【21Questions】独自の世界観をアニメーションに再現するアーティスト、シシヤマザキ

 

今回は、ミュージックビデオなどを手がけるアーティスト、シシヤマザキさんへの質問。自分自身をキャラクターとしてアニメーションに登場させたり、シャネルとのコラボレーション、また最近では自分自身で歌ったりもするなど幅広く活動する彼女が考えるクリエーションとは….?

Q1:お名前をおしえてください。

シシヤマザキです。

Q2:職業をおしえてください。

アーティストです。

Q3:普段はどのような活動をされていますか。

アニメーション制作、平面、立体作品制作、音楽活動などをしています。

Q4:さまざまなジャンルで活躍されていますが、作品を作るときのこだわりをおしえてください。

グルーヴをつかむことと、小さい部分も大きい部分も「現象」に落とし込むとことです。

 

Q5:ミュージュックビデオをいくつか手がけられていますが、ご自身が思う音楽とアートの関係性についておしえてください。

音楽は聴く人それぞれの中にそれぞれの広がりをもたらしますが、曲に付随する視覚的なイメージを作ることはその広がりを限定することにもなります。でもうまくいけば逆に聞いている人の感覚をさらに広げる切り口として機能しうることもあります。そこに行き着くにはグルーヴをいかに掴んで、掴みつつも音に寄り添いすぎない、ということが大事かなと思っています。飲み込まれ過ぎずにうまく音と視覚が響きあうというところを目指すのが重要です。ビデオを作ることに関してはそういったことを考えていますが、実際音楽もアートも境目がないんじゃないかと思います。音楽がこうであるからアートのほうはこうであるべき、みたいなものもあまり意識しないほうが面白くなりそうです。

 

Q6:ご自身の姿のキャラクターをよく登場させる理由は?

常にそこに自分がいるので、使ったほうが早いんじゃないかなと思って使っています。
描きやすく、いくら変なふうにしても誰にも怒られないですし、「存在」の概念ごと新しい形に捻じ曲げてしまえるので、より新しくて面白いものに近づけそうだなと思っています。

Q7:CHANEL(シャネル)の、モデルのカーラ・デルヴィーニュを描いたアニメーションフィルムが話題になりましたが、そのときのことをおしえてください。

おっかなびっくり&嬉しさみたいなのが同時に押し寄せて心身共に張り裂ける思いでした。しかしながら、カーラをはじめ、CHANELの方々も、パリの映像プロダクションのWalter Filmsの方々も、関わった人たちがみんなとても良い人達だったのでよかったです。パリでアニメーションの元となる実写映像を撮影をしたのですが、はじめは私から絵コンテを提案させていただき、それをもとにスタッフで話し合いました。何度もディスカッションする中、その場その場でアイデアが流動的に変化していくのは面白かったです。撮影の段階でもいろいろ変化があったり、東京に帰ってアニメーションに変換していく段階でもまた私のほうで変化を加えたりと、思い返すとかなり自由度が高いプロジェクトだったと思います。

Q8: 海外と日本で働くことの違いはかんじますか?

英語のほうがやりとりがシンプルにまとまるので、思考も整理しやすいです。

Q9:今後海外に拠点を移すことは考えていますか?

拠点の前に、意識を外に外に向けていきたいと思っています。どこにいてもそうでありたいです。
そうしていると、おのずと足も外へ伸びていくんじゃないかなと思っています。

Q10:いままでの作品で一番印象深かったものは?

YA-NE-SEN a Go Goです。いろんなことがわからないまま手探りで作ったのですが、未だにこの作品がいろんな場所に連れて行ってくれているなと感じます。

Q11:アーティストグループ、1980yen(イチキュッパ)の活動を始めたきっかけは?

1980yenはもともと食品まつりさんとくろやなぎてっぺいさんによるグループです。きっかけは2016年のササクレフェスティバルです。私がそのイベントに個人でダンスと歌のパフォーマンスで出ていたのですが、その日出番が一番最初だった1980yenのパフォーマンスがすごすぎて感銘を受けまして、私は一方的にいいな〜と思っていたのですが、なんと後日お誘いをいただき、迷わず加入した次第です。もともと私が個人でCDデビューしていたりして、その時食品まつりさんにトラック提供をしていただいたりしたこともあり、遡るとそういった経緯になります。

Q12:1980yenの活動後、作品に変化はありましたか?

明らかに意識がより開けて、いろんなことを前よりもずっとのびのびと考えられるようになりました。
私と同時期に、プランナー/アートディレクターの佐藤ねじさんも加入して、みんなでいろいろ話しているとアイデアが尽きなくて面白いです。作品に変化があったかどうかはわからないですが、考え方の幅が広がったのは確かです。

Q13:いま注目しているアーティストは?

皆藤 齋 – http://kaito-itsuki.tumblr.com/

Patrick Kyle – http://www.patrickkyle.com/

Alan Resnick - (Adult Swim でおなじみのビデオアーティストです。ビデオも狂ってて面白いですが、彼の描く漫画や絵のほうが好きです。)

Robert Beatty – http://www.robertbeattyart.com/

Q14:影響をうけたこと、人物がいればおしえてください。

ファンタジア、とんでぶーりん、カードキャプターさくら、ピングー、ポストペット、ファービー、たまごっち、ポケモン

 

Q15:タイムスリップできるならどの国のどの時代にいきたいですか?

アメリカのテレビドラマ『フリークス学園』を見てしまったので70年代に行きたすぎる気持ちから抜け出せないですが、あえてアメリカじゃなくて日本の70年代に行ってみたいです。

Q16.:今後の目標、チャレンジしたいことは?

今までと違う見え方でシシガールのキャラクターを展開していきたいです。
あとはロトスコープアニメーションの制作プロセスをプログラム化したいのと、人や物の動きをデジタル化するシステム「モーションキャプチャ」の有効活用など。あと漫画にもチャレンジしたいです。

Q17:お気に入りの音楽、映画、本をおしえてください。

音楽
Prozzak – Sucks to Be You

El general – muevelo muevelo

Tom Tom Club – Genius Of Love THE REAL

映画
・ブレードランナー
・世界中がアイ・ラヴ・ユー
・メトロポリス
・ファンタジア
・マトリックス
・永遠に美しく…
・ボディヒート
・ザ・フライ


・『ネオファウスト』手塚治虫
・『内臓とこころ』三木成夫

Q18:気分転換方法をおしえてください。

寒天づくり、サウナ、プール

Q19:東京でお気に入りの場所は?

・新宿伊勢丹の地下一階と屋上
・ミッドタウンのウッドデッキみたいなエリア
・阿佐ヶ谷 パールセンター
・町田 プリンス(もうない)
・町田 ダンケ(もうない)

Q20: いま行ってみたい場所は?

・オスロ(ソウルメイトが住んでいるから)
・真珠の里
・バーニングマン
・香港
・北京
・台湾

Q21:最後に作品を通して伝えたいことをおしえてください。

まろやかな感じの幸福感を届けていきたいと思います。

 

アニメーションを作る傍ら、最近では自信の音楽活動にも精を出しているヤマザキさん。そんな彼女の姿からは単にフットワークの軽さだけでなく、日々鋭い審美眼を養っているのだろうことが伺える。今後も彼女が作り出すアニメーション、自身のキャラクターの新たな展開に期待したい。