POSTED ON 2020年7月8日 1 MINUTE READ BY Ayaka Yoshimura
日本を拠点に、アジアのファッションシーンを盛り上げるべく立ち上がったアパレルブランド「NOT MADE IN PARIS」(略 NMIP)。NMIPが世界的に活躍を遂げるU30のアーティスト達にフォーカスし、彼らの活動やカルチャーシーンを伺う連載企画。
連載第3回目は、the peggiesから北澤ゆうほが登場。彼女独自の雰囲気から垣間見える楽曲に対するクレバーさに、今後も目が離せない。リアルなストリートや社会をキャッチする、北澤ゆうほから見た”今”。
-今回アジアのファッションを再定義するストリートブランド「NOT MADE IN PARIS(NMIP)」の、Tシャツを着用して頂いてますが、アジアの音楽シーンについてどの様な印象を持たれていますか?
アジアは、リスナーのことを考えて音楽を作るミュージシャンが多い印象ですね。アメリカやイギリスだと、自分のやりたいことをやってリスナー達が盛り上がっている印象です。アジアのミュージシャンは、求められている事や必要とされている事を考えて作っている人が多いと思います。それが良いのか悪いのかは、捉える人次第だと思いますが…。
私も作り手としてリスナーが何を求めているかは常に考えています。
-the peggiesには第3者の目があるイメージです。同世代から高い共感を得ているのも、自分たちの世界で完結しない所なのかなと。
そうですね、私も自分の伝えたいことをエッセンスとして入れますけど、そこを全てとして作っているわけでは無いですね。常に物事を俯瞰して見るようにしていると思います。
-現代の若者に共感を得るという面では、どのような意識をされているのでしょうか?
the peggiesを聴く人たちは、今どういう音楽を求めているのかとか、前回こういう曲を出したから次はこういうのが良いかなとかを意識しています。メロディーに関しても自分が歌って気持ち良いものより、聴いてて気持ちが良いものにポイントを置いていますね。
-個人的に前作の『weekend』はメロディーにどこか懐かしさを感じて、北澤さんが聴かれていた音楽の要素も取り入れられているのかなと感じていたんです。
そうですね、私の好きなものや背景を取り入れることもあるのですが、the peggiesを完全に自分が聴いていた音楽の方向性へと舵を取ることは無いですね。the peggiesにおいて私が大切にしているのは、”なんでもやってみる”なので自分に捉われないのは大切だと思っています。
-一種の実験的要素として、ご自身の好きなものを取り入れるんですね。
そうです。the peggiesには縛りが無いから、毎回いろんな楽曲に挑戦できるんだと思います。そういう制作スタイルが私にも合っていて、楽しいです。
-因みに”ファンの皆さんが求めるもの”は、どのようにキャッチされているのでしょうか?
皆さんからの反応を見ることが多いです。ファンの方々が普段何を考えているか、今はSNSで分かる時代でもあるじゃないですか。ファンの方の悩み相談とかもよくメッセージが来るので、そういう生活の温度感を日頃から見ているんだと思います。でも、まだthe peggiesを知らない人達にも聴いて貰いたいので、あまり身内に寄りすぎず、知らない人が聴いても共感できるメッセージを取り入れるようにしています。
-普段のインプットはどこから?
音楽を聴いて、こういうテンションやテイストの曲を作りたいなって、影響を受ける事が多いですね。私は映画もアニメも観ないし、漫画も読まないし、ゲームもしない…、みたいな感じで(笑)。なので、音楽に対してのインプットは音楽だけかもしれないです。
あとは、私は結構、懐疑的思考の持ち主で、基本的に何があっても”本当にそうなのかな?”って思っちゃう癖があるんです。常にそうやって考えたことをメモしていますね。
-歌詞を見ても詩的な要素もあり、北澤さんの実家が古本屋という事もあって、本からの影響もあるのかな…なんて思っていたんです。
本も読みますけど、人並みです(笑)。親がすごく読むので、それでよく本のあらすじや考察を話してくれたから、読まなくても吸収できてました(笑)。
-ご自身とthe peggiesの住み分けをされているとのことですが、私はずっと北澤さんの少し懐古的なサブカル要素と、楽曲の都会的な要素がどのように混じり合ってるんだろうと不思議に思っていました。
私がずっと意識しているのは、”自分のやりたいこと・出来ること・望まれてること”この3つの円が重なっていることをやることなんです。そのバランスみたいなものを普段から考えて、意識していますね。そうやって円の重なりを見つけるのが、すごく楽しくて好きなんです。
-日常でそういう面はありますか?
日常は割と勢いで生きているから、そんなに戦略的じゃ無いですね(笑)。後から答え合わせをするタイプなので、最初はとりあえずやってみる、そこから正解にしていくことの方が多いです。
-どんなことでも大丈夫です!こだわりはありますか?
ファッションやメイクだったら、男性の理想の女性にはならないようにしています。結果、自分の好きなことが、男性の理想像になることは良いと思うんですけど、自分から評価を得ようとそっちに寄るのは良くないなって思います。素直に自分が着たいものや、その日の気分でお洒落を楽しめたら良いですよね。
あと、自分の身の回りが整頓されてないと嫌なので、自分の部屋とか周りのものは綺麗に整頓しています。
-the peggiesの目指すところは?
私的にthe peggiesはより多くの人たちに聴いてもらえる曲を作れるし、自分の声質もそこに合ってると思います。出来ることはどんどん伸ばしたいですね。ファンの人たちと私達の音楽をシェアしながら、進んで行きたいです。
-確かに、the peggiesはアニメやタイアップの面でも幅がきくなと思います。8月にリリースされる新曲も『センチメートル』もTVアニメ「彼女、お借りします」のタイアップですよね。
そうなんです。個人的には書き下ろしでの曲作りも凄く好きです。誰かに入り込んで曲書くのって凄く楽しいですよ。
私が凄く天邪鬼で面倒臭いタイプだから、私のことが好きな人は多分こういう事で苦労するんだろうなって、想像しながら曲を書くこともあります。私のことが好きな人を想像するのをずっと無意識にしていました(笑)。
-前作EP『アネモネ』のZINEにも書かれていましたが、こうやって北澤さんから楽曲の背景を聞けるのは面白いですよね!
『アネモネ』のZINEは初めての試みで作って見ました。みんな読んでくれてるといいな…。
-制作時の温度感も伝わるというか、そういう新しいアウトプットの形も面白いです。
どんどん色んなものにリンクさせて、音楽を聴くようになっていますよね。色んなイメージやビジュアルで更に曲への理解が深まるので、MVに限らず色んなものに楽曲をリンクさせて行きたいです。
-最後に、ファンの皆さんに伝えたいことはありますか?
私は自分をめちゃくちゃ愛しているタイプなんですけど、自分に自信があることと愛すことは別のことだと思うので、自信が無くても自分のことはちゃんと愛せると思っています。the peggiesを通して、”自分を愛していいんだ”ってみんなが思えるようになったらいいな。自分の好きな自分でいいんだよって、みんなに伝えたいです。ファンの人とthe peggies、お互い心の窓を開いて共感し合える距離感でいたいですね。
Photographer: Maho Korogi
Hair&Make: Kyoka Susa
【北澤ゆうほ 着用アイテム】
Tops①
NMIPロゴTシャツ(4COLOR)/NMIPLOGOT-shirts(4color)
Tops②
NMIPポケットTシャツ(4カラー)/NMIPPOCKETT-shirts(4color)
【the peggies プロフィール】
北澤ゆうほ(Vo&Gt) 石渡マキコ(Ba) 大貫みく(Dr)からなる3人組ガールズバンド。
中学校の同級生で結成し高校時代から都内ライブハウスを中心に本格的に活動を開始。
2014年11月に初の全国流通音源「goodmorning in TOKYO」をタワーレコード限定でリリース。
2015年11月にリリースされたNEW KINGDOMのリード曲「グライダー」がYouTubeの再生回数100万回を超えるなど大きな話題となり、 2016年7月に行われた渋谷club asiaでのワンマンライブはソールドアウト。2016年10月には初のインディーズシングル「スプートニク / LOVE TRIP」をリリース。そして、2016年12月8日に行った渋谷クラブクアトロでのワンマンライブでメジャーデビューを発表。
2017年5月10日に「ドリーミージャーニー」でメジャーデビューし、全国各地のラジオ局、TV局、音楽専門チャンネルでのパワープレイを獲得!6月から全国ツアー「the peggies ドリーミージャーニーツアー2017~野生のペギーズが現れた!!!~」を開催。2017年、9月にはセカンドシングル「BABY!」をリリース。
2018年、初のミニアルバム「super boy ! super girl !!」をリリース、iTunesロックアルバムチャート2位を記録。そのミニアルバムを引っさげたthe peggies史上最大規模の全国ツアー「the peggiestour 2018 super boy ! super girl !!tour~SUPERMARKET TRIP!!!~」では全国10箇所をめぐり、ファイナルはマイナビBLITZ赤坂を成功させた。
2018年、メジャーデビュー2年目を迎える。7月5日、「なつめきサマーEP」を配信限定リリース、iTunesロックアルバム1位、総合アルバム3位を記録!11月7日、3rd Single「君のせい」をリリース、iTunes単曲総合13位、ロック単曲1位を記録。
2019年2月6日、メジャーファーストアルバム「Hell like Heaven」をリリース。そのアルバムからは、ロート製薬「SKIN AQUA TONE UP UV」、TV-CMソング「マイクロフォン」、Honda「バイクに乗っちゃう?」、TV-CM出演&CMソング「そうだ、僕らは」、二階堂ふみ主演の2019年公開映画「生理ちゃん」主題歌「する」と、多くのタイアップに起用されている。
公式HP:https://thepeggies.jp/index.html
【NOT MADE IN PARIS】
NOT MADE IN PARIS ( by 60% ) は、アジアのストリートブランドを集めたオンラインセレクトストアSIXTYPERCENTが展開するオリジナルブランド。アジアのストリートブランドを象徴しており、ベーシックなライフスタイルアイテムやストリートテイストのアイテムを展開。
【NOT MADE IN PARIS 取り扱いサイト】
SIXTY PERCENT (シックスティーパーセント)
アジア10カ国70ブランド以上のハイストリートブランドを厳選したセレクトストア。世界のコレクションに軒を連ねるハイブランドや、アジア国内で人気の高いスケーターブランド等も取り扱う。”NOT MADE IN PARIS”という象徴的なロゴをスローガンに掲げ展開を行う。