「MUST GO VINTAGE & USED SHOPS」

カルチャーのアンテナとして根強く残る古着のショップ。多くのブランドやセレクトショップ、百貨店などが店舗を構える中、今も幅広い層から人気を得ている。アイテム毎のストーリーを感じ、ブランドショップや百貨店では感じることのできない魅力がそこにはある。「MUST GO VINTAGE & USED SHOPS」では、定番から隠れた名店、また東京だけではないローカルのショップなどメンズからレディースまで、FUKROO編集部が厳選した古着屋を紹介する企画。是非この企画を古着屋巡りや買い物の参考にしていただきたい。

IN 千葉県柏市-vol1-

千葉県柏市は実は都内から足繁く通う人も多い古着屋の密集スポット。
一言に『古着』といっても買い付け国や、お店のセレクト、魅力は様々。

今回は柏駅周辺で強烈な吸引力のあるショップの方々からお話を聞かせていただきました。第1回目は2001年にスタートし16年目となるvintage&used shop『c’mon』。

柏駅から5分ほど歩き、階段下の白い看板に黒いロゴ看板が印象的なショップ。2階へ上ると店内には所狭しにアイテムが並びレアなビンテージやデザイン性の高い古着を取り揃え、たまらず長居してしまうショップ。オーナーの宮さんにお話を伺いました。

c‘mon (コモン) vintage & used 千葉県柏市柏3-7-17 トーカン柏キャステール204 shop hour 12:00~20:00 tel:04-7166-5433

◆20代でスタート、“Come on”と“Common sense”


きっかけは好きだったからですね。正直後のことはあまり考えてなかったかな。学生の時からアメリカに居て、その時から古着が大好きだったんです。現地で古着を買っていたので20代でショップを始めました。ショップの名前は句読点の付いているもので、響きの良いものが良いと思い、”Come on”と“Common sense”をくっつけて『c’mon』にしました。

◆出会う面白さ、“ワクワク”する空間を作りたい


古着の良い所は人と被らない『一点物』という価値や質感が良い所だと思います。例えばコットンとか、古いものは良いですね。それから、一般的な既製服と違ってお店に行けば必ず目当ての商品があるというわけではなく、出会いで購入できる所ですかね。ですから当店では敢えて商品をいっぱい置いて何かを見つけるような”ワクワク”を作りたいと思い、こういう店内にしています。
僕自身もたくさんの中から探すのが好きですから。もちろんお客様と一緒に探したりもします。こういうのが良いと言われて任せられる時も結構あります。

(まだ見ぬ逸品を探し、店内に詰まる古着との一期一会を楽しむことができる空間は時代やトレンドを超えた魅力がある。)

◆ビンテージとファッション性、吟味した商品達


買い付ける商品は質が良いもの、デザインが良いもの、普遍的に使えるもの、あとはトレンドのものとか。色々買ってます。見たものの中で良いなと気にかかったもの、高いものだけじゃなくて、手に届く価格のものも。ファッション感度が高い人にも気に入ってもらえるような商品とか。だからかなり吟味しています。ビンテージも買いますが古くてもあまり気に入らなかったら買わないんです。古いものはいっぱいありますが、ファッション性が高くて人と被らないものが好きなのでそういうものを選びます。でも周りからはビンテージも多いから古いものがいっぱいあるお店だと思われがちです。もちろんビンテージも好きですよ。オールビンテージの人はやっぱりかっこいいと思います。2ヶ月に1回、年に6回くらいのペースで買い付けに行っています。アメリカで買い付けをしていますがあっちでヨーロッパのものとかで良いものがあれば買いますね。

◆決まったものではないセレクト


僕は男だけど、レディースを選ぶのも好きです。女の子の方がファッションの自由度が高くて、だから面白いです。女性は特にデザインの良いもの、若い女の子や大人の女性が着れるようなものまで選びます。古着のブームは僕自身はあまり感じないけど、だからこそ流行りだけじゃなく、セレクトショップにはないような決まったものではない商品をセレクトします。新鮮で目に新しいもの、色んな商品があるので色んな方達に対応できると思います。そういう点からか、性別や年齢に限らず、昔から通って下さる方や初めて来てからまた来店してくれる方、中には毎週わざわざ都内から来て下さる方もいます。

(60年代のウエスタンシャツ、ブラックのアローポケットと絶妙な配色の刺繍。レディースに珍しいジャストサイズ。ガラスケースの中にはアメリカンカジュアルを代表するデニムの数々。)

ビンテージファンだけでなくファッション感度の高い人からも絶大な支持を受けるショップ。優しい雰囲気で居心地のいいショップということもファンになってしまう理由の一つだ。

Yumi Takahashi