【連載 -第4話-】Faline Tokyoオーナーとして、一人の女性として。Baby Maryの生き方

原宿シーンにおけるトレンドを築き、ファッションアイコンとして知る人ぞ知る存在であるBaby Mary。
 
東京内で最も感度の高いセレクトショップのひとつであるFaline Tokyo(ファリーン トウキョウ)のショップオーナーである彼女の幼少期にまつわるエピソードから、Faline Tokyoの創業時やショップコンセプト、『Faline Kids』や原宿、SNS時代に思う事を我々に語ってくださった。
 
それらを本日より5日間の連載でご紹介しよう。
 
本日はFalineを取り巻く若者『Faline Kids』と、SNSに関して語ってくださった彼女の思いをご紹介。

第1話:ファッションとの出会いは昼下がりのディスコで

第2話:18歳頃、パリコレのインビテーションをもらう

第3話:Faline Tokyo開店当初と今の原宿の違い

 

Faline Kidsについて

私は若者が好きだし、いつも周りに彼らがいるの。

ファッション業界で語り継がれている2006 のLouis Vuitton(ルイ・ヴィトン)のパーティに若者その当時の原宿familyを300名招待したことがあって。

そのときは、パリでDior やいろんなファッションショーを手がけているALEXに、アーテイストのアンドレが「パーティを華やかにするなら、Maryを加えた方が絶対いいよ」って話してくれた事がきっかけ。
 
ほら、ファッションショーにビジネス関係者の方ばかりいらっしゃると、皆さんお仕事でショーを見にきているから、終わったら次のお仕事もあるしすぐ帰っちゃうじゃない?だから、その場を盛り上げるにはもっとパーティピープルが必要だと感じていたみたい。

それで、パーティ会場である夢の島まで“Baby Mary号”を用意してもらい、キッズを乗せたわけ。

ショーが終わった後、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)と共に開いた扉の向こうに原宿Kidsが躍り出てくるという設定にしていたの。
 
その時に乗っていたKidsは今なら確実にショーに招待されるであろう奈良裕也が率いるメンツでね。

私はショーに招待されていたので、そのバスには実際乗らなかったんだけど、もうそれは「クレイジーな遠足みたいだった!」らしいわよ(笑)
 
あれは、本当Louis Vuittonの粋な計らいのおかげで新しい時代の到来を象徴するような出来事だった。

今では考えられないけれど それまであまり若者に対して扉が開かれていなかったファッション業界を、Louis Vuittonがこじ開けてチャンスをくれたのよね。

当時Baby Mary号に参加した100人からは、今のファッションパーティに引っ張りだこの東京シーンの顔を生み出したの。ユースの先駆者というべきかしら。

その時招待したゲストには 活躍していたモデルたちや、タトゥーアーティストたちなど色々な人がいたりして。
 
噂になっているような“イケてるキッズ”を探す事は、Facebookのない当時はとても大変で、人伝いで行ったわ。

「あの青髪のユリアを探して!ペリちゃん繋がっているよね?」なんて具合に、高校生のユリアちゃんを探したものだわ(笑)

彼らこそ、Faline Kidsの元祖ね。
 
そのおかげで 今のユース達は 沢山のチャンスが簡単に手に入るようになって 10年で 人も時代も変わったわ。

次のKids達の未来がどうなっていくのか、楽しみね。
 
彼らと現在のFaline Kidsとの違いというか、変化として挙げられるのはやはりインスタグラムかな。

彼らはセルフプロデュースが得意よね。

前までは、そういう事ができる人って才能溢れる人のみの特権というか、限られた人にしかできない事だったけれど、今では皆がそういう意識を持っている。

SNSとの関わり方

 
そうね、私は個人的にSNSを扱うにあたって、オンとオフをわけていくと良いと思うの。

自分に何が大切かという事を改めてしっかりと自覚し続けていかないと、情報過多の世界にのまれてしまう。

自然やリラックスする時間、空間がなければ働き詰めた状態のまま突っ走ってしまって、余計疲れてしまうと思うの。

だから今年は、SNSとの距離の取り方として、きっとどこかスイッチがオフになれる場所を大事にしてくべき年だときっとみんなが感じているわ。
 
イビザにお気に入りの家があって、そこにいたら青い海と太陽と白い島の生活。Wifiから離れる事も出来るしそうやってバランスを取っているわ。

セレブリテイがイビザを大好きなのは 住んでる人は素朴でみんなリラックスしてるからかしらね。
 
名古屋のFalineもオフになれる空間ね。

今年名古屋から東京に帰った時、旦那のJが面白い事を言っていたわ。

私が「Ok,back to my reality(よし、現実に戻ってきたわ)」と言ったら、彼は「逆じゃない?東京での君はまた"Babymary"を演じるんだよ」と言ったのよ。

リアルではなくてフェイクだからって冗談混じりに(笑)

確かに名古屋での生活は、 Faline girlsとのたわいのないおしゃべりや 彼女達の子供達が主役のリアルな日常。

Instagram をあげる事も休憩。
 
私のリアルライフは名古屋にあって、日々の私を、SNSを通じて見てくれている人からしたら、その生活に真実みを感じられないのかもしれない。

本当の私はそこにあるのに、だから東京に戻ってきたら少なくとも私が演じる側にまわるという意識はあるの。

彼は、私の事をよくわかっているわね(笑)
 
21歳になるFaline girl はセルフィーを十代の頃にやりすぎて みんなあきてしまったというの。

19歳のNew Falinegirl は Instagram をやっていなかったし?TVも見ないというの。

あたしの家にも、テレビはいつのころからかないのだけれどね。

ユースの彼女達はかなり上手に距離を置いてSNS とつきあっている印象。

時代はどんどん進むわね。

若い時の私は、行き当たりばったりで色々な事を経験してきた。

けれど、今は色々やろうと思ったら、それこそ情報があるからもっとスマートにできたと思うのよね。

そういう行動に移すという事は、今の時代でも十分できることなのよ。

結局携帯のうえで全てを片付けることはできないからね。

不思議に思うのは、情報は昔よりあるのに今の子たちは幼い。

情報があるのに、経験が足りないせいかしら。

旅行に行くにも、レビューを読んで行った気になったり、満足しちゃう人が多いみたいね。
 
それこそ、自分でその物事に対して考えて、意見を出すまえに何でもレビューとして書かれていることを100%自分の意見としてしまったり。

情報が多すぎて、それを処理する脳みそが疲れているのかも。

自分の意見を言っている暇がないのかしら。SNSばかりやっていたら、脳みそが疲れてしまうわよ。

だからこそ、オンとオフが大事なの。

5話に続く……。

第1話:ファッションとの出会いは昼下がりのディスコで

第2話:18歳頃、パリコレのインビテーションをもらう

第3話:Faline Tokyo開店当初と今の原宿の違い

第4話:Baby MaryのSNS論

第5話:Falineのこれからと今後セレクトショップを開こうと思っている人に向けて

 

Faline Tokyo 設立日である2月14日 Valentine’s dayに記念パーティを開催!
『Valentine Greetings Party』
日時:2.14 19:00-24:00
場所:Faline Tokyo