【60MAG お悩み相談室#3】ZOMBIE-CHANG メイリンと見つける、それぞれの深層心理

このご時世、続々と出現する葛藤や疑問。好きな音楽を聴いたり、たらふく美味しい物を食したり、自分でご機嫌を取るのも良いけれど、たまには誰かに相談してみない? アーティストやクリエイター達が、あなたの葛藤と真摯に向き合っていく連載「お悩み相談室」。
第3回目は、今年8月に2年ぶりのニューアルバム『TAKE ME AWAY FROM TOKYO』をリリースしたZOMBIE-CHANGのメイリンが登場。恋愛の悩みや、スピリチュアルな話題、楽曲づくりに纏わる雑多な質問に答えて頂いた。あらゆる悩みにはその人自身の深層心理が隠れている。彼女が創造する音楽と言葉で、無垢に踊り、感じ、それぞれの真意を見つけて欲しい。

【ペンネーム:コマツキ】結婚をしても僕は本質的に満たされる事はないと漠然に感じています。ですがどうせ結婚をします。

うーん……、結婚したいと思ってるからこの意見が生まれるのかな。ちゃんと愛せる人を見つけて、そこから結婚を考えれば本質的に満たされるんじゃないですかね。もし望んでいないなら、結婚することに固執しなくてもいいと思いますよ!

【ペンネーム:runa】好きな人がいます。付き合いたいけど、そこまで絡みがなく、きっかけがないので永遠に進展がありません。

私だったらまず、何故好きかを考えますかね。そして、どうにかして相手と関わろうとします……。でも、絡みがないのに付き合いたいって、そもそも“好き”なのかな?相手に対する気持ちを突き詰めて考えないと、万が一付き合えたとしても「そこまで好きじゃなかった」って思うんじゃないかな。でも、純粋に憧れる気持ちも経験としては大事だと思います!

ーー考えた結果“好き”だけど、きっかけがなくて進展がない場合はどうしましょう?

肩をトントンって叩いて「遊ぼ!」って話しかけるとかどうですか?それを何回も繰り返していくうちに、相手も意識してくれると思います!

ーーrunaさんは相手に出会う前のお悩みですが、『TAKE ME AWAY FROM TOKYO』収録曲「美しい愛の日々」では、出会ってからの淡い日々を綴られていますよね。

多分、本質的に誰かを好きになる経験を私自身がそんなにしていないんだと思います。私もrunaさんみたいな時期があって、人並みにですがいろんな恋をしてきたんですけど、“一体何だったんだろう”とも思うので……。きっと私は、人として関わった結果、好きかもしれないと思うような人間関係しか描けないのでしょう。

【ペンネーム:ホッティー】どんなことをイメージして音楽を作っていますか?

難しい質問ばっかり〜!私を悩ませる相談室だ(笑)!
私はイメージに合わせるんじゃなくて、とりあえず音を鳴らしてから“この曲はこういう曲だな”って感じで作っています。それと、色んな人に届いて、楽しんでもらえる事は常に意識しています!

ーー前作『PETIT PETIT PETIT』はバンド編成でしたが、今回のアルバムはDTMやトラックがメインですよね。メイリンさんの原点に戻られた訳ですが、何か意識の変化などがあったのでしょうか?

前作のバンド編成は、みんなで制作する過程も楽しくって、とても良い経験になったんですけど、後から逃げてしまったな〜と。このまま電子音を極めないでやって行くと、後悔すると思ったんです。やっぱりエレクトロやテクノが好きなので、もう一度自分の音づくりに向き合いたくて今回の作品を出しました。自分との戦いです!

ーー今作はコロナ禍はじめ、社会情勢をコミカルに表現されていたのも印象的でした!

1曲目の「STAY HOME」は緊急事態宣言の時に作った曲なんですけど、世間に対してというより、個人に対するメッセージのつもりで作りました。私は今まで個人に対して意見を言うことができなかったんですよ。だけどコロナ禍に「遊ぼう」って言ってくる人がすごく嫌で、その気持ちを表現した曲を出したら気づいてくれるかなと思ったんですよね。直接的な方法や言葉で伝えるだけじゃなくて、楽しく、生活に馴染んだ形で伝えたい。そういう抽象的なものであっても、何らかのきっかけを与えられるかなと思いました。

【ペンネーム:Yellow mood】DTMのモチベーションや継続のコツはありますか?

私はモチベーションが下がった時に、自分でも贅沢しちゃったなって思うくらいの楽器やプラグインを買います。新しいものを買うと、その分頑張ろうっていう気持ちになりますよね!

【ペンネーム:yu】ギターとDTMをしています。18歳のうちにやって良かったことなど、アドバイス下さい!

18歳の頃は何も分からないまま、ひたすらパソコンをいじっていました。自分の好きなようにしていたら何かしら結果に繋がるから、とにかく思いついたことをやることに限る!あとは、とりあえず作ったものを世に出していくこと。今は簡単に音楽をネットに上げられる時代なので、下手でも出してみて下さい。評価が返って来たら、自信にも繋がるので!

【ペンネーム:シェバ】UFOや幽霊などはいると思いますか?

うーん、考えたことないなあ……。UFOに乗って宇宙に行けるんだったら行ってみたいですけど、見たことが無いので、今はいないと思っています。幽霊もいないんじゃないですか?ホラー映画は怖いですけどね。UFOも幽霊も私の時間軸にはいないです。シェバさんの時間軸にはいるのかな?

【ペンネーム:あいあい】メイリンちゃんの前世は何だと思いますか?

私自身、あんまりスピリチュアルなことは信じていない方なんですけど。小さい時、夕暮れ時にお姉ちゃんみたいな人と階段の上の方に座る夢を見たことがあったんです。その階段の上から見えたのがエッフェル塔だった気がするんですよ。それに最近は何故かフランスの方と繋がることが多くて、フランスにシンパシーみたいなものがあると信じています。
だから、私の前世はフランス人だったらいいなぁ!と思います。

ーー確かに、メイリンさんと言えばフランスのイメージが強いですよね。「MONA LISA」もそうですし、新曲「SNOOZE」のMVもフランスの街並みですし。フランスの方と関わるようになったきっかけが何か明確にあったのでしょうか?

好きなフランスのバンドが来日していた時に、たまたま渋谷でバンドのメンバーと遭遇したのがきっかけです。そしたら知り合いじゃないのに“明日ライブあるから来てよ”って誘われたんです!そこから元々フランスのミュージシャンや音楽家が好きだったのもあって、フランス語の勉強を始めました。他にもファーストアルバムのPVを撮りたいって連絡してくださった方や、シングルカットのMVやジャケットデザインを担当してくださった方もフランスの方だったり。自分自身も日本にいるより、パリにいる時の方が元気ですね。ナチュラルなパワーをもらっている感じがします。……こういうことが恋なんだぞ、runaさん!その人のことを勉強して近づきましょう!

【ペンネーム:パタパタ】メイリンさんのリフレッシュ方法は何ですか?

私、切羽詰まっている時に1人で制作すると訳分からなくなって、何をするにも頭が回らなくなるんです。そんな時は、例えば全然欲しくないメガネを急に買ってみるんですけど、メガネを買う時って度数を図ったりするじゃないですか。自分の新しい度数とか、そこから見える世界とか、着目していなかったところに面白いものが結構あるんです。
ただ、パタパタさんが普段何をしているかでリフレッシュ方法は変わるかも。もし社会人の方だったら、モノ作りとか楽しいですよ。反対に制作側の方なら、1人で遊んでみるのもいいと思います。とにかく“歩く”のもオススメです。

【ペンネーム:sisawan】寂しい時は何をすればいいですか?

とにかく何かに没頭することが大切だと思います。私の場合はモノ作りですけど、勉強をするのも良いですよね。勉強は楽しいですよ。あとは、本を読むと昔の人と対話ができるので面白いですね。

ーーメイリンさんのおすすめやバイブルとなる本はありますか?

私が好きな本はセネカの「人生の短さについて」です。時間は有限なので、自分の時間をどう大切に使っていくかが大事なんじゃないかな。

【ペンネーム:Lika Wada】女性らしさ。とは

いいんじゃないですか、考えなくて。一般的に髪が長いとか、パンツが見えないように振る舞うとか、そういうことが女性らしさと呼ばれるのかもしれないですけど、好きなようにしたらと思います。女らしさも男らしさもないですからね……。正解はないと思います!

ーー最後に、音楽から恋愛まで色々なお悩みに答えて頂きましたが、いかがでしたか?

私も皆さんのように悩んだこともありますし、今後悩むこともあると思うんですけど、最近妙に冷めてしまいまして……。現実的なことを考えてしまいます。やっぱり、質問や悩みの本質を考える事が一番楽しいですね。私の回答が、みなさん自身が自らの深層心理を冷静に分析するきっかけになればと思います!

Photographer:Asami Nobuoka
Interview:Ayaka Yoshimura
Edit:苫とり子(tomatorico)

【メイリン:ZOMBIE-CHANG(ゾンビーチャング)】

メイリンのソロプロジェクト、ZOMBIE-CHANG(ゾンビーチャング)
作詞作曲、トラック、リリック全てを彼女が手掛け、2016年に配信「恋のバカンス E.P.」でデビュー。その後、1stアルバム『ZOMBIE-CHANGE』をリリース。2017年3月には2ndアルバム『GANG!』をリリースし、リリースパーティーを青山のPIZZA SLICEで開催。2018年に3rdアルバム『PETIT PETIT PETIT』をリリースし、FUJI ROCK FESTIVAL ‘18への出演。初のツアーを国内3都市と、北京、上海、台北、香港のアジアツアーも決行し盛況に終える。カナダの
R&BシンガーThe Weekndが、自身で選曲したApple musicのRadio Program “beats1″に「イジワルばかりしないで」を選曲、またインスタグラムの告知ティザーのBGMでも使用され大きな話題に。2019年6月にはフランスで開催される音楽フェスLa Magnifique Societyに出演。9月には『PETIT PETIT PETIT』をUKのレーベル“Toothpaste Records”よりVinylでリリース。
2020年8月には4thアルバム『TAKE ME AWAY FROM TOKYO』をリリースし、MarcJacobsなどアパレルブランドにも楽曲を提供するなど、トラックメーカーとしても起用される。音楽プロジェクト以外にも、モデル、執筆業などでも活動。ジャンルに捉われないオリジナルティ溢れる音楽性と、 独自の世界観を放つライブ・パフォーマンスは中毒性が高く、今最も注目される女性アーティストのひとり。