「#Stealing your man since 1928.」 (1928年から気になる男を盗んでるの)
3年前インスタグラムで話題を呼んだ、Badass grandma(ちょい悪おばあちゃん)、Baddie Winkle(バッディ・ウィンクル)。
彼女は、89歳を迎える2017年も280万人のfollower数を持ち、1回写真を投稿する毎に、約25-50万円を稼ぐというスパーおばあちゃん。
その上、今では彼女のTシャツやキャップの販売もしており、その15%が彼女の収入となる。

工場で働く日々から、Baddie Winkle(バッディ・ウィンクル)インスタグラムのクイーンになるまで……
彼女の本名は、Helen Van Winkle(ヘレン・ヴァン・ウィンクル)。
Baddie(バディー)とは、『いたずら好きの/悪い子』という意味があり、彼女のインスタグラム名は『いたずら好きのウィンクル』という“やんちゃな”可愛さが誰もを笑顔にしてくれる。
バディーは、ケンタッキー州に在住。
家族そして孫のため、28年間 工場で働いていたという。
彼女は現在8人の孫に3人のひ孫を持つ『ひーおばあちゃん』なのだ。
彼女に転機が訪れたのは、2014年86歳の時。
ふざけて派手な洋服とマリファナ・デザインの靴下を身に着けたバディーの姿を、孫がカワイイっと思いその写真をインスタグラムに投稿した事だった。
この一枚の写真が後に5万回の”いいね”を獲得した。
日に日に彼女の写真が広まり、歌手のMiley Cyrus(マーリー・サイラス)やGwen Stefani (グレン・ステファニー)らもBaddie Winkleのフォロワーとなり、『セレブをフォロワーに持つ、無敵の86歳』とも称され、たちまちインスタグラムのスターとなった。
その後にセレブと写真でコラボレーションも果たしている。

彼女は、それを機に残りの人生を自分らしい服を着て、思いっきり笑えるジョークを言って、医療用マリファナの合法化をサポートすることに決めたそうだ。
彼女はあるインタビューでこう語っている。
“I lost my husband and my son, and I got tired of grieving, so I reinvented me .”
『私は夫と息子を亡くし、嘆き悲しむ日々に疲れ、私の人生を立ち直したの。』

現在、孫のDawn Lewis(ドーン・ルイス)が運営を手伝い、19歳のひ孫Kennedy Lewis(ケネディー・ルイス)が、スタイリストとして裏でBaddie Winkle を支えている。
ひ孫のケネディーは、『Millennial whisperer(ミレニアル・ウィスパー)』とも呼ばれ、ミレニアル世代、つまり2000年前後に生まれた人たちの価値観や流行りを上手くコーディネートしている。
バディーがよく着ているド派手な衣装には、幅広い層の人々に支持されるメッセージが込められている。
『レインボー』 : レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー (LGBT) の尊厳と LGBTの社会運動を象徴する。
『緑の紅葉の様な葉っぱ』 : マリファナの葉っぱ (たばこより害が少ないと言われ、医療用にとマリファナが合法をサポート。)
Baddie Winkleが愛される面白すぎるジョーク・コメント 
Baddie Winkle : I’m a survivor.
ビヨンセがデスティニー・チャイルドで活動していたころの曲のタイトルを上手く使って、「私は、生き抜いた。」と思わず笑ってしまうコメントを残した。
Baddie Winkle : DIMEPIECE
「ゴージャスで魅力的な女性」という意味のスラング。写真だけでも、元気をもらえる。
人生最後までオシャレをして楽しんだもの勝ち
ニューヨークでもバディーの様なファッショニスタのおばあちゃん、おじいちゃんに出会った。
筆者は、たまにマンハッタンの老人介護施設で、『Beauty spa』のボランティアをしている。
そこでは、おばあちゃん/おじいちゃん達と話しながら、ネイルのファイリングとマネキュアをしてあげるというプロジェクト。
そのプロキェクトを通して、お年寄りから学んだこと、驚いたこと7つをあげよう。
1、ゲイのおじいちゃんや、オシャレな男性も多い、ニューヨーク。”マネキュア”に興味があるのは、性別で判断してはいけない。
2、70歳を超えても、介護施設での恋や、出会いを“まだ”求めている。 出会い系サイト・E-mailを使いこなす。
3、出会い系サイトのプロフィールは、「私は、明るい。」などの自分の意見より、「みんなに明るいと言われる。」という客観的なコメントをすると返事が返ってくる割合が多いらしい。
4、あまり歩けなくても、タクシーでレストランで待ち合わせ、ゆっくりランチ/ ディナーを好きな人と楽しみ、タクシーで帰宅。つまり、歩けないことは問題ではない。
5、移民の人に英語を教えるボランティアをしているなど、自分のできる事をして人と関わる。
6、出かけるときは、帽子から靴まで、身だしなみに気を遣う。
7、もう仕事はできないから、24時間をすべて自分に使え、思いっきり楽しんでいる。
年齢/性別なんて関係ないし、年を取って、足が動けなくても、人生自分次第で最後までこんなにも楽しめるんだと人生観を少し変えられた気がした。
自分なりのオシャレをすること、自分に出来る好きなことを探して、老後を思いっきり楽しむBaddie Winkleの様な、おばあちゃん、おじいちゃんが世の中には少なくない。
明日から年を取ることが楽しみになった。
https://www.instagram.com/baddiewinkle/
https://en.wikipedia.org/wiki/Baddiewinkle