ファッション業界を目指す服飾系専門学生の数は年々減少してると言われる一方で、近年クラウドファンディングを活用したコレクションの発表や、若手に特化したファッションアワードなどの若者デザイナーの発掘プロジェクトなど、様々な施策が増えている。

今回FUKROOでは日本のみならず海外でも注目されている20代の若手デザイナー8名ピックアップし紹介していく。

松重健太(まつしげ けんた)

(出典:THE FASHION POST http://fashionpost.jp)

1988年山口県生まれ。ESMOD Japon 大阪校卒。同校2年時に神戸ファッションコンテスト2008にて特選を受賞、その後パリのオートクチュール協会が経営するサンディカ・パリクチュール校へ入学。

GIVENCHYやChristian Diorといったビッグメゾンのクチュールでインターンを経験した後、フリーのデザイナーへと転身。

(出典:Kenta Matsushige2016-17年A/W http://www.fashionsnap.com 江戸時代の浮世絵師や歌川国貞の作品から着想を得た今季シーズンのテーマは「おあつらへ」。)

2014年に若手デザイナーの登竜門である“イエール国際モード&写真フェスティバル”でグランプリを受賞し、CHANEL傘下にて自身のブランド「Kenta Matsushige」をスタートする。パリを拠点に活動している。

藤澤ゆき(ふじさわ ゆき)

(出典: YUKI FUJISAWA http://yuki-fujisawa.com)

1989年東京生まれ。多摩美術大学 生産デザイン学科テキスタイル専攻卒業。

在学中の2012年には、イギリスのセント・マーチンズのニット科のサマースクールにも参加。記憶や感情など「目に見えないもの」を、手作業によるテキスタイルで表現。

衣服や布を媒体にした「YUKI FUJISAWA」のブランド活動を行う。

(出典: FASHION STUDIES http://fashionstudies.org 2014年映画『乾き』にて衣装提供。)

2016年度 Tokyo 新人デザイナーファッション大賞プロ部門入賞。素材を自らの手で染め、プリントをする行為を大事にしながら制作を行う。

小池優子(こいけ ゆうこ)

(出典:Twitter@Koike2you https://twitter.com/koike2you)

和歌山県生まれ。2015年エスモードジャポン東京校卒業後、「koike.」を立ち上げる。

2015年国際コンペティション「REMIX2015」のファイナリストに選出した後同年の7月国際コンペティション「ITS – International Talent Support 2015」において、2部門受賞。2016年2月「LVMH Prize for Young Fashion Designers」にノミネート。

( 出典: FASHION PRESS https://www.fashion-press.net DIESEL JAPAN 30th by YUKO KOIKE より)

2016年、Dieselの新たな側面を表現する取り組みとして、「Young Japanese Designer」に選ばれる。日本古来の色彩感覚と装飾美学に着想を得た作品で、伝統技術と前衛的なテクニックを融合させている。

横澤琴葉(よこざわ ことは)

(出典:Twitter kotohayokozawa @KOTOHAAA)

1991年名古屋市生まれ エスモード東京校卒業後、大手アパレル会社にデザイナーとして勤務しつつ 『ここのがっこう』へ通う。

退職後、再びエスモードAMIに通い、2015年より「kotohayokozawa」としてデビュー。「なんでもない日々に収まりきらなかったこと」をコンセプトにレディースウェアを展開。また、6月より『ここのがっこう』アドバンスドコース アシスタントも務めている。

(出典: Fashionsnap.com http://www.fashionsnap.com kotohayokozawa2015-16AW)

2015年10月、2016年3月にはMercedes-Benz Fashion Week TOKYO期間中に渋谷ヒカリエホールにて若手5ブランドによる合同ファッションショーを開催。

新宿伊勢丹2F TOKYO解放区にて『 The drama-TOKYO制服-』を発表。ポップアップストアでは新しいオフィススタイル・ 今を生きる女性への新しいワーキングスタイルを提案。

益田翔太(ますだ しょうた)

(出典:CAMPFIRE MAGAZINE https://mag.camp-fire.jp)

1989年長崎生まれ。バイヤーを目指し福岡の服飾専門学校のファッションビジネス科に入学。

様々な服に触れていく中で既存の服では満足出来なくなりデザイナーになる事を決意し在学中独学で服作りを学んで行く中、10-11A/WよりNoir Frをスタート。

2014年10月に東京のファッションウィーク「Mercedes-Benz Fashion Week Tokyo」にデビュー。日本最大のクラウドファンディングプラットフォーム『CAMPFIRE』で東京コレクション出展費用を募集したプロジェクトを行い、30日間で102人から約130万円の支援を集めることに成功。

(出典:Fashionsnap.com http://www.fashionsnap.com Noir Frの2015-16年秋冬コレクション。テーマは”SHINOBI”)

『Noir Fr』は フランス語の”noir frère”(ノア フレール)に由来した「漆黒の兄弟」を意味し、「兄弟のように大切な服であってほしい」という願いが込められてる。

黒を基調とし、男女問わず人をスタイリッシュに美しくみせるための服づくりを追求している。

大月壮士(おおつき そうし)

(出典:Shibuya fashion week http://www.shibuya-fw.com)

1990年千葉県生まれ。2011年に文化服装学院を卒業。文化服装学院在学中は山縣良和が運営するプライベートスクール『ここのがっこう』に通う。

2015年AWシーズンよりブランドをスタート。若手ブランド支援プロジェクト「東京ニューエイジ」に参加。

(出典:ADD Magazine http://tokyo-add.com 2016-17 A/Wコレクション。フラワーアーティストの小春丸と共同で行う。)

2015年2月、British Fashion Council主催イベント、ロンドンIFSに日本勢として参加。LVMHが主催する若手デザイナーの育成・支援を目的とするファッションコンテスト「LVMHプライズ」に日本人最年少でノミネーションを果たす。

村上亮太(むらかみ りょうた)

(出典:News Cafe http://www.newscafe.ne.jp)

1988年生まれ。上田安子服飾専門学校卒業後、リトゥンアフターワーズでアシスタントを経験。卒業後2014年より「RYOTAMURAKAMI」をスタートする。専業主婦の母との親子によるデュオブランド。

(出典:Twitter@best_shop_cha 2013年でんぱ組.inc アルバムジャケットへ衣装提供。)

2013年渋谷PARCO絶命展で作品を発表、その後アイドルグループでんぱ組への衣装提供、ミラノ百貨店「リナシェンテ」でのウインドウディスプレイを担当する。International Talent Support(ITS) 2014にてファイナリストとして作品を発表。

2016年はスウェーデンでのファッション展覧会「Utopian Bodies」に出展。アジアやヨーロッパから問い合わせが相次ぐなど、注目度も上昇。

中里周子(なかざと のりこ)

(出典:fashion cross road http://www.c-r.fashion)

1988年東京生まれ。2007年に立教大学文学部文芸思想専修入学。2011年に同学を卒業後、東京藝術大学大学院美術教育専攻に入学。

博士課程に在籍しながら、自身のコレクションを制作。ファッションデザイン、インスタレーション、ジュエリー制作をはじめ写真家とコラボレーションする。2014年よりNORIKONAKAZATOを始める。

(出典:Fashionsnap.com http://www.fashionsnap.com International Talent Support(ITS)作品)

2014年にイタリア・トリエステで開かれたヨーロッパ最大の若手デザイナーのコンテストInternational Talent Support (ITS)で、アートワーク部門でファイナリストに、ジュエリー部門では日本人初のグランプリとなるスワロフスキー賞を受賞。

2015年Mercedes-Benz Fashion Week Tokyoで「東京ニューエイジ」としてランウエイデビュー。2015年に平山郁夫文化芸術賞受賞。

FACETASM、ANREALAGE、Jenny Faxを始めとし海外からも評価されるブランドが増えている。東京発のストリートカルチャーに注目が集まり、独自の文化がテクノロジーの発展と共に生まれている現在、海外に視点を向けたクリエイションも珍しくない。クリエイターが自由に新しいことに挑戦するプラットフォームが提供され始め、金銭的なハードルは低くなりつつもある。FUKROO編集部では若手デザイナー達に注目し今後の動向を見ていきたい。