今月ロンドンにある『Madame Tussauds(マダム・タッソー館 / 蝋人形の館)』で、ロイヤルファミリーの蝋人形がアグリー・クリスマス・セーターを着て登場した。
イギリスでは、『クリスマス・ジャンパー・デイ』といってアグリー・クリスマス・セーターを着て、最低1ポンドを寄付するというイベントがある。
そのチャリティーのため、英国王室から許可がおり、2016年よりアグリー・クリスマス・セーター・ブームを盛り上げている。
ここ数年、クリスマスシーズンになると、どこのショッピングストアーに行っても、アグリー・クリスマス・セーターを見かけるほど、売り上げが急激に上がっている。
『アグリー・セーター』のウェブ調査によると2012年から2015年で200%も成長している産業だという。
誰もがこの産業の急成長に驚きを隠せなかった。
そもそもアグリー・クリスマス・セーターとは?

欧米では、元々クリスマスにおばあちゃんが手編みのクリスマスセーターをプレゼントする習慣がある。
クリスマスツリーやトナカイ、サンタの赤や緑の手編みセーターで、子どもたちの間で、とっても『ダサい/かわいくない(アグリー)』とからかわれ、苦い思いをした子ども多い。
大人でもこのセーターを着ていると、『おばあちゃんからのセーター?ダサい』など、ポジティブなイメージはなかった。
しかし映画やセレブが近年アグリー・クリスマス・セーターをクリスマスに着ることで、『ダサかわいい』や『ウケる/面白い』ジョークとして人気となった。
Britney Spears(ブリトニー・スピアーズ)やBeyoncé(ビヨンセ)、も自身のアパレルラインでアグリー・クリスマス・セーターを販売するなど、アパレル企業では、今シーズン欠かせない、売り上げを支える商品となっている。
また12月は、アグリークリスマスセーターをドレスコードにしたパーティーが、NYでもそこら中で開催されている。
Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)やH&M(エイチ&エム)からも、悪趣味なデザインほどウケが良く、ダサければより喜ばれるプレゼントとして紹介されている。
昔ながらのセーターや3Dの立体的なデザイン、今では自分で文字のオーダーするなど、デザインも豊富だ。
新しいものからヴィンテージなものまで値段も幅広い。
2016年 一番高いアグリー・クリスマス・セーターは、1千万円?

アメリカのラッパー2 Chainz(2チェインズ)が発表した50カラットのダイアモンドを250グラムの金を使用してセーター。
値段は、$90.000(約1千万円)。世界に1つのセーターは、もう売り切れ、その収益はチャリティーに渡るという。
アグリー・クリスマス・セーターの携帯アプリまで誕生

古着屋であるRagstockラグストック社は昨年のクリスマスからアグリークリスマスセーターのビジネスに大きな可能性を感じていたという。
そこで、The swipe-a-Sweeter app(スワイプ・セーター・アプリ)を開発した。
これは、アプリをダウンロードして、自分の写真をセットでき、2万5千ものユニークなデザインから、自分の好みに合ったものを、携帯画面をスワイプするだけで、選べるという優れたアプリ。
クリスマスシーズン以外には需要がないものの、しっかり利益を得ているようだ。
この市場はあと3~5年で終わってしまうだろうという声も多いが、このブームにいち早く乗ったアパレルブランドは今年も大きな利益を生んでいる。
ユーモアに溢れた遊び心のあるアグリー・クリスマス・セーターを着て、皆でバカ笑いするクリスマスも悪くないのでは。
source:
https://www.fastcompany.com/3066393/startup-report/inside-the-multi-million-dollar-ugly-christmas-sweater-industry
http://www.esquire.com/style/news/a51546/most-expensive-ugly-christmas-sweater-tipsy-elves/http://people.com/style/2-chainz-worlds-most-expensive-ugley-xmas-sweater/