【ASIAN FACE】夜の本気ダンス 米田貴紀インタビュー「物事の表層だけを見ずにその裏には何があるか 考える」1 min read

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“夜”も昼も聴く者全てを”本気”で”ダンス”させるロックバンド夜の本気ダンス。その意思はコロナ禍においても変わらず、新たなクリエイティブと共に継承されている。今回はストライプシャツにネクタイ、ダンス、ヴォーカル特徴的なオリジナルが凝縮されたフロントマン米田貴紀にインタビューを実施。彼の節々から感じる、バックボーンに新たなそれぞれの趣味趣向を見つけて欲しい。

ーーまず最初に、音楽自体に興味を持ったきっかけを教えてください。

中2の時、ASIAN KUNG-FU GENERATIONをCDショップで見つけたのがきっかけです。名前とジャケに衝撃を受け、それから主体的に音楽を掘り始めましたね。

ーー夜の本気ダンスさんの中でも“初期衝動”と言う言葉が印象的なのですが、リアルに体感されてきた米田さんの初期衝動は、それこそ90年代が根本だったのでしょうか?

そうですね。その中でも初めて聴いたアジカンが初期衝動として、その熱量や楽器の迫力が残っています。ロックにおいて、今も大切にしている初期衝動はそこが根源ですね。

ーーちなみに、当時はどのような音楽の聴き方を?

とにかく好きなアーティストのルーツを掘っていました。アジカンがラジオでかける音楽や、ロッキンオンの「90年代のロックバンド特集100」を片っ端から聴いたり。とにかく地味にコツコツと、調べては聴くの繰り返しですね。

ーーアナログやCDを通してフィジカルで蓄えられていたと。その経験もEP「PHYSICAL」に通ずるものがありますよね。

そうですね。音楽性も含めた自身の経験や当時の嗜み方なども含め、“フィジカル”が1つのテーマになってくるのかなと思います。

ーー現代に90年代カルチャーがリバイバルされる中で、米田さんから見た90年代の魅力を教えて下さい。

90年代は、前半と後半でイメージが違うんです。半ばに阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起き、そのまま世紀末に雪崩れ込んでいく。その感覚が僕の中にはあって。だから、後半は結構しんどくて、逆に前半は朗らかで明るい印象なんですよね。自分自身が1990年生まれで、当時の流行曲も「おどるポンポコリン」や「愛は勝つ」など、優しい曲が多かったのかな。

ーー『SMILE SMILE』にコメントされていた“90年代初頭の世の中の穏やかな空気感”の意味がイメージ出来る様な気がします。米田さんが思う、90年代初頭の魅力とは?

バブルが弾けた後の余韻で、良い時のアゲアゲなテンションが残りつつ、穏やか…って感じですね。80年代のバブルの雰囲気だと、やり過ぎって感じでしんどくなるのかな。90年代初頭はちょうど良い具合のテンション感なんだと思います。

ーー米田さんのファッションといえば、ストライプシャツにネクタイという印象が強いのですが、そのスタイルを確立されたきったけが何かあったのでしょうか?

このスタイルが確立される前は、Tシャツにスキニーっていうラフな服装でライブしてました。でも、ある日を境に今のスタイルに変わったんですよ。2000年代前半のFranz Ferdinand(フランツ・フェルディナンド)っていうバンドのスタイルにずっと憧れていて、フォーマルな感じで演奏してみたいよねって当時メンバーと話していて。それで、僕はストライプで、他のメンバーもシャツを着てやることになったんです。

ーーそれが定番化されたんですね。

アマチュアの時代から5年以上はそのスタイルですね。それも徐々にブラッシュアップしてます。最初に来たシャツはダッボダボのサイズ全然合ってないようなのを着てましたけど。体にフィットするものを探すようになって、今はオーダーメイドで作って頂いたりもしています。

ーー絶対に譲れない、米田さんの“こだわり”はありますか?

何においてもルーツを探ります。物事の表層だけを見ずにその裏には何があるか考える。作品であれば、作者は何を思ってそれを作ったんだろうとか。

ーーそれは歌詞やメロディーのインプットにも繋がっているのでしょうか?

そうですね。表層だけで色んなアーティストさんの曲をインプット・アウトプットすると、薄っぺらいものしか作れないのかなと。その奥まで考えられると、よりオリジナリティのある作品ができると思います。もっと細かく刻んで吸収して、色んなものが混ざり合って新しいものになる。そういうアウトプットがしたいので、ルーツを探るということを心がけてます。

ーー歌詞でも情景を連想させる固有名詞や言い回しが印象的でして、例えば「表情が合っていないフランス人形」「幽霊はモンキーダンス」とか。その系譜で、米田さんは岡村靖幸さんが好きだとお伺いして、岡村ちゃんの違和感のあるリズム感を踏まえつつもPOPSのキャッチーさがある。米田さんが噛み砕いたルーツが少しずつ表現されているのかなと。

岡村靖幸さんの曲って、メロディーを聴くことで歌詞が理解できると思うんです。それは自分のやりたいことに近くて。受け手が考えて想像して、それが作者の思いと違うとしても、その行為がすごく素敵だと思ってて。
それは曲でも一緒ですよね。歌詞カードを読むのではなく、曲を聴いてフッと何かを感じたり、色々な想像を膨らませてもらえたら素敵だなと思います。

ーー米田さんの言葉や歌詞の端々はどこからきているのでしょうか?

全然本も読まないんですよね。映画と音楽、テレビゲームとかかな。そこで感じたことに対して、自分の中で言葉を探して、一番近いものを当てはめています。

ーー妄想というか、想像が必要不可欠なんですね。

昔からそういう歌詞が多いかな。自分の頭の中だけで巻き起こる話というか、登場人物が出てくるのは僕の歌詞にはあまり無いですね。

ーー今回「PHYSICAL」でもメンバーの皆さんが「妄想ワールド、すべての曲に米田がいない」と仰っていましたが、それを今理解しました。色々なパーツを繋ぎ合わせた上での世界観というか。

そうですね。BUMP OF CHICKENの藤原さんみたいなものも憧れるんですけど…。『車輪の唄』なんてストーリーも曲も完璧じゃないですか。でも、僕には出来ないというのを理解していて、分かった時に岡村靖幸さんのような方法に出会いました。自分の中でざっくりと、この方向性で行こうと思いましたね。

「PHYSICAL」ジャケット

ーー因みに、ここだから言えるメンバーの皆さんに伝えたい事はありますか?

えーっと、なんだろう…。なんかもうちょっと音楽の話で盛り上がりたい。

ーー普段、どのようなコミュニケーションを?

普段は、「このお笑い芸人おもろいね」とか…。そういった話が多いです。初期は音楽の話が多かったかな。
やっぱね、どうしても自分たちでアウトプットしすぎて、音楽の話が少なくなったんです。違う話題の方が息抜きになりますしね。でも、もうちょい音楽の話もしても良いかもしれない、「こういう曲よかったよ」くらいの感じで。みんなが何を聴いてるのか、知りたいかな。

ーー因みに、今ハマってることはありますか?

ドキュメンタリー作品を観ることですね。この前はイワトビペンギンのドキュメンタリーを観ました。人に注目したドキュメンタリーも好きです。芸能人じゃない、普通に暮らしてる方の日常とか。そういうのを漁ってます。今は特に動物系が中心ですね。

ーー最後に今後の展望や伝えたいメッセージがありましたらお願いします。

なかなか目標を掲げにくい時代になっていますが、それでも希望を持って夜の本気ダンスを今後もやっていきたいと思います。裏でも、楽しいことを準備してるんで、それまで元気で待っててねって気持ちでずっとやってます。みんなにも、僕たちがそんな思いでやってるよって所を感じて欲しいかな。

実は、夜の本気ダンスのフェスみたいな、デカいイベントをやりたいって話がコロナ前にあって。そういうものを全部諦めるのではなくて、今後何年かかってもいいからどこかで実現できたらいいなと。諦めずにそれはやっていこうかなと思ってますので、楽しみにしていてください。

【夜の本気ダンス】

2008年結成、京都出身、”夜”も昼も聴く者全てを”本気”で”ダンス”させる、米田貴紀(Vo./Gt.)、鈴鹿秋斗(Dr.)、マイケル(Ba.)、西田一紀(Gt.)から成る大注目の4人組ロックバンド。

ロックのピュアな初期衝動と多様なエッセンスが融合し生み出された独自のグルーヴとグッドメロディーが、躍動感溢れる”人力ダンスミュージック”に変貌を遂げ日本全国を席捲している。

2017年4月、テレビアニメ「境界のRINNE」OPテーマ「SHINY」を含む「SHINY E.P.」をリリース。8月には、フジテレビ系木曜劇場「セシルのもくろみ」の主題歌「TAKE MY HAND」をリリースした。そして、メジャー2ndアルバム『INTELLIGENCE』を10月にリリース。

2018年、バンド史上最大規模の全国ワンマン・ツアー「Kotteri!Intelli!One Man Show!」を大成功させる。8月、4thシングル「Magical Feelin’」をリリース。

2019年6月5日、メジャー3作目となるアルバム『Fetish』をリリース。秋からは、21ヵ所にわたる全国ツアー「AUTUMN JACK OF SEA TOUR」を開催、全国満員御礼となる。

年明け2020年には、バンド初となるホール会場でのワンマンライブを東京と大阪で開催。見事ソールドアウトさせ、大成功を収めた。

2021年1月にミニアルバム「PHYSICAL」をリリースし、京都・東京で約1年ぶりとなるワンマンライブを開催した。

みなさん、”踊れる準備はできてますか!?”

米田貴紀(Vo/Gt)

確実にフロアを揺らす特徴的なダンスとヴォーカルが最高にイカしたフロントマン。
Instagram:https://www.instagram.com/chone_yoneda/