【連載:アジアンストリート】TAKEON(テイクオン)創設者Chelsea Maが感じる、中国カルチャーとストリートファッションの交わり「中国人はタイミングを意識している」1 min read

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アジア各国のファッションデザイナーに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を探る新企画。感度の高いデザイナー達が集うローカルのカルチャーシーンから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。
連載第3回目はニューヨークのSOHO地区で立ち上げられた、アジアとアメリカのストリートカルチャーを取り入れたストリートブランドTAKEONから、創立者のChelsea Maが登場。

-こんにちは!元気ですか?Chelseaは今NYですか?それとも中国?

今シアトルなんです。NYには2日後に戻ります!

-そうだったんですね!よく渡航されてますもんね。今は中国国内に入国もできないんでしたっけ?

全く入れないです!2、3ヶ月くらいしたら落ち着くと思いますけど、今は祈っておくしかないですね。

-中国の工場は稼働しているんですか?

3月の初旬にはもう稼働しはじめて、今は問題はないですけど注文によっては違う国の工場に委託する必要がありますね…。

-本企画「アジアのDOPEを探る」は、アジアの有名デザイナーに、その人からみたローカルな人気スポットやその国のストリートウェアマーケット、HIP HOPの実情を探る新企画になっています。TAKEONの説明をお伺いできますか?

私はChelsea Maといって、2017年にいとこのJessicaと一緒にTAKEONをはじめました。両方ともファッション業界で働いてたので、Jessicaと私が見て経験したものがとても似ていたんです。
2人ともブランドを立ち上げることが夢だったのですが、3年前に「そろそろブランドをはじめようか?」という話になり、TAKEONを立ち上げました。

-TAKEONの意味はどこからきたのでしょうか?

少しおかしい話なんですけど、ブランドの名前を決めるのに、1週間くらいブレストに時間がかかって(笑)。そこでJessicaの夫が「astronount = 宇宙飛行士はどう?」って提案してくれたんです。この中国語が”TAKEON”という発音と同じで。じゃあ「TAKEONはどう?」ってなったんです。

https://www.instagram.com/p/B3uQUB4gGo3/

-先ほどTAKEONを始める前にファッション業界で働いていたと仰っていましたが、もう少し具体的な背景をお伺いしても宜しいでしょうか?

中学生から、ファッションデザイナーになりたいと思っていました。シアトルでファッションデザインを学び、JASON WUで1年半SNSとデザインを学んで、その後マリッサウェブでもSNS担当をしていました。その後REVOLVE (リボルブ)の中国支社で働いて、SNSやキュレーション系の仕事をメインにやっていましたね。その流れでTAKEONをはじめました。

-この時代SNSとデザイン、両方できると強いですよね!

2015年、2016年は特にSNSのニーズが高まっていたのと、そこまでナレッジも共有されていなかったので有利でしたね。今はもうSNSも淘汰されはじめている印象です。

-REVOLVE CHINAでは、中国支局で実際に働いていたのですか?

上海オフィスで働いていました。WeiboやWechat、記事などをマネージングしていました。REVOLVEではKOLやセレブなども学びました。中国だとSNSが本当に成功する上で大切で、Instagramが使えないので他国とのギャップを学ぶこともできましたね。

-本当ですよね!SIXTYPERCENTが中国のブランドを探す時も、他の国に比べて本当に苦労します(笑)。 他国だったら記事や口コミ、Instagramなどでポートフォリオもみれるのですが…。

その通りですよね。去年9月にLABEL HOODに参加したときも、中国のブランドをInstagramでフォローできなくて…。どのブランドもWeiboかWechatなんです。Tiktokも同じ位有名です。

-中国の話がでてきましたが、Chelseaおすすめの中国のDope Spotを教えてほしいです!

M50というミュージアムがオススメです!上海でも人気が高く、アート地区のような感じですね。アートを休日に楽しむなら絶対にM50です。
あとは上海新乐路にあるNIKELABが好きです。NIKELAB以外にもスニーカーのショップがあったりします。ただ中にはフェイクも売ってますが(笑)。でも中国のストリートのメッカといえばそこですね。

-Chelseaから見た、中国のストリート市場を教えてほしいです!

私自身、あまりストリートウェアの環境で育った人間では無いんです。ほとんどの中国人も、特にストリートウェアが強い市場にいた訳では無いので、余計にここ5年の伸びの凄さを感じますね。
今NYのLower East Sideに住んでいるのですが、EDISON CHENやCLOTなど、中国のスタイルをストリートに織り交ぜたブランドがここ最近凄く増えてきたと思います。
色々な人から「中国のスタイルって大きいロゴをつけた服っていう印象だよね」って言われるんですけど、実はそんなことないんですよ。中国は消費者を考えてそういうスタイルをメインに展開しながら、パターンだったりシェイプを意識していると思います。

-中国ではブランドをすぐに立ち上げることが当たり前なのでしょうか?

そんな事はないですね!ファッションの専門学校を出ていても、ブランドを立ち上げる人は本当に少ないです。やっぱり投資が必要なので、まずは経験を積むために外で働くケースがほとんどかなと思います。

-私が他のデザイナーをインタビューする時は逆に、例えばインドネシアやタイなどでは高校卒業後にブランド立ち上げるのが主流になっていると聞いていたので、中国が違うことには驚きました。

中国の人はタイミングをかなり意識していると思います。勝ち筋やタイミングを待っている人は周りにも結構いますね。

-中国の音楽シーンについてお伺いしても宜しいでしょうか?HIP HOPの盛り上がりや、Chelseaがどんな曲を聴いているのか、教えてください。

私はHIPHOPと共に生活してきました。普段聴くのは、1990年代のHIPHOPが多いですね。アメリカと中国の両方を跨ぐ音楽がかなり好きで、88risingやHigher Brother、JOJIがやっていることも凄いと思います。中国でもTVなどでメッセージ性の高いラップが披露されるようになって、どんどん盛り上がりをみせています。

-VaVaも有名ですよね。日本でも、どのクラブでもVaVaの名前を見かけますよ。本当に有名になって来ていると思います。

私めっちゃ好きです! VaVaはアイコン的な存在ですね。彼女のチームとも仲が良いんですけど、新進気鋭の女性ラッパーとして確固たるポジションを築いていますね。

https://www.instagram.com/p/B9mTUQegUJq/

-ちょっと話がずれてしまいますが、JO1がNYLON JAPANの表紙でTAKEONを着ていましたよね!

日本にもTAKEONのチームがいて、PRの経験者だったんです。そこでNYLONのスタイリストに出会って、アイテムを渡しました。まさかJO1が表紙で使うとは思わなかったです(笑)。
JO1や中国のR1SEなど、若いボーイズグループが我々の服を着てくれるのは嬉しいですね。TAKEONはアメリカだとアフリカ系のアメリカ人ラッパーが着ていたりしていて、それぞれのスタイルに合わせているのを見るのは凄く楽しいです。

-次は中国とアメリカで働く日常の苦悩についてお伺いしたいです。以前 Designer’s 7 Favoriteという別企画で取材した際、夜までアメリカで働いて、夜以降は中国が起床するので中国に合わせて夜中まで働くと仰っていましたよね。どうやってセルフマネージをされているのでしょうか?

とても有難い質問です!ほとんど聞かれたことがなくて(笑)。 おっしゃる通り、NYと上海は時差がちょうど12時間で、特に大学の時が本当にきつかったですね。「スタミナを学ぶ」っていうことを学びました(笑)。 厳密なスケジュールで動くので、8時に起きて10〜12時まではmtg、アメリカのmtgが16時くらいに全て終わって、17〜19時くらいまでちょっとご飯を食べたりします。そのあと中国と仕事をするので、時々朝6時まで働くこともあります(笑)。
バランスは必要ですが、立ち上げ時は仕方ないですよね。アドバイスしたいのは、24時間をパーセンテージで割ること!例えば30%をmtg、30%を人脈作り、残りを自分の時間に使う…、などです。フリータイムもありますけどね。

-本当ですか!最近YouTubeも始められていたので、絶対忙しいだろうなと思って(笑)。

そうなんですよ!YouTubeをはじめた理由は女性でストリートウェアやスニーカーについて話している人がほとんどいないなと思って。例えばNIKEやアディダスでスニーカーを買っても、女性サイズが用意されていなかったりしたんです。特にジョーダンは女性サイズがほとんど無いですよね。次世代の為にも女性のスニーカー好きを育てたいという思いも込めて、始めることにしました。

https://www.instagram.com/p/B-QNVNaFMCc/

-最後に、NYの好きな場所について教えてください!

Lower East Sideが好きです。ストリートウェアが立ち上がった起源でもあるし、色んな人に出会えることも大きいですね。Lower East Sideで実はTAKEONのPR担当に出会うことが出来たんです。たまたまカフェにいっていたらいつも同じ時間にカフェにいる男性を見つけて、話していたらファッションでPRをやっていると。それで一緒に仕事をすることになりました(笑)。ここは本当に生き生きしている場所だなと思います。

-それで今Lower East Sideに住んでるんですね。

そうです。将来のための投資です! 前はブルックリンに住んでいたんですけど、やっぱりLower Eastが一番ですね。

https://www.instagram.com/p/B505RfDlDC4/

【TAKEON (テイクオン)】

2019年にニューヨークのSOHO地区で立ち上げられたブランド。ストリートウェアとレディースウェアのブリッジの役割を果たすブランドとして知名度をあげた。また、Jessica ZhaoとChelsea Maがアジアとアメリカのストリートカルチャーを両方を取り入れたデザインを制作。TAKEONは現在上海やNew York、東京などで販売を行っている。日本上陸からJO1などが有名雑誌で着用するほどの人気ブランドとなっている。

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