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アジア各国のファッションディレクターに、ローカルな人気スポットやその国のストリートファッション、HIP HOPの実情を、SIXTYPERCENTのブランドディレクター Nanaが探る連載企画。

感度の高いデザイナー達が集うローカルカルチャーから、アップカミングなアイコン達を探ってみよう。
今回は、中国出身でパーソンズを卒業後、NYでブランドを立ち上げ、数多くのセレブから愛用される注目のブランド「Private Policy」の共同ファウンダーであるSiying Qu に独占インタビューをした。

Nana : 初めまして!それではPrivate Policyのブランドの紹介をお願いします。

Siying : はい!私たち「プライベートポリシー」を創業したのは、2016年に私とビジネスパートナーの Haoran がパーソンズ大学でファッションデザインを専攻して卒業した直後でした。ブランドを設立する前は、ニューヨークという環境もあったので、様々な企業でインターンをしていました。ニューヨークでファッション業界を学び、生活し、経験し、世界でどのように動いているかを見て、新しいブランドとして世界に何を提供できるかを考えた結果、世の中には非常にクリエイティブな才能を持った人々がたくさんいることに気づきまして。

そこで二人ならではのことができるのではないかと考えました。それで、友人や家族と社会的な話題について常に議論するという、私たちの共通の情熱について考えました。世界各地のニュースを聞くと興味が湧きますし、自分たちにとって重要な話題ですから。

私たちはデザイナーとしての背景があることもあって、どんな話題でもコレクションのインスピレーションにすることができ、そのためのスキルを持っている自負があります。

また、私たちのブランドは基本的にジェンダーレス=服で性別を区別 しません。 区別をしないので、お客さんやお店、あるいは受け手であるみなさんが自由に決めることができるのです。それが、このブランドの起源です。

Nana : なるほど。パーソンズ時代から一緒に活動をしていたような形でしょうか?

Siying : 私たちは同じ環境下にはいたのですが、私はメンズウェア・彼はウィメンズウェアのクラスだったので、同じクラスになることはありませんでした。ただパーソンズは大きなオープンスタジオがあって、学生は自分の時間を使って、縫製やパドルなどの作業をすることができるんです。大部屋にたくさんのテーブルとミシンが置いてありましたね。ここで私は彼と、遅くまで素敵な時間を過ごしました。コレクション発表前でストレスを感じているときは、お互いに冗談を言いあったりして。それが実際にHaoranと一緒にブランドを始めたきっかけになっています。私たちはいつも一緒に過ごしているし、仕事の内容も類似しているので、人に聞かれるのは「喧嘩はしないの?」っていう質問ばかりですが(笑)

Nana : そうですよね!Siyingさんは 基本的にはファッション・デザイメインで、ファイナンスなどのビジネス面も見ているんでしょうか?

Siying : はい!というのも、私たち二人とも家族の影響もあってか、常にビジネスのことは考えていますし、もっと言えば、観客や顧客のニーズを考えたいと思っています。良いビジネスは、誰に対しても良いサービスを提供することであると考えています。まだ学びの段階ではありますが。

Nana : また、お二人は2019年のCFDAでアジア人初のファイナリストに選ばれましたね。アジア初のデザイナーがファッション業界で有名になるためには、非常に有意義なアワードではないでしょうか。

Siying : そうですね。アジア人初かはわからないのですが、中国人且つ移民として初めてファイナリストに選ばれましたね。3年半の間、努力を重ねて、自分たちのビジョンに忠実であり続けた結果、この最も権威あるコンペティションのファイナリストに選ばれたことは、私たちにとって特別なことです。私たちは、アナ・ウィンターをはじめとする10人の審査員と綿密に協力しながら、多くの課題に取り組みました。

他にも、サックス・フィフス・アベニューの責任者であるエヴァ・チャン氏やシンシア・ヴォーグと一緒に仕事ができるなんて信じられないような素晴らしい経験でした!コンペの最終選考にノミネートされたことや、その他多くのことを成し遂げたことなど、特に今年は私たちにとって非常に重要な年でした。私たちだけでなく、アメリカに来た他の多くの留学生に勇気を与えることができた年ではないかと。

Siying : デザイン学生から見れば、アジアからの留学生というのは、特にアメリカでは間違いなく異なるグループだと思いますし、科学や他多くの分野でもそうですが、私が伝えた買ったのは、自分の夢に忠実であれば、海外でも結果を見せることができるということですね。なので、留学生や、外国でキャリアを積もうと考えている留学生に、可能性があること、新しい時代になったことを伝えていきたいと思っています。

Nana : Private Policyのコレクションを拝見しましたが、周りの人と一緒にどうやって達成するかというパンデミックの文言がありますね。最近の人々は、パーティーに行くときに服を着るだけではなく、自分自身で何かを主張しようとしているのではないかと思ったのです。だから、プライベートポリシーは、この新しい時代にふさわしいものだと思いました。

Siying : ありがとうございます。それは私たちのブランドのDNAそのものです。私たちのコレクションのインスピレーションは、これまでとは違ったトップトピックになりますが、それは、ソーシャルメディアや多くの情報のおかげで、多くの人々が非常に若い世代になっているのを見て、特にその頃は、人々が着るものが彼らの心の中で考えていることを反映しているとは思えないのです。

そこで私たちは、そのためのブランドを立ち上げようと考えました。5年後、業界がどれほど変化したかは驚くべきことですが、課題は人々にファッションにはそれができると説得することでした。ファッションは、人々が自分の人生や社会的なトピックについて何を信じているかを表明することができるのです。そして今、ほとんどのブランドが、社会的に何かを支持したり、スローガンTシャツや非営利団体と一緒に活動するなど、独自の方法で非常にポジティブな形で視聴者をサポートしていることに驚きを感じています。このような変化を目の当たりにするのはとても驚きですが、人々はブランドストーリーやブランドの価値観に関心を持っていると思います。

ブランドのためというよりも、お客さんが欲しがらないから商品を売るためのステートメントがないというのは、本当にホットなことだと思うので、このステートメントは、今のファッションシーンにとてもマッチしていたと思います。

Nana : ブランド名として”プライベートポリシー”はどのようにして決めたのでしょうか?この質問は多いと思いますが(笑)

Siying : はい、もちろんです。ブランド名に込められた意味は、「自分のルールを作る」「自分のポリファーマシーを作る」「自分のアイデアを作る」ということです。ブランドのアイデアとは、私たちの服は、デザインコレクション全体を通して本当に賢明なものであり、私たちの服の意味を人々に伝えたいと思っています。そして、人を枠にはめてしまうのではなく、枠を破ってもらいたいのです。また、このブランドは、コラボレーションやチームワーク、つまりコミュニティの一員であることを意味しているので、自分たちの個人的な名前を使うのではなく、ブランドのDNAを象徴するような意味を持たせました。

Nana : キャスティングされているモデルリストも拝見しましたが、日本の有名なYouTuberであるKemioさんを拝見しました。日本のモデルさんも、Kemioさんのように大きな発言をされる方が多いですよね。 もしかしたら、プライベートポリシーでは、自分にもステートメントがあるかどうかでモデルを選ぶのかもしれないと思いました。

Siying : 彼らの多くは、活動や芸術に情熱を注いでいることについて、モデルとして多くのことを語ってくださいます。

Nana : Private PolicyのSNSをチェックしましたが、実際にPrivate Policyをまだ買ったことがない人でもブランドを社会的な理念から知るきっかけになっていますよね。

Nana : また、Siyingさんが考えられている今後の中国のファッション市場に対する期待をお聞かせください。

Siying : 今の中国市場、特にファッション業界は、とてもエキサイティングな時期だと思います。ブランドを立ち上げた当初から感じていましたが、ここ数年、同業者、つまりアジアのデザイナーや中国のデザイナーが大きく成長し、コレクションに磨きをかけているのを見ています。またここ数年、中国のお客様がアジアのデザイナーや若いデザイナーに注目して購入して購入したりしています。これにより若いデザイナーが成長し、自分たちの力を市場に示す絶好の機会となっています。そして、Private Policyでいうと、中国ブランドとのコラボレーションをさらに進めていきたいと考えています。中国のファンともよりコミュニケーションをとるために、地元でのイベントをもっと活性化させたいと思っていますね。

Nana : 中国にはすでに支店があるのでしょうか、それとも実店舗を作る予定があるのでしょうか?

Siying : 上海にオフィスがあります。3年半前のことです。来月にはカプセルコレクションも発表予定です。

Nana : すごいですね。日本のブランドの多くは、中国でのEコマースは非常に難しいと言う言葉を聞きます。

Siying : そうですね。それは確かに難しいことですが、やはりより多くのお客様に簡単にお届けできる大きなチャンスでもあります。ソーシャルメディア経由ですと、中国人からしたらどこで購入したらいいかわからないという声が多いので、中国市場向けのEコマースは展開していきます。

Nana : なるほど。COVID-19の前で、ビジネスにおける期待や考えていることはありますか?

Siying : NYにおいてはパンデミックの悪影響はすでに過ぎ去ったと思っています。そして、買い物に対する勢いは、かなり回復しているように思います。そして、大きな変化やチャンスは、みんなが話しているように、検疫のために海外旅行が少なくなっていることだと思います。中国の現地企業にブランドを紹介するには、今は非常に良い時期だと思います。今は中国人が海外へ旅行に行けないので中国で消費をしますからね。

Nana : そうですよね!私は実は2年前にSIXTYPERCENTとしてInnersectに参加したのですが、2日間で6万人くらいの人が来ていて本当に驚きました。

Siying : そうなんですね。ファッション業界に対する人々の熱気はクレイジーです。これだけ情熱を持つことから全てが始まると思いますから。

Nana :そうですね!また、日本は今消費傾向が低下していることもあり、世界的にも熱気の高いイベントがあまり行われていないのが現状だと思っていたので、とても驚きました。最後に、あなたのような成功したデザイナーになりたいと思っているリスナーに、何かアドバイスはありますか?

Siying : 私たちはまだ道半ばですが、このようなキャリアやブランド、そしてコミュニティに支えられていることにとても感謝しています。

私が個人的にいつも伝えているアドバイスは、これからブランドを立ち上げようと考えている人や、ファッションデザイナーとしてのキャリアを始めようと考えている人には、学校や仕事を通して、問題を解決したり、人々の生活をより良くしたり、新鮮でエキサイティングなものを提供したりするためのデザインの見直しをすることが大切だということです。

だから私は、お金の心配やいつまで続くかの心配を始める前に、まず個人的に、何が楽しくて、何に情熱を持っているのかに集中することが大切だと思います。また、私たちは”ファイン・アーティスト”とは少し違います。というのも、私たちがデザインしているのは、販売するため、あるいは顧客の目的を果たすための商品だからです。だから、2つ目としては、あなたが「誰のために」デザインするのか、あなたのデザインは彼らのためになるのかを考えることが大切だと思います。あとは、自分自身に忠実であることと、お客様や視聴者に近くあることですね。

これは本当に重要で、ブランドやビジネスを成功させるためだけではなく、それ以上に重要なことだと思います。自分のやっていることが本当にコミュニティにとって意味のあるものであるという情熱があるからこそ、サポートが得られ、ビジネスの世界では非常に困難な状況を乗り越えることができるのだと思います。