アジア各国のファッションディレクターに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る連載企画。感度の高いデザイナー達が集うローカルカルチャーから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。

今回はKPOPアーティストと数多くのコラボを展開し、日本にも多くのファンをもつカジュアルブランド「SLOWACID (スローアシッド)」の人気の秘密に迫る。

Nana : こんにちは。まずは、ブランド紹介をお願いします!

イ・ハンソル : ブランド名はSLOW ACID(スローアシッド)といって、コンテンポラリーカジュアルブランドとしてソウルで誕生しました。ユニークなカラー展開をメインに、カジュアルなラインへ落とし込んでいます。人の肌に最も合うと言われている「Best balance PH5.5」をスローガンにした衣類が中心で、着心地から見栄えまで全てに気を遣う事をメインに展開しています。

Nana : ブランド名の由来は何なのでしょうか?
イ・ハンソル:ブランドの準備期間がかなり長く、その間常に肌に最も適した酸度を考えていたのです。早く作れば良い服が作れるわけではなく、ゆっくり一つ一つのアイテムに重きをおこうという意味で「SLOW ACID」という名前にしました。

Nana : 素敵なブランド名ですね!ハンソルさんのご経歴は?

イ・ハンソル:私はデザイナーとしてSLOW ACIDを展開していますが、ファッションデザイン分野ではなく空間デザインを専攻していました。ただ自分なりのデザイン美学があって、それは空間・視覚・アイテム・ファッション全て多様なデザイン性がお互いにインスピレーションを与え合っていて、それを如何に吸収して自然なデザインを展開することができるのか。自分がデザインをするときにそこをとても意識しています。

また、もう一名 イ・ハンチョルの方は、学生時代から服作りが好きだったこともあり大学に進学してファッションデザインを専攻。ブランドの運営から製品生産などを一通り自力で学び、そのノウハウを生かして私と一緒にブランドをローンチしました。空間デザイン✖️ファッションデザインの両立が二人で力を支え合うことでなし得ていると思います!

Nana : なるほど。お二人で別分野のご出身だからこそ支えるポイントがあるということですね。ちなみにお二人がデザインをする上でインスピレーションを受ける場所などはありますか?

イ・ハンソル:これまでは新しい経験を得るためにも海外に数多く飛んでいましたが、今はコロナの影響で逆に国内をよく周るようにしています。韓国は街中の多くにインスピレーションの源泉があって、特にホンデ(弘大)は、今韓国で一番お洒落な若者が集まる場所で、彼らとの交流だけでもファッションニーズが掴めますし、トレンドもそこから予測することができます!

Nana : また、SLOWACIDの商品はポップなビジュアルがかなり印象的だと思うのですが、すでに日本でもたくさんのファンがいる理由は何だと思いますか?

イ・ハンソル:そうですね。また実は日本のブランド認知度は低いかなと個人的に思っているのですが、というのも実は日本へ流通拡大をしようとしていた矢先に、コロナで計画が保留になってしまって。コロナが落ち着いたら、日本市場に向けてPRを拡大させていこうと思っています!

Nana : SLOWACIDの商品は多くのKPOPアーティストも着用されていますが、着用するようになったきっかけはありますか?

イ・ハンソル:私たちはスポンサリングはほとんど行っていないですね。基本的にアーティストの方々やスタイリストさんが直接購入されています。最近はアーティストの普段着やレッスン着にも注目を集めていることもあって、楽で且つかっこいいスタイルを選ぶという意味でSLOWACIDの商品を購入してくれているのかなと思っています。KPOPアーティストグループとのコラボレーションも企画していて、そのようなコラボも起因してアーティストが着用するきっかけになっていると思います。

Nana : 海外展開に関しても、お考えではいらっしゃいますか?

もちろんですよ!常に海外展開は考えていますし、早くコロナが収束して取り急ぎ日本に向けて多くPRやコラボなど機会を増やしていきたいと考えています。

Nana : ありがとうございました!