先日終了したミラノコレクションで、一際異彩を放ったブランドがある。

弱冠24歳、韓国出身の新進気鋭デザイナーYounchan Chung(ユンチャン・チョン)氏が手がけるユニセックスブランド「The Sirius(ザ・シリウス)」だ。

誰もが疑うことのない実力を見せつけた2018SSコレクションから、同ブランドの魅力を探っていこうと思う。

異素材を組み合わせた、巧みなバランス

出典:http://www.malefashiontrends.com/2017/09/the-sirius-spring-summer-2018-milan.html

長いパッチワークのシャツはさまざまな布がつなぎ合せられていると思ったら、肉眼ではほとんど見えないようにコットン、スウェード、そしてレザーが絶妙に組み合わされていた。

白いビルケンシュトックのサンダルを履いたモデルたちは、手には果物いっぱいのネットバッグを持ちながら暑い夏のさ中を歩き、右耳にかけられた真珠の殻をつなぎ合わせた細いひもを優雅に揺らす。

ランウェイには、ショートドレス、ジャケット、ショートズボン、マキシ丈(うねのあるベルベット素材のドレス、異なる2つの素材を使ったトップスとボトムス一式、ロング丈のマクラメチュニックなど)に身を包まれた彼らが、交互に現れた。

それらすべては軽やかで、繊細な印象を生み出していた。

 

新星はどこから現れたのか?

チョン氏はソウル出身で、サムスン・アート&デザイン専門学校で勉強したのち、2016年にメンズウェアから始めた同ブランドがファッションシーンで瞬く間に名を知られることとなった。

同年6月には、イタリア Vogue(ヴォーグ)誌に選ばれ、メンズファッションの祭典Pitti Uomo trade show(ピッティ・ウォモ・トレードショウ)で自身初のコレクションを発表することとなった。

またそのちょっと前4月には、英国ファッション委員会とMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)が主催する一流の「インターナショナル・ショーケース・デザイナー賞」を受賞し、今回初のコレクションを発表する機会を得たのだ。

彼のアイテムは現在、北京のギャラリー・ラファイエットで取り扱われているので、気になった人はチェックしてみてほしい。

最後に、ラッパーでデザイナーのKanye West(カニエ・ウェスト)のファンである、ブランド設立者でありデザイナーのチョン氏は自分自身をこううまく表現している。

が落ちた後の空で一番輝く星だから、私はこのシリウスをブランド名に選びました。そして、自分自身もファッション界で同じ星になれるように、と望んでいるんです。

彼の挑戦はまだまだ始まったばかりだ。

彼の真価は、やがて時が教えてくれるだろう。