ニューヨークの金融会社で働き始めて、一番驚いたことは、男性社員の『美意識の高さ』だった。
【美意識の高さに驚いた事】
・スーツや靴がカッコ良いだけでなく、靴下やカフリンクスで、自分らしさを表現する
・毎朝仕事前に、スポーツジムで1時間鍛える
・甘いものは控え、食事にこだわる(たまにランチを用意してくる)
・仕事のために残業や休日まで働く人が少なくない
・ネイルサロンに通う
靴下や胸元のポケットにハンカチを入れ、カフリンクス(シャツの袖口を留めるもの)まで、コーディネートして仕事に来るという徹底ぶり。

オフィス・スーツは、営業やお客さんと会う部署では、基本ダークグレー/ダークブルー/黒など暗くて落ち着いた色が定番。
バックオフィスや、パーティーなどの特別な日には、黄色や紫のスーツをよく見かける。
スーツの色だけでなく、素材やパターンを変えたり、胸元のハンカチのデザイン/カフリンクス/そして靴下を変えるだけで、オシャレ度がグンっと上がるのだという。

出来る男が憧れる『Duncan Quinn(ダンカン・クイン)』
『NYC.com』でベスト・メンズ・スーツにも選ばれた、上質な上、セクシーだと評判なオーダーメイドのスーツ屋さん。
イギリス出身の弁護士だったダンカン・クインが、2003年にニューヨーク・ノリータにアトリエをオープンした。
*ノリータとは、マンハッタンのリトル・イタリーの北のエリア
(70-80 Kenmare Street New York)
James Bond (ジェームスボンド)の影響も受けたというスタイルは、
『クラッシー(一流な)+オシャレ+セクシー』をベースに、大人の魅力を引き立ててくれる。
そんなダンカンが今回FUKROOの読者に向けてこんな素敵なメッセージをくれた……
A well made suit, perfectly tailored to your personality and fit, is a secret weapon of life deployed by those in the know…at work, at play, and throughout the day and night. Suits are not just for the office. For us they are for riding motorcycles, driving cars, sailing yachts, drinking scotch, smoking cigars, playing cards, and drinking cocktails in the company of beautiful women.
「あなたの個性と要望に合わせて仕立てる一流のスーツは、昼夜ともに、仕事でも遊びでも
人生の様々な場面で、『秘密兵器』となる。僕らにとってスーツはただ職場で着る服でなく、バイクに乗って飛ばしたり、車を運転したり、ヨットに乗ったり、スコッチ(ウィスキー)を飲んだり、シガー(葉巻)を吸ったり、トランプで賭けたり、美しい女性とカクテルを飲む時のためのものなんだ。」
そう、スーツは職場だけでなく、色々な場面で”私服”としても活躍すると感じさせられた。
実は彼は、日本にも顧客がいるそうで、去年2回も日本に足を運び、日本が大好きだという。
しかしニューヨークには、他にも『Lanvin』『Brooks Brothers』『Dolce & Gapppana』などのスーツの強敵が多い中、どうやって1番になれたのか。

『bespoken suit(オーダーメイド・スーツ)』
ダンカン・クインは、その人に“Fit”(フィット)するスーツが、一番カッコいいと言う。
【Good fit の7項目】
- 肩のことろが平になってしわがないか
- お尻の大きさに合っているか
- ズボンの裾が長すぎ、短すぎでないか
- ジャケットのボタンを閉めた時、スムースか
- ジャケットの袖は、中のワイシャツの袖が少し見える長さか
- ジェケットの長さはお尻の真ん中くらいか
- ジェケットの襟は、大きすぎないか
この7項目のサイズがフィットするスーツをお店で見つける事は、まずないという。
オーダーメイドは、時間とお金は掛かるが、世界に一着、自分にフィットしたスーツが手に入る。
あのクリスチャン・ルブタンも顧客の一人という、世界中の“スーツ・オタク”を虜にしている。
何より、他のスーツ屋さんとの違いは、カフリンクス(日本では、カフスボタン)に色や柄を取り入れて、それ自体に個性やスタイルを創り上げた事。
そして、ネクタイは100%シルクで、カフリンクス以外にも胸元のハンカチまでの詳細も美しく、
センスの良さと遊び心が、セクシーさを演出してくれる。

ビジネスで成功し、人によっては家族を手に入れ、お金とキャリアを積んだ男たちが、次に欲しがるもの、それは、鍛え上げた体と、“一流のスーツ”だという。
そんな世界中の“スーツ・オタク”をターゲットとした、ダンカンのアトリエ。
落ち着いた一流のスーツに、ピストルやドクロマークが”ちょい悪”感を出した、詳細に拘った小物も販売している。
基本的には、お店に予約をしてから、オーダーメイドを注文する。
このオーダーメイド・スーツは40万円から注文でき、ワイシャツは約5万円から。
ニューヨークへお越しの際は、ぜひ”生”でダンカンのスーツを見て欲しい。

それにしても40万円のスーツなんて高すぎっという方にお勧めな着こなし術
まず、真っ黒なスーツでなく、グレーやダークブルーなど、落ち着いた色のあるスーツを選んでみよう。
(できれば自分の体系に合う、上記の7項目を参考に)
そして、そのスーツに合う自分好みのネクタイと、それと同じ色の靴下を購入。
ネクタイの長さは必ず、ベルトにあたらない程度。
ジャケットのボタンは必ず一番下は外しておく。
日本では、まだ黒いスーツばかり目にするが、ワンポイントで色を入れてみる、靴下だけでも、自分らしさを出してみると、あなたの印象はガラッと変わって、仕事もプライベートも、充実するはず。
明日から、大人の色気を出すために、『私服スーツ』にぜひ挑戦してみて欲しい。
