POSTED ON 2017年10月27日 1 MINUTE READ BY SIXTYMAGAZINE TEAM
今回は、アーティスト、オリバ 江戸さんへ聞いた21の質問をご紹介。オンラインブティック「SSENSE」にてスタイリストとして働く傍、被写体の内面の美しさを最大に引き出すフォトグラファーとしてもキャリアを積んでいる。そんな多彩なオリバさんの素顔に迫る。
Q1:お名前を教えて下さい。
オリバ 江戸(Edo Oliver)
Q2:何歳ですか?
23
Q3:普段は何をしていますか?
スタイリスト、フォトグラファー、ダンサーをしています。
Q4:スタイリスト、フォトグラファー、ダンサーとしてご活躍していますが、まず初めに写真と出会ったきっかけは何でしたか?
幼い頃から写真は大好きだったのですが、実際に写真に挑戦することを躊躇していました。でも東京に住んでいた頃、写真に関して非常に経験のある友人に出会い、京都に旅行へ行く時に使い捨てカメラを使ってみるように勧めてくれました。その時、本当のカメラの面白さを知ったし、彼は僕に常に新しいことに挑戦し続けるように勇気付けてくれました。それで後に、自分でフィルムカメラを買って写真を撮り始めました。
Q5:写真を通してどういったメッセージを伝えていますか?
ちょっとした幻想感のある超現実的な世界を創造することですが、同時に被写体の持っている内面(本当の)の感情を最大に引き出すこと。
Q6:どのようにフォトグラファーとして技術を身につけましたか?
何度も試したり失敗したけど、その度、僕の友人にアドバイスをもらいながら身につけました。
Q7:レンズを通して目の前の人物を映し出していきますが、実際は自分自身と相手とのダイレクトなやりとりになりますよね。そういった部分では、相手との距離感とはどういったことなのでしょうか?
一定の距離感を保つというより、僕はぐっと相手との距離を縮めた方がいい作品が撮れますね。撮影の許可を取るという以前に、普通誰かとの関係を築き上げるのに長い時間がかかります。僕はもしその人がどんな人物なのか明確に分からないと、その人に興味を持つことは難しいですね。
Q8:オリバさんの写真は女性の美しさが溢れ出ていますね。オリバさんにとってその「女性の美しさ」とは何でしょうか?
僕にとっての「女性の美しさ」は2つの意味があります。一つは、どのように服を着こなし、ふるまい、自分自身を扱っているかという彼女たちの意識。男女ともに「女性らしさ」を楽しむことができたら楽しいと思います。もう一つは、女性の感情は言葉で表すのではなくても、感じ取ることができる。
Q9:今までに特に印象に残った撮影は何ですか?
それは、おそらく友人のNikoを撮影した時だと思います。この撮影の時初めて、僕は写真の仕事を続けるべきだと感じました。最初は、自分が見えるもの全てを撮影していたけど、この頃にはもう他の友人がアシストしてくれたり、実際に撮影用の小道具やコンセプトを持っていました。その時僕たちは3人で、撮影のために東京のビルの屋上にある廃墟されたプールに忍び込まなければならなかったんです。
Q10:モントリオールで行われた雑誌とのコラボレーションの写真展について教えてください。
モントリオールを中心に世界中のアーティストたちを紹介する、【AYE Mag】という雑誌とのコラボレーションでした。彼らを通して、僕はフィルム写真のみに絞って自分の写真を展示しました。
Q11:どのようにして、このような親密感のある写真展になりましたか?
個展するにあたって気づいたことがあるのですが、多くの人は一度に大量の写真を発表する。でも、それだと見る側がどこを見たら良いか分からなくなりモザイクを見ているような感覚に陥ってしまう。だから僕は、写真展というより見てる人が写真の中にいるような気持ちになるよう、より大きめなフォーマットの写真を数枚のみ置くことで、より親密なものにしようと思いました。
Q12:今後、写真展を開く予定も視野に入れていますか?
そうですね。他の写真展も開きたいですね。現在、スタイリストとして仕事に取り組んでいるので、写真は今の所は少し後回しというところですが、すぐにまた写真へも取り組む予定です。
Q13:現在、【SSENNSE】にてスタイリストとしてもご活躍していますね。
入ったきっかけは話せば面白いですよ。僕は2、3年間スタイリングの仕事をしていたのですが、大学卒業後すぐに仕事を探す必要があり、【SSENSE】に就職しましたが、最初は日本の顧客のためのカスタマーケアとして。基本的に電話やメールでの事務作業でした。でも会社で気に入ってもらっていたのもあって、僕の上司がスタイリストとして働いてみないかと勧めてくれたことで、今僕はここにいます。
Q14:入ってまだ間もないですが、今までのご活躍を通して何か自分の中で変化や新しい発見はありましたか?
会社のためのスタイリングとエディトリアルのためのスタイリングでは全く違ってきます。【SSENSE】でのスタイリングをする時は、ブランドイメージ、ブランド価格、顧客の購買パターンので、どのブランドをどのブランドでスタイリングするか、いかなるブランドでも知っていなくてはなりません。
Q15:個人でスタイリングする際には、また違ったスタイルで行っているとお聞きしましたが、どういったこだわりを持っていますか?
いつもスタイリングがきちんと物語を語っているか確かめます。もし、僕自身がアイテムを見てこれを誰が身につけているか想像できないと何か外れているように感じます。友達一人一人の個性を表現しようとしているし、ガイドラインや決まったルールは作っていないと思います。僕は、彼らと映画のキャラクターを照らし合わせることが好きで、特にメロドラマや悲劇から多くインスピレーションを受けます。
Q16:様々な経験や交友関係を経て、独自で美的センスを磨いてきたと思いますが、オリバさんにとっての「美学」とは何でしょうか?
僕にとっての「美学」…少し難しいですが、それは「ドラマチック」だと思います。ミニマリズムに関してはあまり得意ではないですね。
Q17:スタイリストとしてご活躍することもあり、ファッションセンスにもかなりずば抜けていますよね。
僕のスタイルを表現する「オモシャレ」という言葉を作りました。この言葉は、「面白い」と「おしゃれ」で少しお茶目な組み合わせです。自分自身をあまり真剣にとらえすぎず、楽しくなるような服を着ています。持っている服はデザイナーの服もすごく好きですが、僕のクローゼットの大部分は「古着屋」で揃えたものばかりです。ヴィンテージ品を身につけた時、今何が流行っているかなんて心配する必要がないし、ただの安い店では見つけることのできないアイテムを発掘できるし、自分だけの特別なものを探して自分流のスタイルを作ることができます。
Q18:現在のファッション界で注目している人物はいますか?
現在は…スペインブランド【Palomo Spain】が好きですね。できるなら彼らが作る全てのアイテムが欲しいし、そしてもし彼らのために写真を撮れるなら本当に光栄なことです。
Q19:現在のファッションをどのように見ていますか?
現在のファッションについてどのように自分が思うかは分かりません。ただ一つ言えるのは、この業界には好きではないことや好きなことがたくさんあります。でもそれらは常にファッションであるということ。今世界が小さくなってきていて、世界中のブランドと世界中の様々な人々がソーシャルメディアを通して直接やりとりすることができるようになって、そういった変化は僕にとって刺激的な部分ですね。
Q20:今後どういったことに挑戦していきたいですか?
東京で個展をやってみたいですね。
Q21:最後に、オリバさんのライフスタイルを通してメッセージをお願いします。
とにかく楽しむということだと思います。
彼の撮る写真やスタイリングは、何とも透明感溢れる繊細な表現をしている。それはきっと終わらない「美」への追求なのかもしれない。そして、これまでジャンル問わず築き上げてきた人脈の数々からインスピレーションを受けて洗練されたそのスタイル。そんなオリバさんは長年プロのダンサーとしても働いていた。自分を作り上げてきた大部分であるダンスという表現の世界から繊細な感覚を活かしている。
オリバさんのInstagram @yumeboi