アジア各国のファッションディレクターに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る連載企画。

感度の高いデザイナー達が集うローカルカルチャーから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。

今回は、LVMH PRIZEのセミファイナリストにも選ばれた経験のあるファッションアイコン Kathleenが立ち上げるブランド「KYE」。多くのKPOPアーティストを魅了し、日本やその他アジア全域にファンをもつ人気ブランドの成長ストーリーに迫る。

Nana : こんにちは。まずは、ブランド紹介をお願いします!

Kathleen : ブランド名は「KYE」(カイ)と行って、KYEはユニセックス且つハイエンドなストリートウェアテイストとユースカルチャーを融合したプロダクトを展開しています。今ではKYEは若いブランドの中でも他のブランドをリードする立場として、韓国における若いデザイナーへ影響を与えるブランドとしても成長を遂げていると感じています。KYEのタレント性自体は、ロンドンファッションウィークで認識され始めたのではないかなと感じています。2014年にKYEはLVMH Prizeのセミファイナルまで登りあげました。同年私はSFDF賞を受賞し、Forbesの30UNDER30にも選ばれました。

Nana : 卓越した経歴ですね。コラボレーションなども多く行っているのでしょうか?

Kathleen : KYEはファッションブランドだけでなくコスメだったり飲食系のブランドとのコラボも行っています。例えばShu Uemuraや、I.T、D-mop、Galleria, CJ petizel, Beaker, W hotel など…. NIKE KOREAやGENTLE MONSTERなどともコラボレーションを行いました。他にもKPOPアーティストで有名な2NE1やシャイニーなどもKYEのアイテムを着用していることで有名です。サブラインで「EYEYE」というブランドも長い準備期間を経て2016年に立ち上げました。

Nana : キャサリンさんご自身はファッションビジネスのバッグラウンドをお持ちなのでしょうか?

Kathleen : 私はサン・マテオ大学を卒業した後すぐにKYEを設立しました。ファッションブランドでのインターンの経験などはあったのですが、そこまでビジネスキャリアが豊富だったわけではないですね。大学の卒業コレクションが注目されて高評価もいただいた経緯があり、ブランドを立ち上げたタイミングですぐにビジネスを展開することができました。

Nana : KYEもEYEYEもアジア全域でかなり知名度が高いように感じますが、世界のマーケットで2ブランド共に成功をしている秘訣はなんだと思いますか?

Kathleen : 韓国のカルチャーが世界的に知名度をあげたことはもちろん要因の一つではありますね。特別に韓国で立ち上げたというナショナリズムを謳った訳ではないですが、韓国のアイデンティティというのはデザインにもコレクションスタイルにも入れ込んだことがきっかけにはなっていると思っています。

Nana : Kathleenさんのインスタグラム等も拝見したのですが、韓国のファッショニスタ的な立ち位置に立たれているかと思います。アジアの女性に向けたファッションアドバイスなどはありますか?

Kathleen : 自分自身のスタイルを見つけ出して、トレンドに固執しないことですね。自分の体とスタイルを知るということが一番です。

Nana : KYEは日本にも数多くのファンをもたれていますが、KYEが日本のマーケットでも有名になった原因はありますか?

Kathleen : KYEは渋谷にあるCANDYという店舗で初めて販売を開始しました。KYEは元々ユニセックススタイルを展開していて、日本のファンの方々は新しいブランドに関して興味関心を抱いてくれていたと思います。今はサブラインのEYEYEが日本のオーディエンスにすごく求められていて、より日本女性が好むようなフェミニンなスタイルのアイテムを展開するようになったからではないかなと感じています。

Nana : なるほど。日本の市場に向けてもそうですが、韓国のファッション市場は今後どのように成長すると思いますか?

Kathleen : 今は残念な事にコロナの影響で世界的にホールセールビジネスに影響が出てしまっています。ですが韓国のファッションやカルチャーへの興味関心が強まっている事で、A-LANDなど日本や世界にブランチを持っている所での展開によってKYEもEYEYEもより広範囲に需要を高めていきたいと思っています