アジア各国のファッションディレクターに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る連載企画。

感度の高いデザイナー達が集うローカルカルチャーから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。

今回は、韓国・ソウル発のモードカジュアルブランドとして名高い「CHIN DOWN」のファウンダーにインタビューを慣行。多くのKPOPアーティストを魅了し、日本からの注文も絶えない人気ブランドに聞くブランド創設ストーリー。

Nana : こんにちは。まずは、ブランド紹介をお願いします。 CHIN DOWNというユニークなブランド名の由来もぜひお伺いさせてください。

ジュノ: CHIN DOWNを始める前、私は海外でモデルの仕事を行っていました。実はある日、エージェンシーの連絡を受けてキャスティング現場に行ったのですが、そこには100~200人以上のモデルが一同に集まっていて、個人個人がデザイナーに猛アピールをしていたんです。私も負け時と順番をまち、デザイナーに格好よく見えるように「あごを上げて」自身をアピールしました。

そしてその後の写真撮影の際にも同様に必死にあごを上げて自信を表すポージングをしたのですが、その時カメラマンが一言「顎を下ろしな。」(Put Your Chin Down)と言ったのです。私はその言葉を聞いて恥ずかしくなってしまいました。あごをあげるのは自分なりに自信を表現しようと思ってやった事だったのに、「うぬぼれるな」というように言われたと感じたからです。 そこからこの単語がとても印象に残って、共同で立ち上げたチャンにこの話をしたら、とても面白いストーリーだと。それでブランド名を「CHIN DOWN」にしたのです。

 

Nana : 素敵なブランド名ですね!PUT YOUR CHIN DOWNは確かに海外ではよく聞く表現ですね。またCHIN DOWNはファウンダーが数名いるようですが、ご経歴などお伺いしても良いでしょうか?

ジュノ:CHIN DOWNは3名のデザイナーで運営をしています。Chan Kim(チャンキム)、 Juno Song(ジュノソング)、 Junsu Shin(ジュンス、シン)です。Chanは「Chance Chance」のブランド運営も行っていて数多くのコレクションを展開しています。私は以前はモデルとして活動し、スタイリストやアーティストのリリックを担当したりもしています。ジュンスは「SEEN」というブランドの運営も行っています。

Nana : CHINDOWNはボーイッシュさとカジュアルなアイテムを展開するイメージがありますが、デザインのインスパイアはどのようなところから受けているのでしょう?

ジュノ:CHIN DOWNというブランド名が日常から生まれたように、常に私たちの日常の中の会話出会ったり人の本質的な姿を残したコレクションを展開することを心がけています。私たちは常にカジュアル且つ、その中にディテールや新しいパターンを生み出すようにしています。そのディティールをお客様が喜んでくれたらいいなと感じています。なので回答をすると、日常の人々の様子や本質的な姿からインスパイアを受けていますね。

 

Nana : なるほど。また、CHIN DOWNのアイテムは多くの韓国人アーティストにも愛されていますが、どのようにして CHIN DOWNのアイテムがアーティストに知られるようになったのでしょうか?

ジュノ:もちろん最初は私たちの周りで関係している友達が手伝ってくれましたが、私たちの服が格好よくなかったら絶対にアーティストたちに持続的に愛されることは難しかったと思うので、多分そのような友達が自分たちの周りにいつもいるからこそ、常に恥ずかしくないし格好よくてセンスのある服をきて堂々と見せようと努力している結果でブランド力がついてきたのではないかと思っています!

Nana : また、海外のお客様も多いようですが、グローバル展開はお考えですか?

ジュノ:そうですね。グローバル展開は目標なので着々と準備を進めていますよ。

Nana : なるほど!合わせて、ジュノさんが今お勧めしたい韓国でホットなカルチャー(音楽、食べ物、場所、カフェなど何でもいいです)を教えて下さい!

ジュノ:韓国のホットなカルチャーは非常に多様で、また移り変わりのスピードも速いです。なので私自身も興味深く追っています。 インディーズアーティストたちも非常に面白くて、これまでにない新しい音楽も続々と出てきて音楽シーンが盛り上がっていますし、近頃は飲食やカフェを外で楽しめなくなっていますが、creativeなカフェというのは続々と出てきている印象を受けますね。

Nana : 60magazineの購読者の方々は主に日本の方が多いですが、日本展開も考えていらっしゃいますか?

ジュノ:日本は私たち3人が一番好きな旅行場所だったので、日本展開は必ず行いたいと思っていますよ。

Nana ; 最後に韓国のファッションシーンについての意見を聞かせてください!

ジュノ:韓国のファッションシーンもバリエーションに富んでいて、とにかく移り変わりが早いです。最近は個人レベルでも非常に精度の高いデザイナーが韓国には増えてきている印象です。インディーズなど新しい領域のアーティストやファッションデザイナーが今後続々と出てくると思うので、期待していてください。

 


 

CHIN DOWN

韓国発祥のモードカジュアルウェアブランド。韓国有名アーティストがこぞって着用し、日本では転売が行われるほど知名度を高めている人気ブランド。