【21Questions】YUKARIに聞いた21の質問「映像は0から作っていけるのが楽しい」

東京のファッションシーンにエッジを加える フィルムディレクター・CGデザイナーのYUKARI。その天性的センスとこだわりのギミックが効いた作品達は、ストリートからハイファッションまで感度の高い若者達から熱烈な視線を浴びている。
今回は、彼女が東京で見据える”クリエイティブ”から私生活までざっくばらんな21問にお答え頂いた。アジアを代表するクリエイターが昇華する、ストリートとは?

Q1:YUKARIさんは2014年から日本に留学のために来られたと。その後映像にのめり込んだきっかけは何だったのでしょうか?

ずっと他の人が撮影した素材を編集してたんですけど、自分でも撮影するようになってから更に映像にのめり込みました。撮影も自分でやるとイメージに近いものを撮れるし、完成した時の達成感も味わえます。映像は0から作っていけるのが楽しいです。

Q2:ファッションやストリートシーンを中心に活動されていますが、その理由は?

そもそも日本に来た理由が、ファッションが好きだからだったんです。それに私は、広告としてストーリー性のある映像があまり好きじゃなくて、それに比べてストリートはエフェクトのインパクトがあったり、細かいカット割りも作ることができるので、ストリートの映像が好きです。ストリートは私の表現に1番近いと思います。

Q3:YUKARIさんからみたアジアのストリートの印象は?

映像の視点から見ると、私は韓国と中国の映像がイケてると思っています。インプットする時も、韓国と中国のクリエイターが作った映像をよく見ています。特に中国はSNSでの広告が日本に比べてまだ成長過程で、ブランドや媒体の人も正解を模索していると思われることから、クリエイターと一緒に制作をしていて、クリエイターの自由度が高い印象があります。みんなぶっ飛んでる映像を作ってるので見てても楽しいです。

Q4:東京のストリートは如何でしょう?

東京のストリートも凄く好きです。好きだから日本に来ました。みんなこだわりが強く、好きな服を着ているイメージ。本当にファッションが好きなんだなと感じますね。上海もお洒落なんですけど、周りに気を使っている気がします。自分のセンスの高さとか、お金があることをみんなに知ってもらうツールでもあるのかな。

Q5:上海にいた頃から日本のファッションに興味を持たれていたのでしょうか?

そうです。日本の雑誌を見て興味を持っていました。ViViとかminaとか、よく読んでましたね。

Q6:幼少期はどのような子供でしたか?

友達がいなくて、ずっと一人遊びをしていました。家でおままごとしたり、外では上海にカツラみたいな植物があって、持って帰りたくてそれをずっと抜いてました。凄く丈夫な木だから、結局抜けなかったです(笑)。

Q7:今興味があるものは?

最近はCGに興味があります。これからCGも実写の映像に入れたいと思っています。今年から勉強して今頑張ってるんですけど、すごく難しいですね。

Q8:先程、中国と韓国の映像を見られると仰っていましたが、動画へのインスピレーション源はどこから来ているのでしょうか?

動画の他にはインスタと中国のwebサイトを見ています。映像や編集技法は、イケてるクリエイターの作品から吸収しています。映画やドラマを見るときは、ストーリーじゃなくて画角や撮影技法を見て学んでいます。

Q9:音に合わせて映像を繰り広げることがYUKARIさんの特徴でもあると。ご自身のスタイルを確立されたのはいつ頃から?

映像を教えてくれた人が、音楽に合わせた編集の重要性を教えてくれたんです。そこから潜在的に音にこだわるようになったんだと思います。今はエフェクトも覚えて、細かい音割の中にインパクトのあるエフェクトをはめたりしています。

Q10:学ぶ中で音楽の重要性が身についていったのですね。ちなみに普段はどのような音楽を聴かれますか?

普段から本当に音楽を聴かないんです。唯一聴くのはジャスティンビーバーとか(笑)。映像と音楽をセットで考えているので、日常で自分のために音楽を聴くことが無いですね。映像のために聴くというか…。映像の面ではHIPHOPが好きです。四つ打ちのビートとか複雑な低めの音が好きですね。

Q11:今まで制作された中で、1番印象に残っている作品は何でしょうか?

New Balanceのキャンペーンムービーです。出演してくれた人達が今までで1番多いこと、全部自分でディレクションしたこと、自分が作りたいインタビュームービーでもあることから凄くお気に入りですね。登場する人も色んな分野の有名な方々で、完成度も凄く高かったので大満足です。

https://www.instagram.com/p/B8UC0Jbh1X-/

Q12:ONE’S EYESはインタビュームービーにも興味のある、YUKARIさんのやりたいことが詰まっているんですね!

そうです!最初は声が入っていないものを作っていたのですが、編集するうちに物足りなさを感じて声を入れるようにしました。BGMの一部として、出演者のことが伝わるように声も入れています。仕事でもそういうインタビュームービーをやっていきたいです。

https://www.instagram.com/p/CA2QjiIn-_s/

Q13:動画編集はかなりヘビーな印象なのですが…、編集していて1番楽しいことは何ですか?

私は趣味が映像になってて、逆にそれ以外の趣味がないんです。編集の息抜きが編集です(笑)。楽しい瞬間は、作りたいものが作れた時ですね。後は作品に対して反響が大きかった時!

Q14:YUKARIさんを一言で表すと何でしょう?

“感覚人間”です。普段はあまり左脳を使ってないです(笑)。私は思ったことをすぐ言っちゃったり、やりたいことに突き進んじゃったり、あまりこれからのことを考えていない人です。なのでよく小さなミスをします(笑)。

Q15:どんなことでも大丈夫です。”こだわり”はありますか?

いろんなものを擬人化する事ですね。身の回りのお気に入りには名前をつけています!家にあるサボテンは”毛てんくん”、豚の貯金箱は”サングラスブタ”。良いことがあったら、みんなに話しかけています。たまに「どこで知り合ったの?」って聞かれるのですが、「Facebookで知り合った」って言ってます。

-いつも一緒なのですか?

そうです。でも、たまに忘れちゃいます(笑)。

Q16:東京で好きな場所は?

渋谷です。初めて渋谷に行った時の光景を今でも鮮明に覚えています。凄くキラキラしてカッコ良かった…。その日から渋谷がすごく好きですね。
あと、渋谷にいる人たちも凄く好きです。女の子も可愛くお洒落してて、ナンパとかもあって、有名になりたい人たちもいて、町全体に人の欲望が溢れていて凄く活力をもらえます。私も頑張ろうって思いますね。忙しさが上海に似ていて、凄く落ち着くんです。

Q17:YUKARIさんの勝負飯はありますか?

コーヒーが凄く好きです。作業には欠かせないです。最近ファミマにビックサイズができたから、凄く嬉しいです(笑)。

-上海の料理が恋しくなる事も?

マーラー担は1週間に1回は食べてると思います。辛いものは凄く食べたくなりますね。

Q18:YUKARIさんオススメの中華料理屋を教えてください!

渋谷にある小肥羊、美味しいです!ラム肉が大丈夫な人は、是非行ってみてほしいです。でも、ラム肉をいっぱい食べると鼻血が出るから気をつけてください。中国では夏にラム肉を食べて、冬に備えるんです。なので沢山ラム肉を食べると、パワーが漲って鼻血が出るって言われてるんです…。

Q19:CGデザインやエフェクト、表現の幅をどんどん広げられているYUKARIさんですが、映像で与えられるインパクトはどう捉えていらっしゃいますか?

映像を見ている30秒〜1分間、非現実的な世界を体験できると思います。私は普段からそういう世界観も意識して動画を作っています。私はドラマの様なストーリーが好きじゃないから、CGやエフェクトをつけて、これからもオリジナルな世界観をとことん作り上げていきたいです。

Q20:撮影時に編集や完成のイメージは持たれているのでしょうか?

具体的なものはないですね。私はカットやシーンを多く使いたいので、そこを意識して撮るようにしています。他のカメラマンよりカメラを回すのが長いのも、モデルさんの意外な一面を引き出したいからなんです。撮りながら”この角度が良い!”とか見つけて行きます。

Q21:最後に、今後の展望や挑戦したい事をお願いします!

あまり将来のことを考えてなくて。でもずっと思ってることは、CGを実写の中に入れること。なのでCGの勉強を頑張ります。
後は、NOWNESSっていう私が好きなメディアがあるのですが、かなりぶっ飛んでるクリエイターが載っているので、早く私も呼ばれたいです。自分でもまだまだ尖ってないって感じるので、そこを目指して頑張ります。

【YUKARI プロフィール】

中国・上海出身のフィルムディレクター、CGデザイナー、エディター。
5年前に留学のため来日し、学業の傍らビデオグラファーとしての活動を開始。音に合わせて繰り広げられる「映像のハードMIX」とも言える彼女の映像は、デジタル上で表現がメインになってきた現代の若者からの人気が非常に高い。
そのエッジィな独自の映像スタイルが評価を得て、New Balance・NIKE・M.A.C・MCMといった、国内外のファッションメディア・ブランドの映像監督を担っている。
また、技術力/表現力が評価され、Adobe Japanが主催・スポンサードするワークショップやセミナーの公認講師も担当。