【21Questions】TAEYO(タイヨウ)に聞いた21の質問「インディーズでやるべきことはやった」

TaeyoungBoy(テヤンボーイ)の名を一新したTAEYO(タイヨウ)。これまで絶大な支持を誇ったシーンから逸脱し、メジャーへの挑戦状となる1stEP『ORANGE』を7/15にリリースする。無数のアーティストが出現し、繁栄とカオス化しつつあるHIPHOPシーンにおいて、彼が今見据える本質についてお伺いした。日本でもHIPHOPアーティストがチャートを圧巻する未来はそう遠く無いだろう。今後のTAEYOとHIPHOPシーンに強い光を照らす21問。今見るか否か、あなたのシーンを見つめる目も試されるはず。

Q1:音楽に興味を持たれたきっかけは?

もともと小さい頃からピアノをやっていたんです。家でも、朝から晩までご飯の時とかはテレビじゃなくてずっとラジオが流れてましたね。ピアノとギター、CDも沢山家にあったんで、俺もCDとか集めていました。音楽に関しては、親の影響が強いと思いますね。

Q2:愚問かもしれませんが、リリック・フロウ・メロディ・韻において、TAEYOさんの強みや最も重きを置いているポイントはどこでしょうか?

今まではフロウだったんですけど、今は全部です。全部得意です。ラップするのも、良いリリック書くのも、良いメロディ作るのも最強だと思います。

Q3:7/15にメジャー1st EP「ORANGE」がリリースとなりますが、コンセプトや構想はずっと練られてたのでしょうか?

制作し始めてから考えました。夏にリリースするし、テーマは”夏”にしようって。1つの切り口として”夏”を選びました。

Q4:TAEYOさんから見た、EP「ORANGE」のポイントは?

EPのポイント…、デコボコですかね。本当色んな楽曲が入ってて、それぞれ色が全然違うんですよね。どれを取っても聴きごたえがあると思います。「ASHURA」はTaeyoung Boyの時に作ったのでTaeyoung Boyのマインドに近いですし、Taeyoung BoyからTAEYOへの移り変わりも楽しんでほしいですね。

-Taeyoung BoyとTAEYOのマインドやバイブスにも変化があると。

そうすね。TAEYOとしてリリースする今作から、明らかにリスナーを意識しました。それは全然ダサい意味じゃなく、だってそういう世界で稼いでやってくんだから、そりゃ意識するでしょうって。

Q5:リスナーを意識するとのことで、SNSやYouTubeで皆さんの反応は見ますか?

そこに影響受ける事は無いですけど、見ますね。YouTubeのMVのコメント欄とか、たまにいいねしてます(笑)。”こいつ分かってんなー”みたいな、たまにそういう人がいると、ちょっと感動しちゃうんです。

そういう意見の対話はしたいですよね。YouTubeのコメント返したり、Twitterでもリプしたり…、そういのは全然やって行きたいですね。

Q6:メジャーデビューをきっかけに、意識や心境において変化した点はありましたか?

リリックの意味と聞き取りやすさはかなり重視するようになりました。”何言ってるか分からないけど格好いい”は、もういいのかなと思います。フロウやメロディーの良さはそのまま残しつつ、より多くの人がリリックを聞き取れる事を当たり前にしていきたいですね。

Q7:今は個人でコンテンツを持てる時代でもあり、メジャーとインディーズの境が曖昧になりつつあるじゃないですか。TAEYOさんは、メジャーの可能性をどのように捕らえられていらっしゃるのでしょうか?

それこそ、そういう境目はなくなってきていますよね。ただ、日本ではまだそこまで個人でメジャーの大きいフィールドまで行けるかっていったら、多分結構難しいと思うんです。
日本にはHIPHOPのラッパーがめちゃくちゃいるし、似たような奴沢山いるなって俺ですら思うんで、そこから飛び抜ける事が必要だと思っています。そういうHIPHOP畑からアリーナや武道館クラスに行ける人って結構稀だと思うので。

Q8:メジャーに対しての葛藤は無かったと?

そうですね。インディーズでやるべきことはやったと思います。このままインディーズでTaeyoung Boyとして曲を作り続けたら気持ちいいとこにはいれるから、メジャーはチャレンジでもあるんすけど自信はあります。Taeyoung Boyってやつがメジャー行くべきだし、他の誰でもなく俺かなって。

-確かに、HIPHOPと言うフィールドは広がりつつありますが、感度の高い人達が楽しむ音楽にもなりつつあると言うか。

そうなんです。まだまだ日本は特に少ないですよ。音楽が好きな人が聴いてくださるイメージが強いですね。でも、これからちょっとずつ表面に出てくると思います。それこそkZmのアルバムが日本のチャート1位を取っていましたし、一握りかもしれないけどちょっとずつ動いている感覚はありますね。

Q9:それこそ、レコード大賞や紅白といったお茶の間のメインシーンにもHIPHOPが出て行く必要があると。TAEYOさんが活動するシーンは、そこに向けて広がっているんですよね。

そうですね。海外との認知度の差はそこが1番大きいかもしれないです。アーティストみんながコアに届けたいと思ってるか分からないですが、俺が目指すのはコアでもあるので。HIPHOPをただやりたいだけじゃ無くて、より多くの人にどう自分の曲を届けるかをしっかり考えていきたいですね。

Q10:TAEYOさんはじめ、HIPHOPがチャートを圧巻するシーンをリアルタイムで見れることにワクワクします。今後の理想像や目標とする光景はありますか?

野外系のフェスで人をぱんぱんに埋めて合唱したいですね。具体的には…、具体的に掲げるのがあまり好きじゃないんですよね。活動しながら理想像を作り上げて行きたいです。新しいやり方やシーンを築く為にメジャーを選んだので、頑張ります。

Q11:今後、環境や聴いてくださる方ももちろん変化して行くと思うのですが、その中でご自身の変えたくない部分はありますか?

何しても、何を変えてもいいけど、ダサい事はしたくないですね。俺を知らない奴にダサいって言われるのは良いけど、仲間や俺の周りにいる人達に”ダサい”って思われる様な事はしたくないです。イケてるかダサいかの境界線は絶対あるので、そこを見極めて柔軟に進んで行きたいですね。

Q12:普段のインプットはどこから?

自分の記憶や蓄積ですかね。友達と遊ぶ時や日常生活がそのまま曲になるとかは無くて、日常的に曲は書かないです。制作始まってスタジオ入る時に集中して作ります。

-スイッチを切り替えるみたいな?

そうですね。制作時に思い出して、アウトプットする感じですね。普段から曲を書いてるって言うのが、個人的にかっこつけたアーティスト風で気持ち悪く感じちゃうんです(笑)。

Q13:それでは、制作中では無い普段は何をされてますか?

筋トレとかトレーニングしてます。あと、お笑い見てますね。お笑いめっちゃ好きで、お笑いが1番大事ってくらいお笑い好きなんですよ。日々勉強させて貰っています。

Q14:因みに、好きなお笑い芸人さんは?

ニューヨークさんめっちゃ好きです。俺は好きな人や憧れの人と仲良くなりたいってあまり思わないんですけど、芸人さんはめっちゃ仲良くなりたいと最近思っています。

ラジオだったら、アルコ&ピースの平子さんが好きです。三四郎さんのオールナイトニッポンもずっと好きでよく聴いてました。やっぱ、ラジオは面白いです。

Q15:例えばフィーチャリングやコラボされる方は、どういう経緯でご一緒に?音楽の場合、好きな人と仲良くなりたいなどの思いはあるのでしょうか?

今までコラボをした方は全員仲良くなってから作ってて、全く知らない状態からオファーをした事が無いんです。これから、もしかしたらあるかもしれないすね。

Q16:一緒に楽曲制作をしてみたい方はいらっしゃいますか?

Def TechのMicroくん。1回ご飯行って、連絡もたまに取ってます。一緒に作ろうってずっと言ってるので早く作りたいです。Microくんから影響を受けている部分も多くて、もともと大好きなんです。いろんなきっかけが重なって仲良くなりましたね。

Q17:どんな事でも大丈夫です。”こだわり”はありますか?

うーん、こだわり…。身体に悪そうな事はあまりしない。でもガチガチにやってる訳じゃなくて、自分の体と相談しながらフィーリングで気をつけています。でも基本的に小麦粉とかは食べないですね。前はめっちゃ好きだったんですけど…。

Q18:幼少期はどのような子供でしたか?

幼少期もこだわりが強いガキでした。学芸会のみんなお揃いの衣装を絶対着ないみたいな..。ダサいから絶対着たくないみたいな感じで、親も大変だったと思います(笑)。あとは、めちゃくちゃ正義感が強かったらしいです。虐められてた子の親から家に、”TAEYO君が守ってくれた”みたいな電話が来ていました。
今はちょっと落ち着いたんすけど、超格好つけだったんですよ(笑)。周りの目とか気にして、格好つけたことやってたんだと思います(笑)。

Q19:めちゃくちゃ良い格好つけ方ですよね(笑)。ファッションも音楽と同じぐらい好きというのを拝見しましたが、如何でしょう?

実は、オシャレだって思われるの嫌なんです(笑)。気負っちゃうというか。そう、だからファッションとかも結構、超適当ですよ(笑)。でも服はステージとのオンオフを切り替えています。普段はジャージとか楽な服装で、ステージではキメます。

Q20:普段何をしてる時が幸せですか?

お笑い見てる時、トレーニングしてプロテイン飲んでる時ですかね。友達と遊ぶときとかって、その時に幸せを噛み締めるより、楽しかった事が後からフラッシュバックするじゃないですか。そう言う意味で幸せを噛み締められるのは、お笑い見て爆笑した瞬間とか、トレーニング終わりにプロテイン飲んで「もうマジで染み渡る」みたいな時ですかね。

-“お笑い”と”プロテイン”って、なかやまきんに君みたいな…(笑)。

本当になかやまきんに君、尊敬しています(笑)。めちゃくちゃ頭良くて喋り上手くて、YouTubeのきんに君のチャンネルのコメント欄にはアンチが一切いない。完璧なんですよ。

Q21:最後に、ファンの皆さん、これからTAEYOさんの曲も聴いていくであろう人々にメッセージをお願いします!

ちゃんとメジャーでも売れるというのは自分でも分かるので、だから今のうちに聴いて、将来古参ぶって欲しいですね。皆さんがそうやってみんなに自慢出来るよう、頑張ります。

Photographer:Kotetsu Nakazato
Interview&Text:Ayaka Yoshimura

【リリース情報】

TAEYO 『ORANGE』 2020.07.15 Release

Tracklist

1. Intro (Prod. BACHLOGIC)
2. Let me down (Prod. Chaki Zulu)
3. All I have (Prod. CELSIOR COUPE)
4. Calm (Prod. CELSIOR COUPE)
5. ORANGE (Prod. CELSIOR COUPE)
6. Alright (Prod. BACHLOGIC)

【TAEYO (タイヨウ) プロフィール】

TaeyoungBoy(テヤンボーイ)から改名。 2015年、遊びで制作したラップの音源をSoundClooudにアップしたところ、予想以上の反響を受けたことから活動をスタート。 hiphopの枠を超えたリリックとラッパーならぬメロディーセンスでネット上でファンを一気に獲得する。 また音楽だけに留まらず、ファッション+カルチャー面で大きな指示を得ており、モデルやレセプションでの稼働や ファッションブランドのとのコラボなど、ファッション業界からの期待値がとても高い。
2018年「Fault」はSpotifyのバイラルチャートで1位を獲得する。
2019年にリリースしたフルアルバム「HOWL OF YOUNGTIMZ」にはTohji、Pablo Blasta、ACE COOL、WILYWNKA、 Shurken Papら新世代ラッパーと、新鋭シンガーFriday Night Plansらが客演参加。 プロデュースには盟友Droitteやhaquに加え、東京の最重要プロデューサーであるChaki Zulu、グラミーノミネーターのstarRo、 宇多田ヒカルのRemixにも携わったTepppeiが参加。メロウな楽曲からクラブ・チューンまで網羅した彼の世界観を披露した。

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