【もっと頑張るレイジさん#5】“音の匠”クラムボン・ミトが登場。今こそ知りたいK-POPの音楽的魅力「韓国は世界基準のフォルムを作れている」

オカモトレイジ(OKAMOTO’S)がゲストと共にK-POPを語る連載企画。第5回目は、クラムボンのバンドマスター・ミトが登場。
楽曲提供やプロデューサー、ミックスエンジニアとして多くのミュージシャンを手がける彼とともに、K-POPの音楽的味わいを追求。“人々はなぜK-POPにハマるのか”2人が愛するエンターテインメントやカルチャーとともにその魅力を言語化していく。

 

–まず最初に、今回の対談でレイジさんがクラムボンのミトさんを呼ばれた理由をお伺いしたいです。

オカモトレイジ(以下レイジ):そもそも、自分はバンドをしているとはいえドラムだし、ロック的な曲の作り方しかしてこなかったんです。コード進行の妙とか曲作りのロジックを分からないまま感覚的にやってて。かといって、バンドメンバーが4人いるので、自分が分からないままでやる良さ、限られた機能の中での工夫、というものは大事にした上での話ですが。だからこそ、ロジックを網羅されているミトさんに、K-POPの音楽面をお伺いしたいです。あと純粋に、ミトさんがSEVENTEENにハマってると聞いたときは驚きました(笑)。

ミト:いやいや(笑)。でもOKAMOTO’Sの『Young Japanese』を聴いたときには「ここまで来たか」と思いました。8年前に当時のOKAMOTO’Sの音源を聴かせてもらったのですが、あの時代にガレージスタイルでやることが新鮮だったから良い意味で浮いていたんですよ。その漠然とした感覚が『Young Japanese』で「しっかりプレゼンするようになった!」というはっきりした感想に変わって、それがすごく痛快でした。レイジくんがドラムを叩かないでみたり、当時模索していたことでも、むしろそこからアイデンティティやオリジナリティが生じている。日本はどうしてもテキスタイルとフォーマルを音楽に求めがちですが、『Young Japanese』はそういうところから脱しているのが痛快だと思います。

OKAMOTO’S 『Young Japanese』MV

あいみょんがアイドルを目指す。そうであってもいい風土

–OKAMOTO’Sの試みも然り、それは聞き手も柔軟になったということでしょうか?

ミト:ちょっと無理やりかもしれませんが、必ずその傾向というものはあるんですよ。確実に今の若者はアニメソング、アイドルソング、K-POPを同列として聴いていて、それらすべてを繋げて何を 聴いても面白いじゃんと思えています。封建的だったJ-POPやロックが外堀から改革されていったので、より柔軟になったと思います。表立っては無いけれど、ジャニーズも、10年以上前から実はそのスタンスを取り入れていたんですよね。

レイジ:そうですよね。例えばKinKi Kidsの堂本剛くん。当時は、アイドルイメージの強いジャニーズには服を貸したくないというブランドも沢山あったらしいけど、好きなことを貫く剛くんの個性が認められてからは、「この人ならいい」という捉え方をされるようになったと聞きました。

ミト:うんうん。J-POPやロックの人もようやくコライト(共同で曲作りをすること)を意識するようになって、その化学反応の魅力に気がついて、面白くなってきたなあと思いますね。K-POPの流行でそれが柔軟になってきたと思うし、K-POPは楽曲の背景の見せ方が上手いですよね。

レイジ:SMルーキーズやってみたりサバイバル番組やってみたり、そもそもデビュー前からプロモーションしているから、言うまでもなく応援するに決まってるじゃん!って親戚みたいな気持ちになっちゃう。

ミト:極論をいうと、いまの韓国ってゴールデンタイムにやっている番組のほとんどが、要するにフリースタイルダンジョン(即興のラップバトルで、チャレンジャーが強豪ラッパーと戦い、勝ち抜いて賞金獲得を目指す番組)の亜流みたいなものなんですよ。その出演者たちがDua Lipaの曲を歌ったりするから、洋楽にもカジュアルに慣れ親しめる。土壌のケタが違うというか、音楽のポピュラリティやマーケットの大きさとが全然違う。練習生にもソングライターみたいな子がいて、往年のアメリカンポップスみたいのをやったりしているのを見ると、到達できないよなあと思ってしまうよね。要するに、あいみょんがアイドルを目指すというのが当然で、そうであってもいいという風土ね

 

韓国のレーベルはヒップホップマインドが前面に出ている

ミト:aespaの『Next Level』とか、僕の理想像なんです。僕はプログレッシブ・ロックから音楽を掘り下げた人間だから変拍子、転調、展開変わるのが大好きなんだけど、それでいてアイドルに携わっていて、やっていることが昔のTLC(アメリカの女性R&Bグループ)のスタイルみたいなトラックで、それが通奏低音をなしているのを聴くだけでやばいと思っちゃうんだよね。

aespa 『Next Level』MV

レイジ:『Next Level』はちょっとやりすぎなくらい莫大なお金がかかっていましたよね。“KWANGYA”っていう謎のワードを最近SMが入れ込んでいて、韓国語で「荒野」って意味らしいんですけど、ここ最近のSMの楽曲に頻繁も出てくるんですよ。『Next Level』にもNCTの曲にも。アバターの住む仮想世界“KWANGYA”。いまだにどういう意味なのかよく分からないんだけれど必ずこの歌詞が出てくる。

ミト:造語を使うのはアニメ系の専売特許だったんですけどね。『魔法少女まどか☆マギカ』のバックトラックで何言っているか分からない言葉が流れたり、ああいうのを世界的に流行らせたのは 音楽を作っている梶浦由記さんの梶浦語。そういうのがK-POPにも出るのは楽しいよね。なんだったらレイジくんが言ったSMみたいに、事務所界隈でコンテンツとかストーリーを作って欲しいな。漫画とか映画までいけたら面白いし…。

レイジ:SMはそういう演出が多いですよね。NCTもネオカルチャーテクノロジーであって、グループじゃない新しい概念だから加入も脱退もないんですよね。だからどんどん増えて行くことを最初から良しとしている。SMを追っている友達いわく、社長は少女時代の時期からずっとCGとアイドルが混ざるみたいなものをやりたがっているらしくて、それがやっとaespaで実現できたらしいです…。

NCT 2020『RESONANCE』MV

ミト:確かに、SMはひとつのユニットがカタログ化しているという感じがしますね。事務所のアイデンティティが番組やユニットに定着しているのは、韓国と日本くらいしかないんじゃないかなあ。

レイジ:韓国はレーベルと事務所が一体化しているようなもんですよね。そもそも韓国アイドルの歴史ってYGエンターテインメントの流れというか、ソテジ・ワ・アイドル(Seotaiji&Boys)があって、そのバックダンサーだったヤン・ヒョンソク社長がYGを作ったという基盤が、ヒップホップを韓国に取り入れたソテジのところから始まっているから、ヒップホップ的なマインドがある。だからヒップホップ的なレーベルが前面に出ていると思うんですよね。だからヤン社長は表舞台に出るしプレイヤーだし、「俺がいる!」みたいなところはK-POPのそもそもの成り立ちというか。

ソテジ・ワ・アイドル『Come Back Home』

ミト:日本にもトラックメーカーが在籍している事務所があって、そこに同じレーベルの子を連れてくることはあるけれども、そこからの広がりって意外と無いんだよね。

レイジ:そして、YGはずっとTEDDYが手がけているのがすごいですよね。未だにバリバリ現役なのが本当にすごいです。

ミト:でも、部分部分で共作してると思うな。最近は、Bメロだけが得意なやつとかAメロだけが得意なやつとかが本当にいるんですよ。そういう面白さがK-POPの流れにもあるのかな。だいたいそういうのは、スウェーデンやイギリス、フランスのほうが文化的なバックグラウンドとして優秀で、リズムはアメリカが強い。そういう人たちの入り乱れがK-POPのトラックの随所にみられる。作曲チームはあまり表に出ないけど、聴いてなんとなく分かりますよね。英語がぐっと綺麗に乗るからスウェーデンのトラックだなあとか。

 

“本格的にK-POPを追わないといけなくなった”ターニングポイント

–ちなみに、ミトさんもハマったというSEVENTEENですが、音楽的に“くらった”楽曲はありますか?

ミト:『うるごしぷちあな=울고 싶지 않아 (Don’t Wanna Cry)』かな。この曲のトロピカルな感じは、アメリカが進化する寸前のクロスポイントを作ったところがあるし、いわゆるK-POPのエモいバラードを彼らだけであそこまでビルドアップさせたというところで革命だと思いました。新大久保のカフェで初めて聞いたとき、思わず固まってしまって(笑)。店員さんにお願いして3-4回リピートして貰いました(笑)。

SEVENTEEN 『울고 싶지 않아(Don’t Wanna Cry)』MV

レイジ:確かにあれはサビまで、いわゆるK-POPの王道バラードですよね。テキスタイルがバラード。そして、サビのシンセサイザーのインパクトが凄い。

ミト:うんうん。最近のアニソンの流れにもあるけど、曲調にアジアっぽさがある。でも、リズムの重心はアメリカ。あれは何だったんだろうと思った翌年くらいに、PENTAGONの『ピンナリ= Shine(빛나리)』が出て来て。ああいう曲をビルドアップして、旬の早い段階で作ることの出来るK-POPに衝撃を受けました。

PENTAGON 『Shine(빛나리)』MV

レイジ:『ピンナリ』、リリース直後の2018年春のKCONで見ました!ピンナリはまだ未聴だったんですけど、ライブ見終わった後「やばい曲やってたなPENTAGON!」と思いました。その時はまだイドンがいて、彼の出だしは印象的な癖がありますよね。『ピンナリ』はまだ身構えることも出来たけど、『うるごしぷちあな』は、僕にとっても「本格的にK-POPを追わないといけなくなったな」って思えたターニングポイントでしたね。

ミト:ライブに行っても、彼らにとって“聴かせる”の定義はどこまでなんだろうとか、K-POP的にはこれくらいの音量でオケ流せばボーカルが映えるんだとか気になっちゃって、ファンとして楽しんでるかどうか分からなくなってくるよね(笑)。

レイジ:でも、好きな音楽をアリーナの規模で聴けるのは幸せですよね!自分が好きなアーティスト、例えばビートルズだったら今はもう不可能だし。それを現行で追えていることが改めて嬉しいです。

 

“推す”喜びは、ものづくりに反映できる

–冒頭でレイジさんは感覚派とおしゃってましたが、K-POPを聴く時、耳に入るポイントはどこでしょう?

レイジ:僕はイントロや音色を聴いてしまうんですけど。そもそも“アイドル”としての認識が強いから、メンバーのかわいさとかかっこよさ、ビジュアルを見てしまうんですよね。

ミト:K-POPはビジュアルも強いってのがもう最強だよね(笑)。fromis_9(プロミスナイン)の『To.Heart』のMVを見たときには、ぺク・ジホンのツインテールで世の中が変わるんじゃないかってくらいの衝撃で(笑)。まさか自分がカムバックの流れで朝4時に渋谷のタワーレコードに並ぶ、ジホン推しの人間になるとは思ってもいなかった…。ああいう経験を久しぶりに出来たのはK-POPのおかげです(笑)。

fromis_9 『To Heart』MV

レイジ:俺もまったく同じことを思います。下手したらもうCDが店頭に出てるかも…と思って前乗りしたり、ポスター欲しさにもう1枚買ってしまったり。そういう気持ちって、純粋なリスナーでもなかなか芽生えることでは無いと思うんです。でもその喜びを知っていたら、絶対にものづくりに反映できると思うんですよ。

–具体的にお二人の“ものづくり”において、K-POPから影響を受けたものはありますか?

レイジ:俺らはアクリルスタンドとペンライトを作りました。ふつうに好評で、アクスタは事務所内の他のアーティストも真似して作ってます(笑)。

–バンド発のペンライトも珍しいですよね?

レイジ:そうですね、そもそも曲指定のペンライトは俺らが独自で作り出した概念なんです。全編でペンライトを振っても、ロックバンドのライブだからミスマッチな曲もあるじゃないですか。だから曲名をペンライトにつけて振ってもらいました。オカモトコウキ(gt.)がボーカルになる曲があって、彼の顔がプリントされているペンライトを出しました。色違いでツーパターン(笑)。

 

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K-POPは世界基準のフォルムを作れている

ミト:そうそう、ものづくりとは離れるけど、K-POPのSNSの使い方も傾向としては顕著で、勉強になりますよね。

レイジ:そうですよね。K-POPがグローバルでのローカライズに成功したのは、海賊版に流れないように公式で予め字幕を設定したり、VLIVEのように公式でファン字幕を公認したのが大きいってErinamさんの本に書いてありました。ファンが勝手にいろんな動画を切りとってそれぞれのエリアの言語の字幕をつけて、本来であれば取り下げさせるところをプロモーションとして有効に使わせちゃう。VLIVEも誰でも編集できるように字幕が付けられて、それもオフィシャルではなくファンがやっているんですよね。

ミト:翻訳のされた動画に更にコメントがついて、それがどこの国であろうと行われていて、考察厨としてはフレッシュさを感じるなぁ。それを届いてるところ、届くべき所に向かわせるのが、プロモーションを活かすことの難しさ。僕たちが応用できるかというと、本当にすごく難しい…。そういう「手に届きそうだけど届かない」みたいなところが、さらにファンを加速させるし、そこもK-POPの魅力なんですよね。

レイジ:憧れと親近感がほど良いんですよね!個人的に、韓国と日本のカルチャーの往来が、アメリカとイギリスのパンクの往来と重なって面白くて。影響を与えたものが強度を高めて再来して、今度はこちらが影響を受けたりして。

 

ミト:それで言うと、楽曲のフォルムがK-POPは圧倒的に大きいですよね。世界基準の音の幅やフレーム間に仕上がっていて、J-POPと比較すると顕著にその差が分かると思います。その中でも、Official髭男dismは今のK-POPや世界に負けない、大きいフレームの楽曲を作っていますよね。

レイジ:それ、DJやってると顕著に分かります!K-POPの後にJ-POPをかけると音のサイズ感が顕著に小さくて、ボリュームを変える必要があるんですよ。それに比べてOfficial髭男dismはまんまのトリム(音量)でいけちゃう。

ミト:僕もいまの日本のポップバンドのなかでOfficial髭男dismだけが世界目線のフォルム作っているなと思うな。しかもそれがバンド発信であることがすごくいいよね。

Official髭男dismって、1曲作るのに1ヶ月スタジオを貸しきるんですよ。そして、バンドでその曲を演奏して自分で聴いてもらう。すると、いかに自分のやりたい音と乖離しているかに気がつく。そうやって自分らでフォルムを形成していくんだって。そういうのを教えてあげるのは、オーディション番組や練習生達をつぶさに見なければならない現状があるんですよね。

レイジ:バンドとロックという概念が別物で、ロックは勘違いが良い方向に転じていってくれること。ロックをしている自覚がある身として、大好きなK-POPから学んでいくべきこともある…。そういうジレンマは凄くありますね。

ミト:僕はきっと、自分の曲とK-POP、やっていることの違いを把握していても、画角のダイナミクスを比べてしまうんですよね。自分がそれくらいしっかり作れているか確認するために、K-POPを 聴いている節もあるんです。勝てるとは思っているけど、推されているテンションを抱えたまま、次のトリガーをどう引くか。そこを考えたらJ-POPもロックも面白いものになるんじゃないかと思ってて。

–それこそ、レイジさんがおしゃった、ニューヨークとロンドンのような、往来と成長のし合いになるのかもしれないですよね。

ミト:そうですよね。最初はみんな劣勢だったはず。でも、たぶん韓国ドラマや映画が抜け始めたときに、フォルムを大きい状態に作れば広く見わたしやすいことに、なんとなく気づいたんだと思うんです。例えば映画『グエムル』のようにモンスターやクリーチャー系はどうしてもアジアは弱いと言われがちだけど、それをどこまで綺麗に持っていったかというと、やっぱり丁寧なフォルムづくり。そういうことを地道にカルチャーの中で研いていったのが、今に繋がっていると思うんです。そこを自分も諦めたくないなって思います。そういうフォルムを意識するというか、“世界でハネたものはどういうフォルムだったのか”を意識するのは、どのクリエイティブにとってもすごく重要な気がします。

 

何かが足りないから、応援したくなる

–これまでK-POPの要素を音楽やPR面など多方面からお話し頂きましたが、お2人から見た“K-POPらしさ”とは何でしょう?

ミト:“グローバル”かな。K-POPという音楽性がスタンダード化するのは、もう少し時間かかると思うけど、全てがグローバルなフォルムになっていると思います。アジア起点の面白い音楽が、中国や香港ではなく韓国になったというのは、少しだけ長く生きている自分にとって凄く不思議ですね。これからもっと面白いものが出来るはずだし、楽しみです!

レイジ:個人的には“可愛げ”ですかね。俺の好きなK-POPは少しダサいくらいが良いという感じなんです。SEVENTEENでも『Mansae』という曲が1番好きなんですけど、なんか胸を張ってかっこいいというものでもないなと思ってて、“なんだかくすっと笑える”みたいな感じですかね。こうやって伝えるのは難しいけど、もちろん超ポジティブな意味で“ダサさ”や“ファニー”さを僕はK-POPに求めています。

SEVENTEEN 『Mansae』MV

ミト:なるほど!そういえば、アメリカの評論家がK-POPを、「キッチュだかなんだかに近い」と言っていたような気がする…。完璧に見えるけど何かが足りないから、つい応援したくなるのかな?

レイジ:沼にハマると分かる、“不完全さ”も1つありますよね!

 

自分の理想像に着地して進んでいる人は、面白いことをやっている

レイジ:因みに、ミトさんはアイドルを自ら総合プロデュースしたいという野望はありますか?そこまでやり始めるとファンとして楽しめなくなるから、さすがに手出さないとか?

ミト:たぶん僕はやっぱり“音楽”なんだよね。外見のディテールとかフェイスに、そんな興味がないのかも…、なんて思ったり。色々活動しているけれど、結局は全部を音楽に落とし込んでて。その中で最大に画として見やすいのは、僕がやりたかった劇伴やオーケストラに関わること。この位置は、自分が求めていた方向に近いのかなと思いますね。

 

レイジ:なるほど。ミトさんのやりたいことや関心あることは、既に出来ているんですね?

ミト:現状はそうかな?その為にクラムボンを使って、色んな活動をしてるんだと思います。時間は必要だったけど、自分の頭が追いついてくれたから、いまは両立出来ているんです。

レイジ:つまり、幸せということですね?

ミト:そうだね(笑)。結局、自分の理想像に着地して進んでいる人は、みんな面白いことをやっている気がする。そういった意味で、OKAMOTO’Sはもう10年以上経ってて。それだけ長くやってると、勝手に身に付くこともあるよね、冒頭でも『Young Japanese』の話をしたけど、向かってたところに辿りつくまでの時間はやっぱりかかるんだなって。僕がすごく気になるのは、レイジくんは次、どういう音楽を作りたい?

レイジ:そうですね…。個人的には目的もなくずっと曲を作り続けているんですけど、一周回って本当にクソみたいなガレージが好きで(笑)、今はそれが再熱しています。

DJだと、俺はHIPHOP、J-POP、ハウスなどの色んなジャンルをかけるスタイルだったんです。その中でOfficial髭男dismとか流したりして。そのプレイスタイルが、僕の後輩でイラストレーター/DJのJun Inagawaが継承してくれた。もちろん俺のパクリとかではなくて、ちゃんと継承されたという感じがあったから、これ以上は俺が同じようなことをやってもつまらないんですよね。そこで色々考えて、たどり着いた“今の渋谷近辺の若者のパーティーシーンにおいて”俺にしかやれないDJスタイルって、ロックをレコードでかけることなんですよね。これからは「ロックンロールって、ダンスミュージックだよ!」ということを伝える活動に専念していこうと思います。

 

ミト:なるほど…!レコードならではの音源の歪み、聴きたいなあ。“歪み”は音楽で一番大切なことだし、歪みの全部がぐちゃっとなってるあの感じって、ロックのダイナミズムでないと表現出来ないと思う。しかも、それを今のシステムで聴けるのは幸せだな。

レイジ:そうなんです。ザ・ダイナマイツの『トンネル天国』をDJでかけた時、若い子たちがものすごく盛り上がって、もうこれだなって。これからは、全部ロックでやっていこうと思います。今、めっちゃロックモード入ってます。

ミト:この前のアルバムのダダ漏れ感が、今のモードから来ているのは凄く分かる。

レイジ:冒頭から、ありがとうございます。OKAMOTO’Sもライブを控えているので、ぜひ来て下さい!

 

【ミト(クラムボン)】

クラムボンのバンドマスターとして、ベース、ギター、キーボード他を担当。デビュー以来クラムボンのほとんどの楽曲はmitoによるものであり、自身のバンド以外にも、楽曲提供、演奏参加、プロデューサー、ミックスエンジニアとして、多くのミュージシャンを手がけるほか、映画やTV、アニメなど幅広く楽曲制作を行っている。

2021年は、日本テレビほかで放送された、野島伸司氏 原案・脚本TVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』の劇伴をDÉ DÉ MOUSEとミトで担当。ほか、大森靖子によるアイドルユニット “ZOC”の1stフルアルバム『PvP』で2曲編曲&プロデュース、持田香織ミニアルバム『せん』の作詞曲とトータルプロデュース、豊崎愛生4thアルバムリード曲「それでも願ってしまうんだ」や、ゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!!』FUSION UNIT SERIES 第2弾「ポケットに宇宙」の作編曲を担当など、幅広い活躍を見せている。
また、クラムボンでは、先日の東京2020パラリンピックの開会式へ楽曲提供を行っている。10月には2年ぶりのツアーを開催する。

「クラムボン2021 “爽秋編”」
10月 16日(土) 梅田CLUB QUATTRO
10月 17日(日) 名古屋CLUB QUATTRO
10月 23日(土) 渋谷CLUB QUATTRO

Twitter:https://twitter.com/micromicrophone
Instagram:https://www.instagram.com/micromicrophone/
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【オカモトレイジ(OKAMOTO’S)】

1991年生まれ、東京都出身。中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO’Sのドラマー。
2010年CDデビュー。デビュー当時は年間平均100本を超えるライブを展開し、海外公演等も積極的に実施。

幅広い音楽的素養を生かし、DJとしても活動中。
さらにファッションモデルとしての活動やMVのプロデュース、また、自身でエキシビジョンを手がけるなど、
クロスジャンルな活躍で現代のカルチャーシーンを牽引。

2019年には10周年イヤーを迎え、全国20か所21公演を廻る全国ツアー「OKAMOTO’S 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2019 “BOY”」を行い、6月27日のファイナルは初の日本武道館公演を敢行し大成功を収める。
その後、初の中国ワンマンツアーを北京と上海で行い両会場ともSOLD OUT。
2021年は、1月に配信シングル「Young Japanese」を皮切りに、「Complication」「M」「Band Music」「Picasso」と怒涛の勢いで新曲を発表、その活動の勢いは止まることを知らない。9月29日に9枚目のオリジナルアルバム「KNO WHERE」をリリース。10月8日より全国16か所18公演をまわるライブハウスツアー「OKAMOTO’S LIVE TOUR 2021″KNO WHERE”」を開催。

Label : Sony Music Labels
HP : http://www.okamotos.net/
Instagram:https://www.instagram.com/okamotos_official/?hl=ja
Twitter:https://twitter.com/OKAMOTOS_INFO
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/OkamotosOfficial/

オカモトレイジ
Instagram:https://www.instagram.com/okamotoreiji/?hl=ja
Twitter:https://twitter.com/OKAMOTOREIJI

リリース情報

OKAMOTO’S 9th Full Album『KNO WHERE』

リリース日:2021.09.29
初回生産限定盤(CD+BD):4,840円(税込)BVCL-1174/5
通常盤(CD):3,630円(税込)BVCL-1176

配信URL:https://VA.lnk.to/NyaxBS