Gucci(グッチ)がリアルファーを廃止した。

ファーの廃止は2018年春夏コレクションから実施され、グッチは毛皮に反対する国際連盟Fur Free Alliance(ファーフリーアライアンス)にも加入したと発表された。

「ファーを使うことが本当に現代的だと思いますか?私はそうは思いませんし、それが今回ファーの使用をやめた理由です。ファーは少し時代遅れだと思います」とMarco Bizzarri(マルコ・ビッザーリ)CEOはコメントしている。

「クリエイティビティはファーを使う以外の方向にいくらでも発揮できます」

グッチのファー廃止宣言はCalvin Klein(カルバン・クライン)、Ralph Lauren(ラルフ・ローレン)、Tommy Hilfiger(トミー・ヒルフィガー)、Arman(アルマーニ)に続くことになる。

ファーをあしらったローファーなどの人気商品を顧みないこの決断はグッチの売り上げを制限することになるかもしれない。

グッチのファー商品による売り上げは年間1000万ユーロ(約13億円)で、それらは今後フェイクファー、ウール、新素材などの商品で補填されていくだろうということだ。

しかしながら、ミレニアル世代は上の世代よりもエシカル商品を好む傾向にあるため、この決断はグッチの購買層のおよそ40パーセントを占める若い世代を取り込むのに有利に働くかもしれないと見られている。

さらにビッザーリ氏は、「ファーフリーにならないと才能のあるデザイナーやモデルがグッチと働いてくれない」とビジネスパートナーとの関係性についてもコメントしている。

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ファッション業界に広がるファーフリーの流れ

カルバン・クラインは動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)と提携して1994年にファーの使用をやめた。ラルフ・ローレンは2006年、トミー・ヒルフィガーは2007年にファーの使用を中止している。

さらにファッションEコマースサイトYoox Net-A-Porter(ユークス・ネッタポルテ)は2005年にファーを店頭に置くことをやめたイギリス発のデパートSelfridges(セルフリッジズ)に続き、ファー商品を販売しないことを発表した。

ハイブランドの間でファーフリーを達成するにはまだ時間がかかりそうだが、9月のロンドンファッションウィークでは、Burberry(バーバリー)、Versus Versace(ヴェルサス・ヴェルサーチ)などのブランドをターゲットにファー禁止運動が起こるなどの動きもあった。

女性の社会進出にも積極的なグッチ

ビッザーリ氏は、グッチが100万ユーロ(約1億3000万円)を少女の教育や健康を促進するユニセフのガールズ・エンパワメント・イニシアチブに寄付すると発表した。

さらに同ブランドはジェンダーの多様性をブランドの第一優先事項に掲げ、現在60パーセント以上の雇用者が女性、さらに中間管理職の半数以上が女性という環境を作り上げている。

「ビジネスにおいてジェンダー、バックグラウンドの多様性は価値の創造につながります。多様性が創造性をはぐくみ、ビジネスインパクトをも生み出します」とビッザーリ氏は語る。

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