緊急事態宣言こそ解除されたが、家での楽しみ方にも工夫が欲しい今日この頃。普段は覗けない気になるあの人の気になる空間から、あなたもお家でも新しいインスピレーションと出会えますように。国内外で活躍するアーティストやクリエイターから”空間”を彩るとっておきのインテリアを紹介していただく特集企画。
第3弾は建築家、内装デザイナーの半田悠人氏が登場。今年のバカンスは他者が来る妄想を膨らませて、とっておきの空間でホームパーティーなんて如何だろうか。空間造りのプロが伝える、愛のあるギミックとは?

-家にいる時間が長い今、インテリアなど家でのこだわりのアイテムやそのエピソードなどを聞いています。思い入れのあるモノ、何かあるでしょうか?

最近新調した絨毯ですね。アメリカに行くことが多いのですが、アメリカのカーペット文化を見て、いつかカーペットを自宅にも置きたいと思っていたんです。フローリングに比べてカーペットや絨毯はあまり選ばれない印象もありますし。

思い切って選んだという、カラフルな絨毯

-お仕事でも内装や空間デザインをされていますが、そこをご自宅に落とし込むことはありますか?

棚の作りや海外の照明などを自分の家で試して、取り入れています。

-工具などのアイテムやインテリアを選ぶポイントは何でしょうか?

ルールが自分の中であるのですが、文房具などの小物は基本黒しか買わないです。全部統一させたいのかな、身の回りのものは基本黒ですね。

-会社のロゴなどを見るとポップな色合いが多いので以外です!

カラフルな色が好きなんですけど、持ち物は黒で統一していますね。会社に関しては、日本のデザイナーさんたちは色使いがあまり得意ではなくて、アースカラーが多いんです。なので、僕たちは基本的にはカラフルに色を使っていこうと。

工具とかはカラフルなものが多いですね。自宅も壁は黄色だし、照明もピンクだし、要所要所でカラフルなものも取り入れていますね。

カラフルな工具達
ワンポイントの差し色も抜かりなく

-家で過ごすことが多いこの時期、インテリアや内装を見直す方も多いかと。私たちでも出来るアイデアはありますか?

普通の賃貸物件だと難しいことも多いのですが、家具を作ってみるのは良いかなと思います。特に本棚とかは、既製品は奥行きがあって手前にスペースが余ってしまうのですが、文庫本や雑誌専用とか、自分で作るからこそ目的に合わせたサイズのものを作るのはオススメですね。

-空間造りで大切なことは何でしょうか?

感覚的な部分なんですけど、ちゃんと”愛しているか”は大切だと思います。求められて作ることも勿論あるのですが、僕が良いなと思えなかったらやらないですね。でも好きになって向き合いたいので、その上でクライアントさん達とも分かち合いたいと思っています。でも一方が良いと思って、どちらかが無理をするのも良くないと思っています。

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-住まいにおいては如何でしょう?例えば、半田さんが初めて一人暮らしなどで部屋を真剣に作った際に意識した事など…。

当時大学の近くに住んでいて、家も広かったので溜まり場だったんですよ。なので、誰かをもてなしたいという思いで部屋を綺麗にしていましたね。バーカウンターとかも作りました(笑)。空間は自分が安らぐためでもありますが、他者が来る可能性を残さないと綺麗に片付いて行かないと思います。

-自分の空間も仕事での空間も、他者との折り合いをつけ、共に空間を作り上げていくと。

そうですね、常にそこは想像を働かせています。うちのバイトで身長が192cmもある子がいて、あいつここぶつかるなって想像して高さも決めたりとかも…。

-日常のインスピレーションはどこから?

主婦のアイデアみたいなものが結構好きで、日常の知恵みたいなものに凄く助けられています。後は言い間違いだったり、ミスみたいなものも好きです。そこから生まれる新しいアイデアが凄く興味深くて。うちの運営している施設でも、お客さんが歩いてはいけない所を歩いてしまって、天井を足で踏み割っちゃったんです。その割れ方が凄く素敵だったのでそこに絵をはめて穴を埋めるとか。そういう瞬間が1番上がりますね。インスピレーションがブワッと出てきます。

言い間違いも凄く好きで、スタッフと話していた時に”柿ピーの花言葉”っていうワードが生まれたんですよ(笑)。それが非常に刺さって、面白いなとか。

-インテリアに関わらず、普段どういうところからインプットをされていますか?

メディアに依存はしていないですね。自分で掘って行くのが凄く好きで、音楽とかはそういう数珠つなぎで聴いてきました。映画は、アカデミー賞を取ったものは見たいと思っています。

-因みに、好きな映画は何でしょうか?

いつも上げるのは、「耳をすませば」ですね。なんだかんだ最強の作品だなと。アニメへの想いが表現されていて、凄く好きです。多分1番見た映画です。日本で初めてDolby Surroundが搭載されたのも「耳をすませば」ですし、映像の歴史においても革新的な作品ですよね。

-大学時代にはバンドもされていたと、普段音楽は何を聞かれますか?

音楽が好きなので悩みますが…。眉村ちあきさんはめっちゃ好きで聴いています。今度うちでもライブしてくれるので、そこも相まってめちゃくちゃ聴いていますね。海外だとTom Mischとかも聴きます。
作業中は日本語の歌が聴けなくて、クラシックが多いですね。1番オススメは「タイスの瞑想曲」。元気が出るというか、午前中に聴きたい、やる気になる音楽なんです。僕がいつか映画を撮るとしたら、この曲で始めたいです。

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-半田さんならではの、リフレッシュ方法はありますか?

買い物をする事と手作業で何かを作る事です。僕の仕事自体が趣味の延長上にあるので、仕事もリフレッシュの一環になることもあります。運営しているシェアハウスを一棟丸ごと作り込んでいるのですが、僕がプロデュースする部屋を作りに行ったり、家でタイル貼ったりするのがリフレッシュになりますね。

-今ハマっているものや注目しているものはありますか?

いろんなことに興味があるので、何でも知りたいと思っているのですが、今はソーラーパネルに興味があります。テスラというメーカーが開発した蓄電池があまりにもスタイリッシュで衝撃を受けました。これ一台あれば電力会社と契約する必要がなくなっちゃって、革命が起きちゃうので、経済産業省がストップかけているという代物です。

あとは園芸にハマっています。庭にお花を植えていますね。春だし今年は色々植えようかなって、始めました。

-最後に、今後の展望や目標を教えてください!

幼少期からずっと美術や芸術に興味を持っているので、その延長線上にあるもののデザインもしていたいのですが、最近エンターテインメントの強さを身に染みて感じているんです。
そこの重要性も同時に考えるようになったので、何らかの形でエンタメ業界にも進出したいなと思っています。あくまで僕は空間を作っているので、ドラマのセットを作るとか、エンタメにおいての空間に関わって行きたいです。僕自身ももっと表に出た方が良いのかなとも考えていますね。

【半田悠人】

建築家、内装デザイナー。株式会社デリシャスカンパニーを立ち上げ、ZERO GYMの設計や自主運営施設元映画館などを手がける。

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