「女性にとって楽しみな時代になってきました。現代の中国人女性は自立しています。彼女らの思想はとても発展していて、特にファッション業界ではとてもオープンです」と上海ファッションウィークの副事務局長は語った。

ビジネス界で活躍する中国人女性

中国は女性CEOの割合が最も高い国として報告されている。

ビジネスの世界において女性はいまだに困難に直面することが多いとされているが、多くの中国人女性経営者が会社のランキング上昇に貢献しているのも事実だ。

今年初めIsabel Ge Mahe(イザベル・ガ・メイ)氏はApple China(アップルチャイナ)の副社長兼マネージングディレクターに任命され、同社内で一握りほどの女性役員の一人となった。

同氏はアップルの中国国内での売上が現象している最中に同ポジションに就任したが、CEOのTim Cook(ティム・クック)氏とCOOのJeff Williams(ジェフ・ウィリアム)氏とも直接交渉する権限があるという。

政治面では、女性初の香港行政長官Carrie Lam(キャリー・ラム)氏が「クリエイト香港」という政治方針のもとでファッション業界を始めクリエイティブな業界を支え続けている。


またある調査では、中国の女性の億万長者数が世界最多だという結果が出ており、中国人女性のパワーを象徴している。

こうした動きはファッション業界でも女性がさらなるリーダーシップを発揮するようになることを示唆しているとも言えるだろう。

ファッション業界を牽引する中国人女性たち

取締役員の約半分を一新したラグジュアリーブランドのRichemont(リシュモン)だが、新しいメンバーの1人に、ハーバード大学で経済博士号を取得し、国際貿易経済と中国経済を専門にするロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授のKeyu Jin(ケユ・ジン)氏が就任したことが話題になった。

というのも、ジン氏は取締役員メンバーに選ばれた最初の中国人女性ということになるからだ。

中国地元氏の副編集長は、このように語る。

「ジン氏の任命が特別な点は、彼女の意見が会社の全体方針に大きく影響するだろうということです。なぜならリシュモンの取締役会は昨年の損失以降、大きな発言権を得ているからです」

リシュモンは高級時計のための中国産ダイアモンド生産の不振によりここ数年苦しんでおり、最近香港発のライフスタイルブランドShanghai Tang(シャンハイ・タン)を売却した。

アナリストたちはリシュモンの取締役員の中に、同社にとって最重要マーケットである中国への理解が深い人物がいることが有利になるのは自明だと分析している。

他にファッション業界で注目すべき女性といえばXia Ding(シァ・ディン)氏で、最近中国の大手EコマースサイトJD.comの社長に就任した。

ディン氏は1000人以上のチームを指揮し、世界中の高級品やデザイナーズブランドのオンラインショッピングを底上げし、中国本土の小売産業の様相を変化させた人物の一人である。

さらに今年JD.comは世界中へのサービスを開始し、EコマースサイトFarfetch(ファーフェッチ)への投資、ニューヨークやロンドンでファッションショーを行ったデザイナーらの支援も行った。

さらに、ディン氏も出席していたロンドンファッションウィークでは、BFC(ブリティッシュ・ファッションカウンシル)・VogueデザイナーファッションファンドとJD.comが提携することが発表された。

これによって海外ファッションの中国マーケットへの参入が可能となる見込みだ。

最後の注目すべき女性は、6月にCondé Nast China(コンデナスト・チャイナ)の社長に就任したSophia Liao(ソフィア・リャオ)氏だ。

コンデナスト・台湾で長年マネージングディレクターを務めていた彼女は、コンデナスト勤続16年目にしての社長就任となった。