見たのですが、そこからこの前のリキッド「マケタクナイ」までの様々なライブを通して、皆さんのTENDOUJIに対する熱量がどんどん沸点以上に近づいているなと。

モリタ:スタッフもお客さんも含め、なんか沢山の人が関わってくれて嬉しいっすよね、単純に。ボロフェスのステージ懐かしいな。独房みたいなところでしましたからね(笑)。ぎゅうぎゅうで息できなかったですもん(笑)。

ボロフェスでも印象に残りました、その後もずっと機嫌良くなっちゃう感じで。

モリタ:ボロフェスの話になっちゃうんだけど(笑)。俺ボロフェスめっちゃ好きで!バンドやってない頃から行ってて、やっと出れて、今年はメインステージのトリ。めっちゃ嬉しかった。本当に最近で一番嬉しかったかも。
FUJI ROCKもそうなんだけど、ボロフェスもそういうマインドを持ったフェスだと思っていて。いつまでも変わらない様な、美しくあるフェスってあるじゃないですか。そういうフェスに呼んでもらえて本当に嬉しいし、自分たちがそうなれたことが嬉しい。

今年も様々なフェスやライブに立たれていますが、印象に残ってるステージはありますか?

アサノ:FUJI ROCK!!

モリタ:まじで出たかったからね。毎年超悔しかったもんね、出れなかった時。

アサノ:もうすごいね、本当に感動した。もうなんか憑き物全部取れて、少年になった感じがした。酒飲んでわーっとするのも違ったんだよね。終わった後マジでスッキリして、純な生物になれたというか。

モリタ:ハハハハハ(笑)!確かに、ライブやってから家帰った記憶がないんだよね。ライブ前の記憶はすごくあるんだけど。

アサノ:本当に出たいと思ってたし、夢だったから。

FUJI ROCKには、具体的に何があるのでしょうか?

モリタ:何だろうな、ライブハウスでも思うんですけど、お客さんが騒げてフリーになれる箱となれない箱の差があって。これはいつも思うんですけど、騒げない場所の雰囲気って堅いんですよ。形で表すと、四角くて。FUJI ROCKは丸いんです。

アサノ:めっちゃわかるわ。

モリタ:ライブハウスでも四角いのと丸いのがあるって僕は思ってて。四角い箱はダサいバンドが多い気がする。丸い箱に行くと、かっこいいバンドがいて良いスタッフがいる。多分歴史だと思ってて、音楽好きな人達が作り上げてきた歴史が雰囲気とかが反映されてると思うんだよね。ボロフェスやFUJI ROCKもそう、そういう感覚の人たちが繋いできたフェスやライブハウスは、今も良いまま残ってるんだと思う。

四角は丸になれるのでしょうか?

モリタ:なれると思う。でも丸から四角になったフェスもある。丸かったのに四角になっちゃった。みたいな。全部丸くなったらマジで最高だと思う。

因みに、丸の特徴は?

アサノ:人かな。

モリタ:人だな。

アサノ:そこに関わっている人だったり、イベントに対してどう考えてるかもだし。良い場所はやっぱりそこにいる人がみんな楽しそうにしている。働いてる人とかボランティアの人とかも。全部それかなと思う。

モリタ:なんかね、ちゃんと自分の意思を持って、音楽を聴きにきてるなって思う。俺が思ういいフェスは。
難しくなっちゃったけど。そうだね純粋に丸くしたいね、俺らの場所を。決して堅くならないでほしいってだけかな。多分俺らを見たら、その人の感覚とかがちょっとでも変わると思うし。自分たちを観て、何か持ち帰ってほしいとは思う。丸は純粋にみんなにとって楽しい場所だから。

TENDOUJIの場所を丸くする為に、お2人がステージで意識していることはありますか?

モリタ:あまり形式張ったものにしないっていうのは、初めから思っていたしこれからもできない。今まで「よっしゃお前らついてこい!」みたいなのが嫌いで、こういうアーティストがいたらいいなってのに自分たちはなってるつもりだから、ルールは決めてないです。意識しているのは、「最高のライブをすること、最高に楽しむこと」かな。緊張はするけど。

ライブ前のルーティーンだったりはあるのでしょうか?

アサノ:最近手を合わせて円陣みたいなのしてますね。
みんなずっと友達だし、他のバンドよりもダラダラしちゃうんだよね。だからこそ形式張ったのが出来ないっていうのもある。もう20年近い仲だから、こうしてこうやってっていうのを作りたくないし。でもスイッチは必要かなって、だからちょっと簡単な円陣をやり始めたのかな。

TENDOUJIさんのコピーバンドZENDOUJIに対する「俺たちはカバーしやすい」というコメントが印象的でした。カバーされる事に関しては、曲作りで意識されてないとは思うのですが、、、。

モリタ&アサノ:そうですね、してないです。

モリタ:でも実は、もはや珍しいんですよ僕達みたいなバンドが。ギターとベースとドラムだけでやっているバンドがすごい少なくなってきてて。俺らはフィジカルでやる楽器なので。だからじゃないかなあ。あと本当に初心者が考えた曲だから、多分そりゃあやりやすいだろうなと思う。

逆に、もっと難しい事をしたいという欲などは?

アサノ:あるっちゃあるけど、うーんって感じ。そこの欲がマックスな訳ではないから。別に今まで作ってきた曲も高校の時あったらいいなって思える曲ばっかだし、そっちの良いっていう方がいいなって思うし。全然違う複雑なことを4人でやろうってのも、タイミングがきたらやろうってくらいで。それありきで進めようとは思ってないかな。

モリタ:やっぱ、音楽長くやってるとそうなると思うんですよ。コアな方向に進んでいって、テクニックが必要だとか、難しいことやろうとか。でもどのバンドも実はファーストアルバムが一番いいなって思ってて、輝きがあるというか。いい音楽って、技術とかそういうことじゃないんだろうなって。たまに難しいことやろうとする自分がいるときは、そこに立ち返ろうとする。やっぱり良いメロディーを作るっていうのが1番。

その立ち返る方法の1つとして、自分たちの昔の曲を聞くことも?

モリタ&アサノ:たまーにあるね。

モリタ:本当にまだ全然始めたばっかりの曲を面白がって聞くこともある。うわーみたいな(笑)。でもやっぱ良いんですよね、変わんないんですよ。

アサノ:めっちゃいいよね。今だったら絶対この音選ばないだろうなっての選んでて、それが面白かったりするから。マジでめっちゃいいと思う。でもまあ売れねえだろうなって、今聞いたら(笑)。

モリタ:でもいい意味で進化は確実に自分たちもしてるので、上手くなったなとも思うよね。

因みに、最近ハマってることはありますか?

アサノ:最近、映画館で寝るのにハマってる、金払って(笑)。今日も寝てきたし。午前10時の映画祭で「時計じかけのオレンジ」やってたんだけど、ホットドック食べて寝ちゃった(笑)。あと食べ放題。高級寿司の食べ放題とか、単純に温野菜とか。食べ放題って言っても、いつも限界まで食うしって感じなんだけど。

モリタ:もう食べ放題に行く意味がわかんないよね(笑)。
俺は、趣味がお笑いしかなくて、ダウンタウンさんのオタクみたいな感じで。俺多分、ずっとYouTube見てる。移動中もダウンタウンしか見てないし、寝るときも松ちゃんの声がないと寝れない(笑)。これは本当で、もう松ちゃんをかけたまま寝る。で、起きて松ちゃんの声で目覚めて(笑)。松ちゃんってすごくいい声してんだよね。

アサノ:わかるわ〜。めっちゃいい声だよね。

一番好きな松ちゃんのフレーズは?

モリタ:もうね。「松井、お前、泣いてんのか」っていうガキ使の、知らない?

アサノ:ハハハハハ!何それ(笑)!

モリタ:ガキ使のフリートークなんだけど、多分”ガキ使 松井”ですぐ出てくると思う。マジで見てほしい(笑)。その瞬間のダウンタウンが、地球で一番面白いと思う。本当にあの2人天才だなって思う。なんかね、もう元気になる。

アサノ:やっぱ、お笑いめっちゃ好きなんだよ俺ら、でもあんまり言えないよね(笑)。

モリタ:芸人さんってほんとにすごいパワーじゃん。志村けんさんが「人を泣かせるより、笑わせる方が難しい」って言ってて、ほんとそうだなって思ってて。

アサノ:ほんとそうだよ。M1とかもさ、緊張している状態で人を笑わせるってすごい。一回その頭の回転の速さとか見て見たいし。

今後の目標や挑戦したいことを教えてください!

モリタ:やっぱり、FUJI ROCKのグリーンステージだよね。

アサノ:うんそうだね、それこないだも話してたし。

モリタ:TENDOUJIって、言ったことが形になっているバンドだと思うんですよ。やっぱりFUJI ROCKの大きいあのステージに立つということは、日本でバンドやっている以上は思うし、立ちたい。

アサノ:The1975とレッチリが出るヘッドライナーにしっかり出たい。そういう意味でグリーンステージに立ちたいというか。今めちゃくちゃ勢いがあるからグリーンに立たせるのではなく、野外フェスでヘッドライナーに出てても違和感ないバンドになりたいです。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

アサノ:とにかくCOCOを聞いてください(笑)。

モリタ:そしてツアーとかフェスとかどこでもいいから、直接ライブにも来て自由に楽しんでいってほしいな。

【2019.11.6 リリース!TENDOUJI 1st Single『COCO』】

2014年、中学の同級生であったモリタナオヒコ(Vo,Gt)、アサノケンジ(Vo,Gt)、ヨシダタカマサ(Ba)、オオイナオユキ(Dr)により結成。
自主レーベル「浅野企画」を設立して、これまで3枚のEPと1枚のフルアルバムをリリース。類まれなメロディーセンスと90年代のオルタナシーンに影響をうけた爆発力のあるサウンドを武器に、全ての会場をハッピーなグルーヴに包みこむ4人組バンド。
2018年には「RUSH BALL」「BAY CAMP」などの国内フェス、そしてアメリカ最大級のフェス「SXSW」にも出演を果たす。
2019年2月には、グラスゴーの至宝バンド「TEENAGE FANCLUB」の来日公演のサポートアクトを務める。また「ARABAKI ROCK FEST.19」「VIVA LA ROCK 2019」「百万石音楽祭 2019」「FUJI ROCK FESTIVAL’19」「WILD BUNCH FEST.2019」など大型フェスに続々と出演し、シーンを席巻。
11月6日に初のシングル『COCO』を発売し、タイで撮影したMVも話題に。11月8日からは、全国ツアー<TENDOUJI TOUR PINEAPPLE 2019-2020>も開催中。ファイナルは2020年2月14日の恵比寿リキッドルーム初ワンマン。
東京インディ/オルタナ・シーン屈指の愛されバンド、TENDOUJI。

NEW RELEASE INFORMATION

■CD
ASNP-005 / \1,200+ 税
1. COCO
2. Magic Hour
3. TIME AFTER TIME

■7inch
ASNP-005v / \1,600+ 税
A. COCO
B. TIME AFTER TIME

【TENDOUJI TOUR PINEAPPLE 2019-2020】

《TAIBAN 2019》

11月08日(金)千葉 LOOK w/ スカート

11月09日(土)埼玉 北浦和 Livehouse KYARA  w/ スカート

11月17日(日)栃木 宇都宮 HELLO DOLLY  w/ tricot

11月21日(木)新潟 CLUB RIVERST  w/ズーカラデル、ザ・ジュアンズ

11月22日(金)石川 金沢 vanvanV4  w/ズーカラデル、Helsinki Lambda Club

11月26日(火)香川 高松 TOONICE  w/ドミコ

11月28日(木)京都 磔磔 w/ドミコ

11月29日(金)兵庫 神戸 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎 w/ドミコ

《ONEMAN 2020》

1月11日(土)北海道 札幌 BESSIE HALL

1月13日(月祝)宮城 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

1月16日(木)岡山 PEPPERLAND

1月17日(金)福岡 the Voodoo Lounge

1月24日(金)大阪 心斎橋 Music Club JANUS

1月25日(土)愛知 名古屋 CLUB UPSET

2月14日(金)東京 恵比寿 LIQUIDROOM

total info TENDOUJI web: https://thetendouji.com/

TENDOUJI
2014年、中学の同級生で結成。
自主レーベル「浅野企画」を設立して、これまで4枚のEPと1枚のフルアルバムをリリース。
類まれなメロディーセンスと90年代のオルタナシーンに影響をうけた爆発力のあるサウンドを武器に、全ての会場をハッピーなグルーヴに包みこむ4人組バンド。
2018年には「RUSH BALL」「BAY CAMP 」など国内フェスの他、そしてアメリカ最大級のフェス「SXSW」にも出演。
2019年2月には、グラスゴーの至宝バンド「TEENAGE FANCLUB」の来日公演のサポートアクトを務める。
また「ARABAKI ROCK FEST.19」「VIVA LA ROCK 2019」「COMING KOBE」「百万石音楽祭 2019」など大型フェスに続々と出演し、シーンを席巻。
東京インディ/オルタナ・シーン屈指の愛されバンド、TENDOUJI。