勝手にBEST TASTE ASIA #1はこちら

東京都内のアジア料理を編集部が独断と偏見でオススメする「BEST TASTE ASIA」。続くコロナ禍に、現地の味にエンカウントすることもできない今、身の回りのリトルアジアを見つけたい。

今回紹介したいアジア料理の名店は、古本の街・神保町にある「新世界菜館」。こちら神保町では格式高い老舗上海料理屋で、お店の佇まいも堂々たるもの。そんなラスボス的存在感に怖気ず是非とも食べて欲しい一品は、挽肉で溢れたツルッツルのジャージャー麺。まるで高級店の風貌にも関わらず、価格は1,000円という手頃さ。1.5人前以上あるボリューミーさでコスパが良すぎる。

そもそも新世界菜館は上海蟹が有名なお店らしい。私はそこに10回以上は訪れているが、オススメのそれは未だ食べた事がない。入店しメニューを見ることもなく、毎回ジャージャー麺を頼む。マクドナルドのリピーターが多い理由は、それぞれの推しバーガーがあるからだと睨んでいるが(ダブルチーズバーガーが好き)、新世界菜館のジャージャー麺も右に同じく、個人的偏愛に生かされたリピート率なのである。勿論、エビチリや五目ラーメン、カレーライス、小籠包(これがまた美味い!)も絶品。量が多いから、何人かとシェアをして、色んな味を楽しむ。それが中華(上海)料理の本来の楽しみ方なのかもしれない。

一見ハイソな雰囲気の店内も、常連になればこちらのもの。神保町へ寄った時は「良い店知ってるんだ」と得意げに友人を連れて行きたい。そういうハイソさと親やすさのバランスを兼ね備えた新世界菜館は、大きい顔をして、小さい軍資金と共に美食を楽しめる、HLLSPD(アンミカ夫婦が毎晩唱える至高の言葉“Happy、Lucky、Love、Smile、Peace、Dream”の略)なリトルアジアなのだ。

昨今は街中華などが注目され、お一人様でも楽しめる中華セットが浸透しつつある。単独行動派の私にとって、非常にありがたく、優しい話なのだが。たまには瓶ビールや溢れんばかりの大皿料理を誰かとシェアしたい(これは1人王将で天津飯を食す時に毎回思う)。中華の醍醐味を味わいたい時、「新世界菜館」に行くと良い。全人類が満足するジャージャー麺と共に、少しの彩りを誰かとシェアして。

【新世界菜館】

住所:東京都千代田区神田神保町2−2 新世界ビル
営業時間:
月~土→11:00~23:00
日→11:00~21:00
HP:http://www.sinsekai.com/