【連載:アジアンストリート】WKNDRS 創業者に聞く日本でカルト的な知名度を誇る理由とは?

アジア各国のファッションディレクターに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る連載企画。感度の高いデザイナー達が集うローカルカルチャーから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。
今回は、韓国・ソウル発のストリートブランドである「WKNDRS」からファウンダー・デザイナーのイム・ビョングァンが登場。日本でもカルト的な知名度を誇る人気ブランドがどのように創立されたのか、新しいカルチャーの創出に必要不可欠なものとは?

Nana : こんにちは。まずは、ブランド紹介をお願いします。 WKNDRSという単語が独創的だなという印象を受けているのですが。

イム :  WKNDRSは WEEKENDERSを意味し、複雑な都会で自分だけの楽しい日常を追求する人々のために立ち上げられたブランドです。WKNDRSは、週末を楽しむ少年の姿を毎シーズン、多彩なストーリーテリングを通じてコレクションの展開に落とし込んでいます。

最初はアメリカンベースボールヒストリーを基に始めて、今ではヴィンテージアスレチックデザインにウィット感のあるカジュアルな姿を融合するようになりました。WKNDRSらしいカジュアルだけど高品質で、奥底に細かなディティールを隠し持つ、そんなブランドを作っています。

Nana : ファウンダーの方のお名前やご経歴を教えてください!

イム:ファウンダーの名前は、イム・ビョングァンです。大学時代は建築工学を専攻していて、ファッションが好きだったことからセレクトショップ でインターンとして経験を積んだ後、セレクトショップ のバイヤーとして4年勤務し、大手のファッションブランドに入社し、企画MDとして働いていました。ラグジュアリーブランドからドメスティックブランドまで様々な分野で経験を積み、その後ブランドを立ち上げました。

Nana : WKNDRSは日本でも多くの支持を受けていますが、日本で有名になったきっかけ等はありますか?

イム:私たちと長く一緒に活動しているモデルの Nico(@nicotheduffer)の影響が大きいと思います。もう3年もともに活動をしていて、毎シーズントレンドによってモデルを変えて起用する形ではなく、自分自身のライフスタイルを持っていて私たちのブランドをマッチした各国の個性溢れるモデルとブランドを作り上げることが私たちWKNDRSの長所であり強みだと思っています。

 

Nana : なるほど。またWKNDRSはアメリカの西海岸をイメージしたアイテム展開が多いようですが、ブランドスタイルはどのようなコンセプトで築かれていますか?

イム:そうですね。アメリカの中でも特にカリフォルニアの余裕があって明るいライフスタイルが個人的に好きで、コンセプトに落とし込んでいます。最近あるブランドは何だか堅くシークレットな部分が多いように感じていて、私たちWKNDRSは、もっと元気でウィット感のあるブランドを表現できるように努めています。

Nana : 人気ファッションブランドとして韓国やアジアで成功を収めた要因や秘訣はなんだと思いますか?

イム:徹底的なブランディングですね。好き嫌いが分かれるかも知れませんが、私たちWKNDRSがやりたいこととWKNDRSだけが出せる色感を保つことを忘れず、売り上げやトレンドにこだわらないようにしています。またクォリティも最優先に考えていて、全ての生地を自ら作り使用することで実際に着用したときにラクさを感じてもらえるような商品を展開していくことに心がけています。

Nana : 韓国カルチャーについてお伺いします。ビョングァン氏がよく訪れる場所やお勧めな場所はどこでしょうか?

イム:私はかなりグルメなので、よく美味しいご飯を食べにいきますね!ソウル中の美味しいと有名なお店に足を運ぶことが好きなのですが、最近では通義洞国賓館という韓国牛を取り扱う焼肉店で食べたお肉が一番おいしかったです!

普段は食べること以外にもスポーツや旅行が趣味の一つとしてあります。特に野球や水上スポーツが好きで、ブランド名であるWKNDRSのように毎週、スポーツを楽しみアウトドアな生活を送っています。また、韓国にはソウル以外にも素敵な場所が多く存在し、第二の都市・釜山など様々な都市へ訪れては街の人々の服装やトレンドを見ることも好きですし、人が多くないリゾート地江陵や南海へ旅行に行くことでヒーリングすることもあります。 

Nana : これからのビジョンとして世界進出などの計画はありますか?

イム:もちろんあります。ブランディングがしっかりとした海外ブランドやアーティストととのコラボをしたこともあり、これからの新たなブランドとのコラボを計画しているところです。海外の需要増加に伴って2018年3月からグローバルサイトを設立して、会員数を右肩上がりで増加していることで韓国のオンラインストアと同じ水準まで上がってきました。インスタグラムや公式サイトも全て英文で運用し、グローバル進出のための準備を常に行っています。オフライン店舗の計画中ですが、COVID-19の影響が心配ではあります。1日も早く世界中のみなさんが健康に過ごせる日々が来ることを願ってますね。