【連載:マイ マンスリーカレンダー】TAWINGS コニー・プラクトンと私達の、理想の3月

国内外で活躍するアーティストやクリエイターの方々に1ヶ月のスケジュールカレンダーを作成して頂く新連載企画。ライブイベントや気になるアーティストのリリース日、日常の小さな願望まで、気になるあの人の1ヶ月を覗き見できちゃう。
第1回目、3月のカレンダーを教えてくれたのは、3人組ガールズバンドTAWINGSのコニー・プランクトン。ガレージやポストパンクなどさまざまなあ要素を盛り込んだサウンドと、楽曲の色を存分に発揮するキュートなアートワーク達。DIYなアウトプットを重ねるTAWINGSに憧れるリスナーも少なくないはず。
こんな時期だからこそ、コニーちゃんとみんなで、近い未来の理想を話し合ってみよう。このカレンダーは、コニーちゃんだけでなく、音楽やアートを愛す私達のものでもあるのです。

3/1 Koki Nozue ‘VERTIGO’ Exhibition 最終日

1日は友達の写真展の最終日なんです。Ykiki Beat(ワイキキビート)っていうバンドが以前活動していたのですが、そのキーボードやっていた人の写真展が高円寺のFAITHで2/29~あるんです。

-ずっと仲良くされているのですか?

そうですね。すごい仲良いです。Ykiki Beatのメンバーが同級生なので、みんなでよく遊んでいて。Nozue君はその中の1人ですね。

3/3、4 NEW ORDER w/ 石野卓球(延期

3日と4日はNEW ORDERが来日するんです。しかもw/卓球さん!
もともとジョイ・ディヴィジョンが凄く好きで、TAWINGSが引き合いに出されたり、音楽性も似通った部分もあると思っています。なのでもちろんNEW ORDERも好きですね。前回行けなかったので、観ておきたい!今回のカレンダーでは、他のイベントとかも、自分の希望を書いてて、私の理想のカレンダーになっています。

-コニーさんは、以前石野卓球さんのTwitterが好きだとおっしゃっていましたよね?

そうなんです。その時、まだ石野卓球さんのTwitterがあまりメジャーじゃなかったのですが、ツイートが当時からかっこよくて、布教していたところだったんですよ。最近はすごいバズってますね(笑)。

-最近プライベートではどういう音楽を聴かれていますか?

最近は、4月に来日するToyをよく聴いていますね。来日もあるし自分の中で盛り上がっていて。あと、私のミューズでもある、Grimesの新譜が想像以上に良かったです。Grimesは最初から追い続けてきてるんですけど、今回のアルバムでは彼女の世界観をよりクリアに感じることができて嬉しかったです。

-3月のカレンダーに因んで、この季節に聴きたい曲はありますか?

うーん、季節であんまり聴かないかもしれないですね。何だろうな…。逆に冬に色々聴きたくなっていたかなと思います。暖かくなると、素朴な曲が聴きたくなるかもしれません。

-個人的に「水仙」は、冬も聴いてたんですけど、今の季節がより聴きたくなるなと。光が射して暖かく広がるというか…。

それは嬉しいです。シンセの音がすごい温かみがあるから、真冬にも、今の季節にも合うと思います。春っぽいというか、希望があるじゃないですか。水仙がちょうど3月とか4月に咲く花だから、よりこの季節にも合いますよね。

3/12 Fat White Family 来日

12日はFat White Familyというバンドが来日します。私はライブを見た事が無いんですけど、大人数のバンドで、気づいたら更にメンバーが増えていたんです。TemplesってUKのバンドのドラムの人が抜けたなって思っていたら、 Fat White Familyに加入していて。それで余計に気になって、来日公演も行きたくなりました。見た目のワイルドな雰囲気が新鮮で、音楽性も面白いバンドなんです。

3/13 HOME SHAKE 来日
The Garden アルバム「Kiss My Super Bowl Ring」発売日

13日にHOME SHAKEの来日もありますね。でも、来るのかな…、という不安もありますね。今回を逃しても、HOME SHAKEはそのうち絶対生で見たいです…。あと、この日は、The Gardenのニューアルバム発売日ですね。めちゃくちゃ楽しみです。

3/15 QUEEN IN THE PARK 〜クイーンと遊ぼう〜 @銀座ソニーパーク

15日は、銀座ソニーパークでやってる、”クイーンと遊ぼう展”が最終日です。QUEENの来日のタイミングで盛り上げてて、お母さんと行きたいねって話しています。QUEENが好きになったのも母の影響なので、一緒に行けたらいいなって。”クイーンと遊ぼう”ってだけで行きたいですよね、というか”クイーンと遊ぼう”って言いたいですよね(笑)。めちゃくちゃ良い響きだなって。

-コニーさん的、QUEENベストソングは何でしょうか?

決められないですね…。全部好きです。QUEENを聴いていたら情熱的なハードロック、シンセを使用したロック、70’sも80’s も好きになったんです。QUEENのおかげで、色々聴けるようになったというか…。幼稚園に行く車の中とかでずっと流れてて、幼心にずっと好きで聴いていましたね

3/16〜21 SXSW

“クイーンと遊ぼう”の翌日は、SXSWに行きたい!大事な事なんで、カレンダーに入れておきましょう。本当は行こうと思ってたんですけど、レコーディングが入りそうでやめちゃったんです…。

-出演者としても、観客としても、やはりSXSWは重要なイベントですか?

そうですね、SXSWは、新人にとって最も影響力のある登竜門ってイメージです。出演するアーティストも楽しめるし、街の大きな商店街のお祭りみたいな感じ。大きなステージがこのために作られているんじゃなくて、街のバーとかパブとかライブハウスとかも使って街全体で盛り上げるんです。最高ですよ。

3/20 Morrissey「I Am Not a Dog on a Chain」リリース

20日にモリッシーの新譜がリリースされるんです。今アップされている何曲かを聴いてみたら凄く良さそうで、めちゃくちゃ楽しみです。早く全曲聴きたいですね。

3/23 神保町でカレーを食べる

カレー大好きです。あたり前のことですけど…(笑)。前は油にスパイス入れて、香りつけてって、自分で作ってたんですけど、面倒臭くなっちゃって。
最近、レトルトカレーが豊富で、有名店のレトルトカレーも沢山ありますよね。吉祥寺のピワンっていう名店があるんですけど、並ばないと入れない人気店で、そこのカレーがレトルトになったから、それでいいやみたいな(笑)。成城石井に売ってる名店のレトルトカレーシリーズがめちゃくちゃアツいです。
多分この辺(23日)でカレー食べたくなると思います。神保町は、前は行ってたんですけど、最近行ってなくて、そろそろ行きたいなって。

-”この曜日はこれをする!”という、ルーティーンはありますか?

土日はできるだけ出歩かないです。できれば人がいない時間に行動しようって思っています。月〜金の日中の天気が良い時に公園に行くとか、めっちゃ幸せですね。
“公園”っていう予定やばいですよね(笑)。大丈夫かな…、やばいやつって思われないかな(笑)。でも家で制作もしているので、週3で行けたらいいですね、公園に(笑)。

-公園はコニーさんにとって、インスピレーション源でもあると?

そうですね。瞑想をする場になっていますね。そこからインスピレーションが湧くこともあります。第1週は忙しいですね。週3で公園ですね…。

-公園がシフトみたいになっていますね(笑)。制作は1人で行われますか?

そうですね。絶対1人で、集中してやりたいです。
今、制作環境の理想をずっと思い描いてるんです。デスクの目の前に窓があって、そこから公園や森や丘とか緑が見えるのがいいなって。そういう制作環境にするのが夢ですね。

3/27、28 Lollapalooza

Lollapalooza(ロラパルーザ)っていうフェスがあるんです。SXSWでアメリカから帰ってきて、すぐまた行こうとしてるっていう(笑)。実はまだ何が出るのか見てないんですけど、それでも行けるなら行ってみたい。(サイトを開いて)うわ、出演者やばいな、最高。Gunsじゃん!最高…。3 DAYSどれをとっても全部最高ですね。
だいたいこういうフェスに行くと、基本的にすぐ疲れて宿にこもっちゃうんですよ。活動的にはなれないって事がわかってるんで、見たいものを見て、あとは休む。食べることに集中したり…。

-フェスとライブハウス、どちらの空間が好きですか?

絶対屋外の方がいいですね。狭いところが苦手なので。ステージに立ってる時は、自分の事に集中しているからまだ良いんですけど、他のアーティストのライブとかは、できるだけ入り口の近くにいます(笑)。

-ステージで意識している事はありますか?

あんまり考えない事です。TAWINGSでは自分のやる事に集中します。

-メンバーの皆さんと、どの様な流れで制作を進めていかれますか?

最初にデモを持ってきて、最初はデモ通りに一回演奏します。そうすると、バンドで合わせるときにもっとこうした方がいいっていうアイデアが出てきて、そこから細かい展開とかをブラッシュアップしていくっていう流れですね。

-普段MV始め、曲の世界観も皆さんで考えられていると。普段からインスピレーションを高めるために、話はされているのでしょうか?

集まって遊ぶっていうのは、みんな忙しくて1年に1、2回とかですね。でも遊びたい気持ちはあって、この前は、アルバムの制作が終わった時にみんなでディズニーランド行きました。ずっと制作終わったら行こうねって話してて、そのためにずっと頑張りました。後は、プロジェクターで、好きなアーティストのライブ映像を見て盛り上がるっていうのをよくやってましたね。見つけたバンドとかは全部グループLINEで共有しています。LINEはずっと活発に動いてて、日常の掃き溜めというか、感情の墓場になっています(笑)。

-AAAMYYYさんがプレイリスト企画で、TAWINGSの楽曲を入れてくださっていました。(「学生時代にタイムスリップしたら何を聴く?」AAAMYYYが選んだ、いにしえと今を繋げる7曲。より)
TAWINGSのようなバンドが私達の時代にもいたら、もっと他の女の子達も音楽を続けていたかもしれないと。コニーさんが思う、ガールズバンドならではの強みは何でしょうか?

ガールズバンドにしようって思ったきっかけが、単純に男性のバンドを見ているよりも親近感があって、自分もできるのかなって思わせてくれたからなんです。そこがバンドを始める原動力になったので、もともとガールズバンドを見るのはすごく好きで、意識して探していたんです。
自分がガールズバンドにしようって思ったのは、女の子の方がわいわいガヤガヤ楽しく、女子校ノリみたいな感じで出来るのかなと思ったんです。何よりもビジュアルのインパクトが凄いっていうのを分かっていたし、自分の想像の中でこんなバンドあったらいいなっていうのもあって、ガールズバンドにしました。でもやってみると、ガールズバンドならではの難しいことも色々あるなと。

-差し支えなければ、どういうところが難しいですか?

女性なので、みんな月1回落ち込んだり…。(笑) 後は、いわゆる自分たちは女性とかガールズバンドとして見られることにプライドとか偏見はないんですけど、もともとミュージシャンが集まってるというよりかは、友達で集まっているから、それがバンドが発展して行くにつれて難しいところがあったんですよ。あんまり音楽的な用語とかも使わないし、本当に高校の軽音部みたいです。なかなか楽しいですよ。笑

-だからこそ、AAAMYYYさんがおっしゃってたような、みんなの目標になれるっていうのもありますよね。

そうそうそう。だからとっつきやすいし、自分もできるんじゃないかって思わせられる存在は大事なんじゃないかなって。最近はそういう風に自分たちもなれたらいいなって思っていますね。

-今後のTAWINGSの活動や目標。今準備されていることはありますか?

今年1年はライブをしっかりやって、自分たちが1番楽しめるセットを追求していきたいです。その間に制作も進めて、ロンドンとかに行って、録音できたらなって企んでます。
今は色々研究中です。逆に昔のガレージとかパンクの感じとかもライブで出して行きたいですね。

Photographer:Minori Shibata
Interview&Text:Ayaka Yoshimura

【TAWINGS】

Cony Plankton(vo,g)、eliy(ba)、Yurika(dr)。
2016年結成の3人組バンド。ガレージ、ポストパンク、ニューウェーブなど様々な要素を飲み込んだサウンドで、東京を拠点に活動。2017年5月に1stシングル「Listerine/Dad Cry」を7インチでリリース、その後2018年1月に2ndシングル「Invisible/UTM」をカセットでリリース。The Lemon Twigs、Hinds、Japanese Breakfastなど多くの海外アーティストのサポートを務め、2018年のSXSWに出演、初の海外公演を行った。2019年10月15日にLuby Sparksとの共同企画「Dreamtopia」をWWWで開催。2019年12月18日には1stアルバム「TAWINGS」をリリース。

公式サイト:https://spaceshowermusic.com/artist/12675599/