【21Questions】Foiに聞いた21の質問「アジアを代表するシンガーソングライターになりたい」

中国と日本を背景に抱く シンガーソングライターFoi が新曲「Swim in your eyes」をリリースした。
ソロとして本格始動となった本作に向けて、自身のアイデンティティーやジャンル感に向き合い始めた彼女に問う21問。アジアを代表するシンガーソングライターの成長をこの目で見届けてほしい。

Q1:まず最初に、自己紹介をお願いします!

22歳、日中ハーフのシンガーソングライターです。小3から中国に行って高校で帰ってきました。プライベートでいいますと、今は大学4年生で、建築を勉強してます。

Q2:なぜ大学で建築学を?

親が建築の仕事にしていたんです。中国に住んでる母方の祖父も建築専攻で、せっかくなら建築に行こうかなと。

Q3:Foiさんが音楽に興味を持ったきっかけは何でしたか?

もともと歌うことが好きだったのですが、これも家族の話になってしまうのですが、祖母がカラオケ好きだったのでその影響は大きいかも!実際に音楽を始めたのは、日本に帰国して高校で軽音楽部に入ってから。そこから、軽音楽部の友達がソニーミュージックの育成オーディションに1期生で受かって、私もチャレンジしたいと思い、第2期オーディションに私も応募しました。そのオーディションに受かってから、本格的に作詞・作曲・ギターも始めました。

Q4:そこからセッション・グループ「ぷらそにか」を卒業されて、今年からソロとして本格的に活動を始められると。

そうです!今までもソロでの活動はしていたのですが、自主制作に近かったので、正式にシンガーソングライターの”Foi”としてスタートします。

Q5:今年2月に”ぷらそにか”を卒業されましたが、どんなお気持ちでしたか?

ぷらそにかはサークルみたいな感覚で、あくまで”シンガーソングライターとしてソロでやっていく”というのが目標でした。今は、独立したからにはメンバーにもかっこいい姿をしっかりと見せたい気持ちはありますね。でも、私自身の心境はあまり変わってないと思います。

Q6:Foiさんに影響を与えたものは何でしょうか?

やはり、C-POPとマンドポップですね。好きなアーティストは、ジェイ・チョウという台湾の有名なシンガーソングライターさんで、小中学生の頃から彼の楽曲を聴いています。あとは、同じくシンガーソングライターのタニア・チュアさんも好きです。中国国内、C-POP圏ではかなりメジャーな方々です。C-POPは特にメロディーが好きですね。

Q7:実際、影響を受けたC-POPやマンドポップをどの様にFoiさんの楽曲に落とし込んでいるのでしょうか?前作「Bad Friend」からよりC-POP要素が濃くなった印象がありますが。

自分の音楽に落とし込むというより、小さいころから聴いていたC-POPが自然と曲から滲みでるのかな。周りのアーティストの友達を見ても、小中高で聴いていた一番好きな曲やジャンルが自分の楽曲に反映されるのかなと思います。それこそ最近、プロデューサーさん達と一緒に楽曲を作るようになって、ジャンル感やサウンド感を意識するようになりました。それまではジャンルや曲のルーツについて、あまり考えてなかったですね。

Q8:高校生で中国から日本に戻って来られたとの事ですが、何かギャップは感じましたか?

中国では進学校に通っていたのですが、毎日勉強漬けでしたね。中国は基本的に学歴社会なので、学生は勉強で凄く忙しいです。朝の6時から学校で勉強して、帰って宿題して、2〜3時くらいに寝て…みたいな毎日でした。日本に来てからは全然勉強しなくなりましたね(笑)、”パラダイスだー!”って(笑)。でも、中国での生活も楽しかったですし、両方の学生生活を経験できたのは凄くいい経験だなと思います。日本には部活があって、同世代に部活を頑張っている子が多いのに驚きました…。

Q9:中国には、ライブハウス文化などはあるのでしょうか?

あるみたいです、行ったことはないですけど…。でも、日本ほど普及はしてないですね。ライブハウスは日本よりももっとアンダーグラウンドに位置していて、普通の学生は行かないと思います。

-音楽をやりたい人はそういった場所に?

ほとんどのアーティストは、決まったライブハウスやバーで歌っている印象ですね。やっぱり学生は勉強が忙しいので、学生で音楽をやってる人は本当に少ないか、ほぼいないと思います。日本に来て、ライブハウスが沢山あること、同世代で音楽をやってる人がたくさんいることに驚きました。私がギターのCも弾けない時から、同期のアーティストの子はDTMとかで楽曲を作っていたんです。中国では部活も無いし、この年齢でバンド組んでオリジナル曲を作ろうなんて考えられなかったから、日本に来たおかげで視野が広がりましたね。お母さんに感謝です…。

Q10:因みに、普段は何をしてますか?

そんな大した事はしてないです(笑)。同世代の人達と同じことをしてるかな…。韓国ドラマ、めっちゃ観ます。「愛の不時着」やばかったですよね…。他は…、人と会うのが好きですね。人と喋っているとやる気が出るんです。アウトドアでは無いのですが、屋根のある場所で人と会いたいです(笑)。

Q11:韓国ファッションが好きとお伺いしましたが、中国でも学生時代を過ごされた上で、アジアのカルチャーについてどう思われますか?

これからアジアが世の中の中心になるのかなと思っています。中国は本当に発展のスピードが速くて、北京の家へ帰るたびに私が原始人になった気分になりますね。以前から韓国のデザイナーズブランドがすごい好きだったのですが、中国もデザイナーズブランドがたくさん登場していて、今までノーマークだった台湾もすごく可愛くなってますよね。エンターテインメントがどんどんアジアで盛り上がってきてるなと感じてます。

Q12:Foiさんのインスピレーション源は何ですか?

私はのインスピレーション源は、日常の中にあります。例えば外を歩いてる時に雨が降ったりすると、「雨をつたって空の上に登ろう」とか連想したりします。詩は星や月などの単語を使いながら、回りくどく言うのが好きですね。

Q13:FOiさんの歌詞で「月は綺麗なのにあなたの様に遠い」や「神も仏もない」など、独創的な言葉の使い方が印象的ですが、そういった言葉のインプットはどこから?

本やら映画やら色々なものをつまみ食いして、良い台詞があれば盗んでます。唯一挙げるなら、自由律俳句が好きです。五七五ではない俳句のことで、俳句と呼んでいいのか分からないフリーダムさがありますね。

-自由律俳句のおすすめは?

又吉 直樹さんとせきしろさんがコラボで書いている『カキフライが無いなら来なかった』とか…。そのコラボシリーズが私の中のベストです。

Q13:Foiさんが思う、ご自身の強みを教えてください!

メンタルはめっちゃ強いですね。大体のことは気にしないです。大抵の事はなんとかなるから、自然体でできればいいかなぁと。

-メンタルの強さを維持するマイルールみたいなものはありますか?

迷ったらやる。後悔はしたくないんです。無駄は無駄でいいけど、”やれば良かった”って思うのが一番嫌です。

Q14:曲を作るモチベーションなどはあるのでしょうか?

モチベーションの波はあまり無いんです。曲を作ってるとテンションが乗ってきて、スイッチが入る瞬間は分かるのですが…。でも、悲しい気持ちだから曲を書く、とかではないですね。書くとなったら書きます(笑)。

Q15:どんな事でも大丈夫です。Foiさんの”こだわり”はありますか?

曲を作っていくうちに、”Foiならこの言い回しをする”みたいなものが確立されてきて、それを頼りに歌詞を書くのがこだわりですかね…。最初、作詞は難しいと感じた時期もありましたが、最近は言葉の様々な表現方法がある中で、”Foiならこれ!”っていうのが明確に分かるようになってきました。

Q16:リスナーの皆さんの反応は見ますか?

はい、嬉しいから見ますよ!リリース前の曲は”生焼けピザ”のイメージです。聴いてもらって、ようやく”焼けたピザ”になるというか。聴いてくれた方々から沢山レスポンスを頂けるとやる気も出ますし、私自身褒められると伸びます(笑)。

Q17:最新シングル「Swim in your eyes」は、Shin Sakiuraさんと一緒に楽曲を作られましたが、ムーディーかつ中国を感じる雰囲気が素敵でした!

ありがとうございます!新型コロナウイルスの影響で制作期間が長かった分、丁寧にコミュニケーションを取れて、結果として良い作品ができたと納得してます。Shin Sakiuraさんからアドバイスをいただいて、それを持ち帰って反芻する制作スタイルだったのですが、自分が良いと思ったものをどこまで崩せるかが難しかったです。例えば、私が黒でシンさんが白だとしたら、グレーの濃さのバランスが大切ですよね。私の頑固な面も出てしまっていたのに…、Shin Sakiuraさんは丁寧に説明してくれて、自身の成長の面でも良い経験になりましたね。

Q18:新曲のMVには英語・中国語・韓国語の字幕もありましたよね。そのオリエンタルさがFoiさんらしいなと。

中国語は自分で翻訳して、韓国は勉強中なのでネイティブの方に見てもらいました。アジア各国の方々に楽しんで貰いたいですね。

-今後は中国語の楽曲を出す予定も?

はい、準備しています…!

Q19:英語も中国語も話せるFoiさんなら、他のアジア諸国でも活動できると思うのですが、拠点として日本を選んだのはなぜですか?

そもそも日本に帰ってきた理由が、どうしても日本の制服が着たかったからなんです。当時、中国のインターナショナルスクールに入学して既に高1になっていましたが、急に日本の高校に入りたいという思いが湧き上がって来て…。勝手に寮のある日本の高校に出願しました(笑)。それがきっかけで日本に戻って来たので、J-POPで音楽の道に進もうとかは深く考えて無かったんです。音楽始めたのもひょんな事からなので…。

Q20:流れ着いた先が、日本だったのですね!今後、Foiさんが目指す像、目標とする舞台はありますか?

アジアを代表するシンガーソングライターになりたいです。アジア各国の中で有名な方や人気のアイドルはいますが、ソロ歌手でアジア全体で売れている人は少ないですよね。だからこそアジアを代表するアーティストになって、アジアの国々を回りたいです。

Q21:最後に、新曲を聴いてくださる方にメッセージをお願いします!

新曲は夏のラブソングですが、私の性格同様あまり暑苦しくなくサラッとしたラブソングに仕上がってます。歌詞も一句一句こだわって書いたので、丁寧にみんなにお渡しできればなと思います。是非たくさん聴いてください!

Photographer : Kotetsu Nakazato
Interview : Ayaka Yoshimura
Edit : Risa Sato

【リリース情報】

Swim in your eyes (Prod. Shin Sakiura)

Official HP ◆ https://foiofficial.wixsite.com/foi-official/profile
Twitter ◆ @Foi127
Instagram ◆ https://www.instagram.com/foi_0.0/
YouTube Channel ◆ https://www.youtube.com/channel/UCrgHUIr5Ly9IudkdN1P6mfQ

【ライブ情報】

『LIVE GATE』

◼︎2020/8/19(水)
◼︎配信開始/配信終了 19:00~
◼︎料金¥2,300(税込)
◼︎発売開始日 2020/08/8(土)

【8月19日(水)出演アーティスト】
ヒグチアイ / Foi / 熊川みゆ

視聴チケット販売/視聴URL https://live-gate.jp/
公式サイト https://live-gate.jp/

【Foi(フォイ)】

1998.1.27生まれ。22歳。

日中ハーフ、ギター弾き語りシンガーソングライター。
母親が中国人のため、小学三年生から中学卒業までの間は中国の現地校に通っていた。高校は日本に戻り、高校一年生冬、オーディションの合格をきっかけにアーティスト活動をスタート。

憂いのある声色や独特の存在感を放ちシーンでの注目を集めている。
今年2月にはソロと並行し活動してきたセッション・グループ、ぷらそにかを卒業と同時にサウンド・プロデューサーに片寄明人(GREAT3)を迎え、ミニアルバム『FLASHPOINT』をリリースした。