【連載:アジアンストリート】Q DESIGN AND PLAY 創立者Praphat Somboonsittiがタイカルチャーの振興を説く「自分たちのスタイルを貫く感覚が、今の世代は強い」

ジア各国のファッションディレクターに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る連載企画。感度の高いデザイナー達が集うローカルカルチャーから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。
今回は、タイ発ファッションブランド「Q DESIGN AND PLAY」から、ファウンダー・デザイナーのPraphat Somboonsittiが登場。数々のファッションウィークにも登場し、多角的な目でタイのファッションシーンを見つめる彼が唱える、新しいカルチャーの創出に必要不可欠なものとは?

Nana : はじめまして!バンコクは今どうですか?

Praphat Somboonsitti(以下 PS):デモのオンパレードですね、毎日デモ隊が動いています。

Nana:タイのデザイナーの皆さんがインスタでデモ活動について投稿をしていたので、本当に大きい活動になっているのだなと思っていました。

PS:40年前にも同じような事があったのですが、10年に1回くらいデモはずっと起き続けていましたね。特に今は10〜20代がデモにSNSと共に参加するのが、これだけ大きいイベントを起こした起因となっていると思います。

Nana:なるほど。それでは早速インタビューをさせていただきたいと思います!個人的にずっとQ DESIGN AND PLAYの事はチェックしていたのですが、是非一度ブランドの説明をしていただければ嬉しいです。

PS:Q DESIGN AND PLAYは私がクリエイティブディレクターを担当しているブランドで、 2010年に立ち上げました。以前はクリエイティブエージェンシーで働いていたのですが、他のオーデイエンスとコミュニケーションしやすいと思いファッション業界を選びました。

Nana:なるほど、大学などでファッションを学ばれていたのですか?

PS:ファッションは一切勉強していなくて、グラフィックデザインを勉強していました。ただグラフィックという面で、クリエイティブアイデアや広告アイデアなどを見るのが好きだったので、自然と勉強できていたかなと思います。

Nana:ちなみにバンコクはかなりアジアのホットスポットになりつつあると思いますが、常に行かれる場所とかはあったりしますか?

PS:ジャランゴンストリートですね。タイでカルチャーを作り出すストリートとして知名度をあげています。

Nana:サイアム地区の近くにあるのでしょうか?

PS : サイアムからは遠くて、むしろチャオパルヤ川の近くで、オリエンタルホテルなどが密集しているところですね。カフェやレストランもかなり先進的なものが揃っています。でもこれだけ盛り上がり始めたのは2-3年前頃からですね。ギャラリーやセレクトショップもこのストリートが一番ホットです。

Nana:タイのストリートファッションについて、どうお考えですか?

PS : 私はもう36才なので今のトレンドを伝えられないかもしれないですが(笑)若い世代で有名なクリエイティブ集団があって、@IWANNABANGKOK というインスタアカウントを持っています(https://www.instagram.com/iwannabangkok/) LGBTQやファッション、様々なカルチャーをまとめている集団ですね。彼らは自分たちが正しいと思う事を好きにやることができるので、そこは私たちの時代とは全然違うと思います。

Nana:リスクを負っているという感じがないんですよね!

PS:そう思います。自分たちのスタイルを貫いていくという感覚が今の世代は強いなと思いますね。

Nana:IWANNABANGKOKというアカウント名もかなり独特ですしね、ちなみに、どうして「Q DESIGN AND PLAY」というブランド名にされたんですか?

PS:元々「Q」だけだったんです。意味はとくになく、自分が「Q」というアルファベットが好きだったので。ただロゴにしたりする時の事を考えて、Q DESIGN AND PLAY。これも特に意味はないですよ。ただ視覚的にかっこいいな(笑)と思って。

Nana:なるほど!Q DEISGN AND PLAYはサイアムセンターにも店舗があってバンコク市内ではすでにブランドが浸透されている印象です。

PS:そうですね。コロナだと店舗はとても厳しいですが。

Nana:頻繁にファッションショーにも出られているとか?

PS:そうですね。パリ、NY、バンコク、ほとんどのショーに出た経験があります。

Nana:この状況だと観客有りだと開催が難しいですもんね。

PS:実は明日ファッションショーがあるんですよ!

Nana:そうなんですか!是非ファッションショーも見てみたいです!ちなみにデザイナーのみなさんに、仕事中に聴く好きな音楽を聞いているのですが、何か好きな音楽はありますか?

PS:JPOPがすごく好きなんです!中島美嘉さんとか!東京にもかなりの頻度行っていますよ!

Nana:東京でもQ DESIGN AND PLAY を取り扱っている店舗はあるのでしょうか?

PS:今は大阪にあります!

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“STRONGER THAN YESTERDAY” FALL/WINTER 2020. See @anotherboytj at @qdesignandplay SIAM CENTER this Friday 30 October! #qdapfw20

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Nana:こちらで最後の質問になるのですが、今Q DESIGN AND PLAYのインスタでモデルさんが何名も連ねてコメントを残す動画がバズっているようですが、これは何のコメントをされているのでしょうか?

PS:これはショーに出るモデルさんなんですよ。みんながファッションショーの意気込みを語っています。あまりモデルが直接コメントを出すことがないので、YouTubeでもかなり見られる動画になりました。

Nana:動画編集もモデル選定も全て担当されているのですか?

PS:そうですね!全部自分でやっています。他の人がやっているのを待つ時間がとても嫌いで(笑)。

Nana:なるほど…少しわかる気がします(笑)。ブティックのインテリアや外装もご自身で?

PS:そうですね。プロの力は借りましたが、基本的には自分で担当しています。自分が全て対応できれば、自分が思うスピードで動くことができるので。結局ブランドを持続させるためにはスピードが全てだと思っています。