【アジアのDOPEを探る #1 】 CROOZ(クルーズ)設立者MAXに聞く “インドネシアのストリートとスケーターカルチャーの発展”

アジア各国のファッションデザイナーに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を探る新企画。感度の高いデザイナー達が集うローカルのカルチャーシーンから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。
記念すべき第1回目のゲストは、インドネシア・ジャカルタ発ストリートブランド “CROOZ(クルーズ)”ファウンダーのMAX(Muhammad Pradhitya)氏が登場。先日、ブランド独自のスケートパークを設立したMAXに聞く、インドネシアのスケーターカルチャーの発展と若者の溜まり場の変化。私たちの固定概念を覆すインドネシアのストリートシーンとは?

-こんにちは!お久しぶりです、4ヶ月ぶりのトークですね。そして、待ちに待ったスケートパークの完成おめでとうございます!

ありがとうございます!かなり時間がかかりましたが…。今後が楽しみです!

-スケートパークについて、後ほど詳しくお伺いしますね。最近のインドネシアの調子はどうですか?

最近やっとロックダウンが終わり、ストアを再OPENしました。耳にしたんですけど日本はコロナの感染者数をうまく押さえ込んでるようですね!インドネシアは土地が非常に広いこともあって、ジャカルタは感染者を抑えているのですが、他の都市の感染者が拡大しています。今のインドネシアはこんな感じですね。

-早く落ち着くことを願いましょう…。それでは、今回の企画について軽く説明します。ちなみにMAXさんは第1回目のゲストなんです!

1回目に選んで貰えて、とても光栄です!

-本企画「アジアのDOPEを探る」は、アジアの有名デザイナーに、その人からみたローカルな人気スポットやその国のストリートウェアマーケット、HIP HOPの実情を探る新企画になっています。それではまず、MAXさんがファウンダーを務めるジャカルタ発ストリートブランド”CROOZ”の説明をお願いします。

CROOZは2003年に設立されました。もう17年も経ちます。CROOZの意味はクルージングの単語を文字って作られています。トレンドや時代の流れにしっかり乗ってクルーズできるように、という意味が込められています。

ファッションの原点はパンクロック

-CROOZのファウンダーであるMAXさんの、ファッションキャリアを教えてください!

私のファッションの原点はパンクロックの影響が強いですね。パンクロックのファッション自体がとても好きで、1990年代は私自身もパンクロックシーンで活動していました。その中で周りの人が音楽に夢中になっている時、自分はパンクロックファッションに夢中になってたんです。”あのバンドがあのブランドの服を着ているから、私も買わなくちゃ!”というような感じの毎日でした。

-そこからどの様にファッション業界に進まれたのでしょう?

そんな毎日を送っていたら知人が「Maxはファッション業界に行った方が良いよ」と言ってくれたんです。でも、その時はかっこいいパンクロッカーになりたかったので迷いましたね…。
その頃からアメリカのアイテムを輸入したりしていたんですけど、世界的な経済不況によって輸入アイテムが3-4倍の価格になってしまったんです。輸入を続けることが厳しくなった結果、自分でデザインをしてブランドを立ち上げる形になりました。

-パンクロックからストリートウェアデザインまで多才ですね!

ありがとうございます。デザインに関しての知識が全く無かったので、Photoshopなどは友達の家に2日寝泊りして、徹底的に学びましたね。2003年頃は自分で全てデザインをして、今はデザイナーを採用しています。

実はRich BrianはCROOZの服を着ていたんですよ…

-2003年頃は今に比べると、世界的にストリートシーンは流行ってはいなかったですよね?

そうですね。インドネシアは2003年頃からスケーターの集団が生成され初めていたんですけど、同時にサーフシーンが非常に大きくなっていました。2003年にCROOZを始めた時は「ストリートウェア」という概念は無かったし、サーフィングの方がトレンドだったのでサーフィング市場から仕掛けました。その時からスケーターは、Quiksilverなど有名なアメリカやオーストラリアのブランドが専属契約をしてしまっていたので、そこから入り込むのは難しかったですね。

-その頃からスポンサリング契約が結ばれていたんですね。

スケーターはほぼ全員そうでしたね。なので、音楽シーンなどと絡みながらCROOZを仕掛けていきました。

-なるほど。そこで音楽シーンでの経験が生かされたと。因みに、インドネシアの人々が今聴いている音楽は何でしょう?Rich Brianなどが有名なのかなと思っていたのですが…。

実はRich BrianはCROOZの服を着ていたんですよ(笑)。 当時10才くらいで、凄く可愛かったです(笑)。
インドネシアでは、今でもHIP HOPがメインストリームですね。でもメタルを聴く人も結構多いです。BABY METALはじめ、日本のメタルバンドは本当に有名ですし。日本のミュージックレーベルに知人が多いのですが、インドネシアのメタルミュージックについての連絡が良く来ますね(笑)。

バリはスケーターにとって楽園的存在

-MAXさんイチオシのインドネシアのドープスポットをお伺いしたいです。ローカルのみぞ知るスポットはありますか?

休日にchillしたい時は、インドネシアのローカルはジョグジャカルタやバリに行きますね。特にバリは、どんなタイプの休日でも楽しめるという感じ。サーフィンからスケート、クラブなど楽しみ方は様々です。最近はホテルの中にスケートパークやボードを設置するところが多くて、バリはスケーターにとって楽園的存在になっています。

-多様なカルチャーが集まるバリで、今特に注目されているものは何でしょうか?

BMXやスケートは特に注目されています。‎Red Bullが出した動画に「Hidden Bali Ball」というのがあるんですが、これは招待者じゃないと入れない特殊なBall(試合)になっています。そのBallのオーナーと知り合いじゃないと入れないホットなBallがバリにはいくつかありますね。これはバリの人しか知らない情報です。

-日本もそうですが、アメリカやヨーロッパなどが抱くバリの印象って「クラブ」「ドリンク」みたいなものが多いと思います。そんなドープなシーンがあるとは思っていなかったです!

本当にそうですよね!このシーンはここ5年で盛り上がりを見せていると思います。バリはストリートの有名人が集まる場所でもあって、例えばStüssyが何かをする時は、みんなPotato Head(ビーチクラブ)に行きますね(笑)。

-Potato Headがやはり一番有名なクラブなんですか?

違いますね。バリには多くのクラブがありますが、Potato Headはオーナーがファッションやミュージックシーンに近くて、カルチャーシーンが集まるクラブという印象です。パーティの後はいつもビジネスの話になるので、Potato Head内でビジネスサークルも出来つつあります。

ジャカルタにもDOPEなスケートパークがあることを伝えたい

-バリにも多くのパークが出来ているとの事でしたが、CROOZがスケートパークを作った理由を教えてください!

スケーターがスケートパークを目指してバリに移住するケースが非常に増えていて、今バリにいるスケーターのほとんどがジャカルタ出身者なんです。ジャカルタはビジネスの町になってしまって、家賃も高く、ずっとスケートパークが出来ていなかったんです。政府もスケートパークを作る努力をしていますが、なかなかパークのレベルが低くて…。
なので、ジャカルタにもドープなスケートパークがあることを伝えたくて制作しました。Nike SBもインドネシアには無いですし、CROOZもNIKE SBのようになりたいですね。

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-今後、インドネシアのストリートウェア市場はどう成長すると思いますか?

“確実に成長するマーケット”という印象です。2003年にブランドを立ち上げた時は「DOVER STREET MARKET」なども無かったので、ここ5年のストリート市場の成長は本当に著しいと思います。ただインドネシアは土地が広すぎて、お互いのブランドは知ってるのに、直接会ったことが無いことが多いんですよね。お互いに会える環境があれば、もっと市場が成長するだろうなと思っています。

-最後の質問になります。MAXさんが考えるインドネシアの”BEST”はなんですか?

“ジャカルタ”という街ですね。他の都市に住もうと思っても、なんだかジャカルタのラッシュアワーを好んでしまいます。ジャカルタは渋滞率が世界でNo.1で、多分どの国の人々もジャカルタを表す言葉として「渋滞」をイメージすると思います(笑)。住みにくいイメージもあるのかな…。でもローカルで生活していた私としては、ジャカルタが1番好きな場所です。

Interview:Nanae Matsuoka
Edit:Ayaka Yoshimura

【Crooz(クルーズ)】

2003年設立されたインドネシア発のストリートファッションブランド。今やインドネシアだけでなく、マレーシアやフィリピンの若者をも虜にしている。「音楽とともに」がコンセプトである。現在ジャカルタのスケーターのみならず多くのアジアのスケータークルーが集まる人気スポットとしてCROOZの名が挙げられている。

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