supreme(シュプリーム)が投資ファンドのカーライル・グループにその株式半分を5億ドル(約550億円)譲渡したことが話題となっている。

シュプリームの時価総額は、単純計算でおよそ11億ドル(約1210億円)にものぼる。

設立当初は、NYの1店舗セレクトショップにすぎなかったが、いまや、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」とのコラボで世界を熱狂の渦に巻き込んだりと、世界中に影響を与えるストリートブランドとして急成長をとげている。

創業者であるジェームズ・ジェビア氏は、斬新なビジネスモデルと、常識離れのプロモーションが成功には不可欠だったという。

今回の株式売却について、「我々のブランドは成長を続けており、さらなる成長のためにカーライル社と協力することにした。同社の専門スキルはシュプレーム社が1994年の創業以来着実に歩んできた事業をさらに安定させてくれる。カーライル社との提携によって我々はベストな業績を出すことに集中でき、我々のブランドをこれまで通りコントロールしていけるのだ」と、ジェームズ・ジェビア氏は語っている。

しかし、実は、シュプリームへ投資を行なっているのは、今回のカーライル社が初めてではないのだ。

https://godmeetsfashion.com/2016/06/30/supreme-world-famous-history/ 右がジェビア氏。

過去の投資家との秘密の取引

「ストリート業界のシャネル」とも評される世界で最もクールであり、商業的にも成功しているシュプリームの背後には秘密のパートナーがいたのである。

2014年にニューヨークに本拠を置く投資会社の『Goode Partners』は関連企業2社を経由してシュプリームの株を少数取得している。

Goode社の資料にもこの事実は明記されず、ジェビア氏も明言してこなかったが、Goode社のパートナーのキース・ミラー氏の会社のサイト上の経歴を見るとシュプリームの理事になっていることがわかった。

Goode社は業務支援の他に資金援助をシュプリームに行い、同ブランドの市場拡大に全面的に貢献してきた。

店舗展開も積極的に行なっており、2016年3月にパリのマレ地区で10番目の店舗をオープンし、先週ブルックリンのウィリアムズバーグ周辺では、ニューヨークで2番目に大きな店舗をスタートしている。

シュプリーム社は『ドーバー・ストリート・マーケット』を除いて基本的に卸売を行なっておらず、ECでの売り上げが全体の多くを占める。

だが、ストリートウェアブランドの将来性には疑問の声もある。

Goode社はシュプリーム社の株式保有について明言したくないようであり、その株式はすでに密かにカーライル社に売却されていると見られている。

今後のシュプリームは

今後、カーライル社がシュプリームの事業にどのように関わっていくかが注目される。

しかし、投資ファンドが株式を取得するということは、数年以内に企業価値を高めて売却することが目的であり、常にその売却先を探しているはずだ。

その相手には、コラボレーションでも話題となった「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の親会社であるフランスのLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)なども考えられるだろう。

また、マイケル・コースのように新規株式公開をすることもできる。

今後どのような道を歩もうとも、シュプリームらしくブランドらしさを保ちながらその道を邁進していくのだろう。

過去のシュプリームに関する記事

排他的カルチャーが生んだ Supreme(シュプリール)の魅力。

・ジャンルを超えたコラボ。『Supreme(シュプリーム)』が見せる多様性。

・【インスタで検索】Supreme(シュプリーム)の一流ブランドとの歴代コラボアイテムを振り返ってみた​​​​​​​