【連載:アジアンストリート】台湾ストリートブランドの覚めぬ熱を 4DIMENSION創設者Kevinが解く「当時は原宿に影響を受けていた」

アジア各国のファッションデザイナーに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る新連載企画。感度の高いデザイナー達が集うローカルのカルチャーシーンから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。

Nana : こんにちは!台湾の方はどうですか?コロナなど色々あるかと思いますが…

Kevin : 台湾はいい感じですよ!外に行く時は、もうほとんどマスクを付けていないですね。MRT(台北の地下鉄やメトロ)の時とかくらいですね、マスクを付けなくてはいけないのは。

Nana : そうなんですね!アジアでコロナを食い止められてるのは台湾くらいだと思いますよ!

Kevin : そうですね、ラッキーです(笑)。

Nana : 本企画「アジアンストリート」は、アジアの有名デザイナーやディレクターに、その人からみたローカルな人気スポットやその国のストリートウェアマーケット、HIP HOPの実情を探る新企画になっています。今回をゲストとして迎えることができてとても嬉しく思います。早速、4DIMENSION (フォーディメンション)の説明をお願いします。

Kevin : 私は4DIMENSIONのファウンダーで、このブランドは2013年に設立しました。大学を卒業した後、別ブランドでデザイナーとして働き、2014年にパートナーのフェンチェンと出会って、今も2人でブランドを展開しています。

Nana : 2人でやっているんですか?それは驚きました…。コラボレーションも積極的に行っていますよね。

Kevin : そうですね。ブランドコントロールもあり、今2人でやっています。

Nana : 大学を出たと仰っていましたが、ファッション関連の大学ですか?

Kevin : そうです。ファッションデザインを専攻していました。東京文化服装学園みたいな感じです。

Nana : 元々デザイナーになりたかったんですか?

Kevin : そうですね。16歳の頃からデザイナーになりたいと思っていました。

Nana : パターンやグラフィックデザインなど、どこを中心に学んだのでしょうか?

Kevin : 基本的にすべてを網羅した学び方でしたが、特にファッションデザインの分野を学びました。でも、パターンもグラフィックもわかっても1人でブランドはできないので、今から徐々に人を増やして行きたいと思っているところです。パターンもグラフィックもすごく好きですが、自分で全部やってしまってはダメですからね。

https://www.instagram.com/p/B3FLINAnsJV/

Nana : なるほど。続いて、台湾のファッションの成長についてお伺いしたいです。今日本でも台湾の文化はとても知名度が上がっていると思います。

Kevin : そうなんですね!ファッション雑誌でも特集しているんですかね?メインストリームは、台北や台南のイメージが強いですよね。

Nana : そうですね。ちなみにどこか有名なスポットはありますか?

Kevin : Yangmin(ヤンミン山脈)はとても有名ですよ。主要都市からかなり近くにあるので、大学やら国立公園やらがここに密集しています。スクーターで上まで上がることもできるんです。日本の富士山みたいなものですね!

Nana : よくヤンミン山脈に行くのでしょうか?

Kevin : 夏くらいですね!冬にスクーターで上に上がったら死んでしまうので(笑)。

Nana : なるほど(笑)!台湾のストリートウェアシーンについては如何でしょうか?どのように成長を遂げていると感じていますか?

Kevin : 台湾のストリートウェアは15年前くらいからスタートしたと思います。台湾の若い子たちはその頃からみんなVOLCOM(ボルコム)や、NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)、SWAGGER(スワッガー)を着ていましたね。その頃は原宿の文化にとても影響を受けていて、今だに東京やアメリカの文化を受け継いでいますが、台湾は台湾なりのファッションを作り上げようとしています。

Nana : 私もそう思っていました。台湾は他のブランドよりもより赤をグラフィックに入れていたりして、かなり異なる印象でしす。4DIMENSIONも台湾のカルチャーとアメリカや東京などのストリートスタイルをミックスさせているのでしょうか?

Kevin : 4DIMENSIONはどちらかというと、黒だけを使ったジャケットやバックなどを基本的に展開するようにしていますね。グラフィックやらを入れ込まないデザインが中心になりますが、コラボなどでは多様なデザインを入れ込むようにしています。LAB TAPEIとのコラボもそうでした。

Nana : 因みに、4DIMENSIONのターゲット年齢層は?

Kevin : 今は22歳から40歳ですね。4DIMENSIONは結構大人なスタイルと値段の展開がメインかなと思っています。

Nana : 台湾のファッション市場全体の予測は何かありますか?

Kevin : 毎年良くなっている印象です。まだ自分たちもラーニングステージだと思っているので、まだまだこれからですね。でも、この10年で市場がどんどん変わってきていると思います。

Nana : 台湾でファッション情報を得る時は、どのようなツールを使っているのでしょうか?

Kevin: HIGHSNOBIETY(ハイスノバイエティ)HYPEBEAST(ハイプビースト)を見ていますね。HYPEBEASTは台湾にもあるので、影響も強いです。

[blogcard url=”https://hypebeast.com/zh/2018/9/essential-4dimension-kevin”]

 

Nana: スニーカーYouTuberなども有名なのでしょうか?

Kevin : 確かに、スニーカーYouTuberは人気な人がいますね。ただストリートウェア系の人はまだいないかもしれないです。

Nana : ここでKITH(キース)とのコラボについてお伺いしたいです。NYファッションウィークにも出たとお伺いしました!

Kevin : 1人の男の人が突然連絡してきて、KITHにバイヤーとして働いていると。彼が突然4DIMENSIONのバッグを2015年に使っていてとても気に入ったと言ってくれたんです。ただ最初は冗談だと思って(笑) 、LinkedinとかTwitterで名前を調べました。
2016年〜2017年の間に、4DIMENSIONのアイテムを取り扱ってくれて、2018年のNYFWの際に、コラボレーションのアイテムを、4つのバックシリーズで展開することになりました。

4DIMENSION×KIETH コラボバック
(photo by hypebeast)

 

Nana : その頃は頻繁にNYに行かれていたのでしょうか?

Kevin : NYFWは行けなかったのですが、KITHとのMTGのためにNYへ行きましたね。NYのKITH本社に行ったのですが、50人以上働いているチームで、オフィスも大きくてとてもかっこよかったし楽しい経験でした。コラボアイテムはKITH側でしか売れなかったのですが、評判が良かったと言われています。

https://www.instagram.com/p/Bnp6nkmBs4c/

Nana : 他のブランドとのコラボも決まっているのですか?

Kevin : PLATEAU STUDIOと10月にコラボが決まっています。代表のJerryと東京でイベントしたいねって話しているんですけど、この様な状況ですし、行けるかな…。以前は、1年に2回は東京に行っていました。東京がとてもすきで、コロナが落ち着いたら行きたいですね。

Interview:Nanae Matsuoka
Edit:Ayaka Yoshimura

【4DIMENSION (フォーディメンション)】

4DIMENSION®(フォーディメンション)とは2013年に台湾で立ち上がったストリートブランドで、現代らしいカジュアルなストリートウェアアイテムをメインに展開している。また、アメリカの代表的名ストリートブランドKITHとのコラボレーションやRonnie Fiegとのコラボレーションを展開し、2018-2019年にはニューヨークファッションウィークへの参加も果たす。アジアのみならず欧米にも熱狂的なファンが多い今注目のアジアブランド。

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