【自宅で何を想う？あの人の愉しみ方 #3】フォトグラファー小見山峻と創る主体的な毎日「生み出す楽しさは消費する楽しさより勝る」

人の過ちや行動に目を向けがちだけれど、まず1番大切なのはあなた。お仕事を頑張る人も、自宅で家族を守る人も、みんなが音楽やアートの場所で交わえるように、それぞれのベストな環境を学び作っていこう。
そんなそれぞれの”ベスト”を、国内外で活躍するクリエイターやアーティストから学んで行く特集企画。第3回目はフォトグラファー小見山峻が登場。
不特定多数のアップロードによって制作される、オンライン上の写真集”home_made_future”を発足した彼が、今レンズ越しで捉えるものは何だろうか。ルールは”お家”のみ、自らの作品を掲示するだけでなく、人々の主体性に任せた彼の思惑とは？

-家でのインプットはどのような所から？

自宅でも可能な作品制作をしつつ、いろんなメディアに目を通したり、ぼーっと過ごしていますね。

-最近読まれた本はありますか？

まだ途中なんですけど、ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』を読んでいます。人間の脳みそがインターネットに接続される、そういったサイバーパンクの元祖みたいな小説ですね。分厚いし専門用語が多くて読みづらいんですけど、この機会に読んでみようかなと。僕自身SFがめちゃくちゃ好きなので、こういう作品が好きなんです。

写真を撮る上で、現実じゃないことを頭の中に用意しておくことも凄く大事だし、そういう意味も含めSFって楽しいですよね。それこそ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も何ヶ月かに1回、シーズン全部観ますね。家にもSF映画のグッズが沢山あります。

-今だからこそ皆さんに観て欲しい映画はありますか？

SF映画もですが、海外の青春モノもすごい好きなので観て欲しいです。ジョージルーカスがスターウォーズ撮る前に撮った「アメリカン・グラフィティ」やちょっとマイナーな「バッド・チューニング」とかもオススメです。後は、「あのころ僕らは」っていうディカプリオが若いときの白黒映画も良いですね。そういう青春っぽい、刹那的な話が好きなんです。今自分と向き合う時間でもあると思うので、そういう青春の葛藤を観て欲しいですね。

-ご自身のお部屋でお気に入りスポットや、欠かせないアイテムはありますか？

家具はビンテージのアメリカの雑貨が多いですね。

これはオークションで見つけたんですけど、アメリカの標識を実弾で撃ち抜いたみたいな(笑)。こういうの見ると買っちゃって。欠かせないかって言われると難しいですけど、気に入ってます。

写真を撮ることで、生み出す楽しさを知って欲しい

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. home_made_future . . There is no such thing. . It’s just that I spend a little bit more time at home than usual. There is no such thing as that. . Such an insistence is getting skinnier and skinnier every day. Same room. Same view. The same environment. How long will it be? Again and again and again and again……… . I sincerely believe in photography as a third eye, which is a different angle from the naked eye. . When you’re looking through the viewfinder, or when you tap or swipe an application to look at the view through the square screen that’s launched. . We try to make something out of a familiar landscape. Is it the point of view, the angle, or the way it is cut? . Anyway, when we try to photograph a familiar landscape, we at least explore it. Then, my mind wobbles with what I’ve discovered, my fingers twitch and I click the shutter. . I can’t quit photography because I want to taste the joy of it. . Count the number of times you’ve looked at your home or your room. Dozens of times, hundreds of times, thousands of times…no, you can’t even count them. Even if I closed my eyelids, I would be able to picture it in my mind enough. It’s ingrained in us as a matter of course. . That’s why, because we spend a huge amount of time in the house right now, we want you to take a moment to use your third eye and look around. . And we want to report back to each other on the treasures we’ve discovered. . I believe that when you find something new out of the ordinary, it’s a creation and it’s the future. Like burying a time capsule, let’s dig through the soil with a shovel, piling up the photos. . I hope to dig it up someday so I can laugh. . . . April 7, 2020 Shun Komiyama

home_made_future(@home_made_future)がシェアした投稿 – 2020年 4月月6日午前11時26分PDT

-オンライン写真集「home_made_future」は、改めて家の魅力を写真を撮ることで感じることができると。始めようと思ったきっかけはありますか？

ミュージシャンの方々がライブ配信をしたり、芸人さんが動画をあげたりしていて、僕ら写真家が出来る事をずっと考えていたんです。写真家の立場から提案できることを考えたときに、写真を撮る行為を通して物の見方は肉眼とレンズでは変わって面白いという体験をしてもらうことだなって。どうしても家の中にいて、SNSやインターネットを見る機会が増えて、嫌な情報もいっぱい入ってくるじゃないですか。多分1年くらいはこの状況が続くかもしれないから、家の中で何かを生み出す行為をみんなでできるようになったら、気持ちの面でも多少の救いになるかなと思って始めました。

-条件が「お家」で、スマホでもカメラでもツールは問わないので、誰でも能動的に参加できていいなと。

こうやって読み物として色んなものを提供する媒体もある一方で、一般層が受動的になる期間になってしまうなと思って。やっぱり生み出す楽しさは消費する楽しさより上だと思っているので、写真撮って「結構面白いじゃん」ってなってもらったり、「この家具の配置よければもっと良くなるのにな、じゃあ模様替えしてみるか」ってなったり。写真を撮る事で、日常のトキメキに繋がっていけたら良いなと思っています。

-実際500名程集まって、どうですか？

窓から日差しが注いでいる写真が多くて、みんな外に出ることに渇望しているのかなと。500人も集まると、色んな心の拠り所のパターンがありますよね。それぞれの拠り所がペットや好きなもの、外の空気なのかなと感じています。

-面白いですよね、コンセントの写真とかもあって。

そうですね。色んな人の写真や家についての考え方が汲み取れて、僕が一番楽しんでいるし、救われている気もしてます。参加してくれて本当にありがたいなと思っていて、何かお返し出来たらなと思っています。

-この企画の今後はどうなっていくのでしょうか？

999枚達するか、終息していつも通りの生活に戻るか、どちらかが訪れたら僕の方で順番通りにレイアウトを組んで、web上で1冊としての形態に完成させようかなと思っています。

-この状況でも写真でクリエイティブすることを楽しむ小見山さんオリジナルのお家でアートや音楽を楽しむ方法はありますか？

まずひとつは写真を撮ること。後は、今の状況に関わらず昔からなんですが……妄想する事ですね。例えば、全人類が空飛べる能力を持ってたらとか、どこでもドアが社会に普及したら世の中はどうなるのかとか(笑)。そういう架空の世界を自分の頭の中で考えるのは楽しいですね。気付いたら一日終わっていることも多々あります。やっぱり人の考える力は無限なので、時間に余裕がある今だからこそくだらないことを全力で考えてみるのも面白いと思います。