POSTED ON 2022年3月17日 2 MINUTE READ BY SIXTYMAGAZINE TEAM
オカモトレイジ(OKAMOTO’S)がゲストと共にK-POPを語る連載企画。本企画最終回はミュージシャン/コンポーザー/プロデューサーのサイトウ”JxJx”ジュン氏が登場。オカモトレイジがK-POPにK-POPと韓国の音楽シーンを牽引する”アーティスト”の才に着目した。
(本対談は2021年7月に実施いたしました)
–「もっと頑張るレイジさん」最終回は、サイトウ”JxJx”ジュン(以下JJさん)にお越しいただきました。まず最初に、K-POPを通したお2人関わりを教えてください。
オカモトレイジ(以下レイジ):あまり知られていないかもしれないですが、自分がK-POPにハマったきっかけを作ったのは、JJさんなんです。
『J×J× TV』という、めちゃめちゃコアなことばっかりやってる番組があって。そこの特集がきっかけで、ニュージャックスウィングにハマったんですよ。その時、SHINeeの『1 of 1』がリリースされたんですけど、それのリード曲がニュージャックスウィングで、そこからK-POPにもハマりました。
サイトウ”JxJx”ジュン(以下JJ):なるほど…、ありがとうございます!(笑)。
–間接的にJJさんに影響を受けていたのですね。
レイジ:そうです(笑)。
JJ:何もした覚えはないんですけれども…(笑)。
レイジ:そこから5、6年経って、JJさんもK-POPにハマっているという(笑)。すごく嬉しいサイクルが生まれていますね。
世界中のファンが作る、グローバルとローカライズの強さ
-JJさんはMAMAMOOの『HIP』でK-POPにハマられたとお伺いしました。
JJ:そうですね!それ以前だと、もともと僕の奥さんがBIGBANGが好きで「韓国のポップスターって凄いんだな」とザックリ思ってはいたんですけど、楽曲やメンバーのキャラクターを知るうちに、単純にカルチャーも面白いなと思ったんです。
レイジ:なるほど。
JJ:結果、その時点で練習動画も見るくらいにはハマりました(笑)。そこから1、2年で娘が産まれ、ZICOの『Any song』を聴くと娘が泣き止むので、何かと流してたんですよ。そしたらだんだん自分があの曲を好きになってきちゃって(笑)。レイジにもZICOの『Any song』の話をインスタのメッセージで突然入れたよね。K-POPホットライン的な感じで。
レイジ:そうでしたね(笑)。アイドルにハマる前のJJさんは、ハウスのイメージがあったので驚きました。
JJ:それで、UKのかっこいいハウスのレーベルが出していたEdit集にR&Bのサンプリングした良い感じのハウス曲があって。テイスト的に90年代のR&Bで…、「いや、これ英語じゃないな、もしかしてK-POPなんじゃないか!?」とか思ってたんですよ…。
レイジ:そのやりとり、結構前にしましたよね!「この曲何か知ってる?」っていうのをJJさんが送ってくれて、「これあれですよ、K-POPですね」って。
JJ:Red Velvetだったよね?
レイジ:そうそう、Red Velvetの『Automatic』ですね。ちょっと早回しして、ハウスアレンジになってた。
JJ:あれかっこよかったな…。よくDJでかけてました。それで、自分が好きなものとK-POPの繋がりも見つけて、更に楽しくなってきたって感じですね。で、僕は去年のコロナ禍で、そのままもう、一気に激しくハマってしまったって感じです(笑)。
レイジ:田中絵里菜(Erinam)さんが書かれた『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』という本があって、それの後書きに、“K-POPとwithコロナ”について書いてあって、めちゃくちゃ納得しました。
K-POPって韓国から世界に届けるため、色々なコンテンツを用意してるじゃないですか。それをずっとやってるから、コロナでライブが出来なくてもアプローチが出来る。K-POPが失速しなかったのは、“会えないエリアに届けるため”の試行錯誤を重ねてきたからなんですよね。
-ファンのコンテンツも多いですし。
レイジ:そうですね。グレーゾーンなところに対する許容範囲も広いというか。いわゆるメジャーレーベルだったら、海賊版的な映像は全部取り下げさせるけど、そういうのも、ファンによる字幕付き映像もOKにしていますし。世界中のファンが作る、グローバルとローカライズの強さにも感動しましたね。
JJ:そっか、まんまと楽しませてもらってますね。ありがたい。自分の中で加速していくのがすごく分かりましたよ(笑)。
R&Bを“自分たちのもの”にしている
-お2人にとって、一番衝撃を受けたK-POPの楽曲はありますか?20年、30年後でも聴き続けるだろう1曲は何でしょう?
レイジ:難しいな…。でも、俺は少なからず『1 of 1』かな。
JJ:なんだろうな…。広義な意味でK-POPということで、K-R&Bでも良いですか?僕はR&Bってリスナーとしてそこまで熱心追いかけてこなったタイプなんですが、ここに来て自分の中の秘めたR&B愛に気づけた、そして爆発した曲があって(笑)。なので、1曲選ぶなら、スミンという女性シンガーと、ジョージという男性R&Bシンガーがコラボした『Take care』かな。この曲、本当に凄いなって…。
レイジ:スミンって、マジで最高ですよね!
JJ:いやスミンは本当に最高ですね!って、思わずテンションあがってしまいましたが、韓国のR&Bシガー、アーティストのみなさん、完全にR&Bを“自分たちのもの”にしている感覚があって。「わ!R&Bってこんな身近な感じでやれるんだ」という感動がありましたね。
レイジ:分かります。僕もヒョゴのアルバムを聴いて「アジア人でもこの感じが出せるんだ」と驚きましたね。
JJ:そうそう、その感じ。
レイジ:アメリカの音楽を聴いても、体格の違いやゴスペルに慣れ親しんだ背景を感じて、「日本人が頑張ってもこんな厚みは出せないよな…」と思っていたんです。でも、韓国はキリスト教が多い背景もあって、自分のものに出来てしまう。因みに、J.Y. Parkは全く同じ事を桑田佳祐の『スキップ・ビート』を聴いて思っていたらしく、その行き来も面白い。アジア人でもファンキーな曲作れるんだって、J.Y. Parkが音楽を作るきっかけになったらしいです。
ー因みに、“R&Bの距離が近くなった”感覚を具体的にお伺いできますか?
JJ:自然にやっている感じというか…。“普通の事”みたいな感じに思えたんですよね。そう思ったきっかけは、まずそういった楽曲が沢山あって、しかも嘘みたいな話ですが、全部カッコ良かった(笑)。っていう奇跡のような状態だったので、そう思ったんですよね。それで、なんか若者が音楽をやる中で、「じゃ、バンドやろうか」みたいな選択肢の1個なのかなと思いました。僕はR&Bは選ばれしものがやる、またはやれる音楽と思っていたんですが、なんか本人のやる気で届きそうな感じというか。もし自分が若者だったら「やろうかな」と思えちゃう、そういうワクワク感があるんですよね。実際にはそんな簡単な話じゃないんでしょうけど(笑)。でも、それでもやりたいかもって思わせてくれる何かがあるな、と。
レイジ:韓国のR&Bのビデオや音から伝わってくる景色が、日本の景色に近かったというのは1つ距離を近く感じるポイントだと思うんですよね。アメリカだと豪華なクルーザーやシャンパンみたいなムーディーな雰囲気だったりするから、どうしても遠く感じてしまう。それを日本でやると、日本の景色じゃなくて海外の景色っぽいものになるというか、どうしても背伸び感が出てしまうと思うんです。でも、韓国のビデオってアメリカナイズされているアプローチが意外と無かったりするんですよね。
JJ:それもあるかも。もちろん音楽的な影響はめちゃくちゃ受けてるんでしょうけど。出てくる味が違うというか。
レイジ:洋楽の根付き方が日本と全然違うからこそ、背伸びしない感じがあるんですよね。
JJ:そういう意味では、英語の発音も上手いですよね、みんな。
レイジ:韓国語の感じに合わせて歌っているからかな?
JJ:自分たちの世代からすると“英語の授業でネイティブな発音を言うと笑いが起きる”みたいな風潮があったんですが、たぶんそういうのは韓国には無いのかな。とにかくのびのびやっていて楽しそうだなと。本気でうらやましい(笑)。いやあ歌が上手くて感動したのって久々だった。もう素直にかっこいいなと思ってます。それで、BIBIっていう女性シンガーがもうすごく良くってね…。
レイジ:TWICEの作詞とかやってる人ですよね!
JJ:そうそう!BIBIは基本R&Bだけどさらに自分流というか、立ち振る舞いやビジュアルもオリジナリティが炸裂してるようなタイプのシンガーだけど、そんななか歌に徹してる感じのやつがあって。Red Velvetをバンドサウンドにして、ちょっとネオソウルっぽい感じのアレンジの、リズムとか部分的にコードとかも変えた演奏の上で歌っていたんですよ。まずオリジナルを知らずにまずそれ聴いてたんですが、これは最高だな、と。K-POP聴かない人が聴いてもいけちゃう仕上がりというか。で、「じゃあRed Velvetのオリジナルはどんな感じかな?」と思って聴いてみたら凄くトリッキーなアレンジで。
レイジ:うんうん。
JJ:それで、そっちも最高だった!っていうのがありつつ、なるほどBIBIのカヴァーはメロディーはそのままだったんだ、と。ってことは、K-POPって、時に派手な打ち込みのサウンドプロダクションに思わず耳がいってしまうところがあるんですが、メロディ自体も、けっこう丁寧にしっかり作り込まれている音楽なんだなと思ったんですよね。それで、いろんな聴き方できるな、と。それで、たまにBIBIがやってくれるK-POPの曲のネオソウル化シリーズは最高!っていうのをここで言っておきます(笑)。いろんな聴き方と言えば、ペク・イェリンも大好きなんですけど、歌が素晴らしいのはもちろん、1曲アレンジでもろに、「あ!これはあの曲オマージュなのか」って分かる。好きすぎて導入なのかどうかわからないけど(笑)、ネオソウル系の元ネタが仕込んであったりとかで、ニヤリとさせてくれる面白さもありました。
他の音楽を知るともっとK-POPが面白くなる
レイジ:JJさんのK-POPセットが聴きたいです(笑)。多分JJさんは、元ネタはある程度分かるじゃないですか。K-POPアイドルもそうだけど、やっぱりサンプリングが超上手いから、絶対楽しいと思うんですよね。
JJ:そういう、元ネタとK-POPを行ったり来たりで両方楽しめるのは、個人的にもすごい好きなやつ(笑)。
-その楽しみ方は、いわゆるK-POPをまだ敬遠している人たちにも通じそうですよね。
レイジ:そうですね。通じそうですし、K-POPしかハマっていない人達にも知ってほしい。他の音楽を知るともっとK-POPが面白くなるはずなので。K-POP好きな人と話していても元ネタは全然知らなかったりして、教えてあげるとめちゃくちゃ喜ばれたりするんです。でもそれは揚げ足取りでもなんでもなくて、楽しみ方の1つの提案というか。元ネタ集みたいなのを、誰か書籍化して欲しいですね(笑)。分かり易いのだと、NCTの『90’sLove』はまさにBell Biv DeVoeの『Poison』。
JJ:おっと、ネタがデカくてやばい(笑)。
レイジ:『Poison』ってブルーノ・マーズでも使われていて。印象的なイントロだから、DJでイントロだけかけるとかたまに俺もやるんですけど、ここまでやると潔いというか、ユーモアにちゃんとなるんですよね。イントロ後は全く違うアレンジにしてるから偉いと思うし、本当にミュージックラバーだと思う。K-POPのそういうところが好きです。
-ロック、ダンスミュージック、ポップス、音楽感度の高い方々にオススメできるようなK-POPの楽曲やアイドルはいますか?
JJ:今のテンションだと、すべてK-POPをすぐにオススメしたいです(笑)。っていうのがありつつ、レイジから色々教えてもらった時にレゲエの曲あったよね、誰だっけ?
レイジ:Wonder Girlsですね。
JJ:あれ最高だった。どうもいくつかレゲエのテイストをもった曲があるっぽくて…。IUの『Troll feat. DEAN』とかね。K-POPを知らなくても、レゲエ的なフィーリングが感じが好きな人は楽しめるんじゃないかな?
レイジ:ありますね。EXOとか結構多いです、レゲエの曲。『Ko Ko Bop』とか、ちゃんとチャラくレゲエになってて超良いんですよ。『Love Shot』とかもレゲエですし。
JJ:チャラい仕上がりなのも良さそう。K-POPにはそういうところがあるかもしれない。あと、これはもしかしたら洋楽枠、US枠になっちゃうかもけど、CLの『LIFTED』もレゲエで最高だった…。
レイジ:懐かしいですね。かっこいいんだよな本当に。カリビアンな感じが良いですよね。
ただ洋楽っぽい事をやっているのではなく、独自のものになっている
JJ:あ、全然関係ないんですけど、余談いいですか。
-どうぞ!
JJ:YouTubeにf(x)の『4 Walls』を作ったUKのトラックメイカーの仮歌がアップされてたんですよ。それを聴いたら完全にただの洋楽だったんですよ(笑)。むちゃくちゃかっこいいんですけどね。それで、なるほど、あのトラックにK-POPのアーティストが歌うことによって、また意味だったり、面白みが生まれるんだなと思いまして。だから、ただ洋楽っぽい事をやっているのではなくて、結果、独自のものになっているのだなと。
言葉の発音だったり声色、その人達の個性でもあると思うんですけど…。BTSも完全に洋楽ですが、あの個性が乗る関係性に人々はグッと来ているのかなと思って。僕は完全にその方向にハマっているような気がする。
レイジ:そういうグッとくる感じは、完璧な人が完璧な容姿で完璧なことをやっても、それはそれで当たり前になりつつあるじゃないですか。そういう親近感も嬉しいですよね。
-K-POPを好きになった上で、音楽制作の面で何か与えられた影響など、何か循環はありましたか?
レイジ:俺はかなりありますね。そういうアレンジが加えられるようになったという点です。それを必要としているかどうかは曲によって良し悪しはあるし、あまりハマらない場合もあるので、全部がそうなったわけじゃないけど…。
うちのボーカルとギターが作った曲に、俺がプロデューサー的な立ち位置でそういう要素を足して、だいぶ良くなった曲とかあります。アレンジの引き出しはかなり増えたし、K-POPって凝ってはいるけど、様式美みたいなのはあるから勉強になりました。K-POPの何がすごいって、洋楽のヒットチャートみたいなのを100%ちゃんとポップスに落とし込んでいるんですよね。
JJ:そうかもしれないね。洋楽的という大枠になっちゃうけど、さっきのレゲエのやつとかもそうだよね。
レイジ:そうですよね。色んなジャンルから沢山の影響を受けているけど、やっぱりラジオサイズの3分尺のところにEDMのビルドアップも盛り込む。1サビ・2サビ・アウトローみたいなシンプルな普通の構成だけど、それを飽きさせない形にしているんですよね。
JJ:制作に関しては、僕はまだ導入しきれてないんですよね…。
レイジ:どうしよう、JJさんがSUPER JUNIORみたいに歌って踊る感じになったら(笑)。
JJ:それまずい、もしホットラインで相談したら止めてください(笑)。ちなみにK-POPからいただいたありがたいモノという意味では、僕はぜんぜん出来ないけど、やっぱりダンスって素晴らしいんだな!という気持ちっていうのがあります。リレーダンスも本当見入っちゃいますし…。
レイジ:リレーダンス風のビデオは全然ありですよね、みんなで一列になって入れ替わり。あんまり純粋な技術は見れないと思うけど(笑)、推しを探すみたいな。でもリレーダンスのカルチャーが根付きすぎちゃって、最近リレーダンス用に振り付け考えてくるアイドルが増えましたよね。今までって超シンプルに、音楽番組とかの待ち時間が長くてやることないから局の廊下とかで撮ってたんですよ。それが人気コンテンツになっちゃったから、ちゃんとスタジオで撮るようになって、数字が伸びているから専用で振付を作ってくるアイドルが出てきちゃって。
JJ:プラクティスビデオでも、それ用に仕上げてくるグループもありますもんね。
レイジ:そうなんですよ。「チェック用のビデオが良かったのになー」みたいな。やっぱりカルチャーって根付き始めるとつまんなくなっちゃうっていうのが、どこの界隈にもあるんですかね?
JJ:それでも、このスピード感で発展をしていくのは凄いですよね。
レイジ:凄いですよね。別にリレーダンスでも何でもないじゃんっていう状態から始まってるんですから。
JJ:勝手に進化していく。でも、ちょっと寂しさもある…か(笑)。
超純度の高い、リスナー視点で聴ける
JJ:因みに韓国の音楽業界って、どういう仕組みになっているんですか?例えば、JYPやYGが音源を制作して、リリース自体もしているんですかね?
レイジ:そうですね、事務所とレーベルが一緒ということですね。メジャーとかインディーズが無いというか。韓国って2006年辺りからサブスクが定着し始めているから、レーベルって言ったもの勝ちみたいなところがあると思うんですよね。それをメジャーな事務所も気づいちゃってるというか。だから自社で作って全部やってるんじゃないですかね。
JJ:なるほど…。こんなに何も分からず楽しんでるの久々なんですよ(笑)。すごく知りたがりというか、そういう背景みたいなのもひっくるめて楽しみたい派なんですけど、何もわからないまま聞いてます。すごく新鮮で、まっさらな自分になれる(笑)。
レイジ:分かります、その魔法ありますよね。もう、韓国のアイドルだったら絶対に会えないって割り切れるから、超純度の高いリスナー視点で聴けるのがいいんですよね。遠すぎず近すぎず、でもまぁ絶対会わないだろうな、絶対交わらないだろうな、みたいな。
JJ:それそれ!すごい楽しいんですよね。
レイジ:でもそれって、音楽的な楽しさですかね?JJさんは「この子可愛いな、かっこいいな」みたいな感覚はないですか?音楽コンテンツじゃないバラエティ番組とか、誰か日本人が字幕付けてくれたビハインドシーンみたいなのをずっと見ちゃうとか?
JJ:無いかな…。でも、BTSとZICOは結構見ちゃってるってことは…(笑)。
レイジ:ナムジャなんですね!ナムジャっていうのは男の子、ヨジャが女の子。同性アイドルを追える人は少ないのでいいですね…。
K-POPはパッケージへの執着が無い
JJ:そうそう、サブスクじゃなくて、K-POPの高音質な音源が欲しくて。これどうしたらいいか聞きたかったんですよね。
レイジ:CD買って、それを読み込むってことになるんじゃないですかね?
JJ:そういうことか、CD。フィジカルだ。
レイジ:俺はアイドルとしても好きなので、もうCDを買っちゃうんです。ただ、そのフィジカルすら出てない人もいるから、それはもう諦めるしかないですよね(笑)。韓国のフィジカルって安く抑える作りをしているからか、めちゃめちゃ粗いんですよ。だから音楽的なところも、「別にMP3で聞ければいいでしょ」みたいな感覚なのかな?わからないけど(笑)。
JJ:そうか(笑)。7インチのアナログももっと欲しいよね。BTSもこの間出していたし、K-POPもたまに出たりしてるのかな?韓国のR&Bの7インチも欲しいなって。
レイジ:多分、あまりパッケージへの執着が無いですよね。少し前に出た少女時代のテヨンのアナログは、12インチのシングルで9000円くらいしたんですよ、もうめちゃくちゃ高くて(笑)。
JJ:出た、そのパターン(笑)。
レイジ:それでも買っちゃうんですけどね(笑)。そのラベルにデカデカと“Made in Japan”って書いてあって。日本で作って韓国に送って、また日本に送ってるから高くなってるんです(笑)。だったらもう日本のレーベルで管理して、日本の売れる値段で売れば良いじゃんと思うんですけど。
Made in ChinaとかKoreaの工場で安く雑に作るものが多い中、テヨンが「いや私はMade in Japanでやってます」みたいなアピールをちゃんと盤面に出していて(笑)。「9000円でもファンは買うでしょう」みたいな。案の定、テヨンのレコードをスクリューで聴いたら超良くて。
JJ:おお、そういうのも面白そうじゃないですか!
レイジ:面白いですよね!スクリューっていうのは回転数をめっちゃ落として音を聞く方法で、“DJスクリュー”って人が開発したかけ方なんですけど、ジャンルでもあるし技の名前って言ったらいいんですかね?
JJ:技であり、そしてジャンルになってますよね。
レイジ:そのスクリューはやっぱり、データでやるよりアナログでスクリューするのが一番いい。テヨンのアナログも、すごく良かったんですよね。みんなもやってみて欲しいです。もう、ライセンス持っている日本のレーベルがコンピレーション・アルバムとか出して欲しいですよね、SMの黄金期の曲だけが10曲とか入っているアナログとか。
JJ:20年後ぐらいにアナログで聞いても、また味が出るし、結構欲しい人いるんじゃないかな?R&Bもどんどん出してほしい、ごめんR&Bの話ばっかりで(笑)。
レイジ:JJさんのR&B遍歴を聞くと、ますます韓国行きたくなりますね。コロナ明けの韓国旅行、半端ないと思うんですよね。
JJ:そうだね、もちろんドラマや映画の影響もしっかりあるので。真っ先に行きたいです。
レイジ:SOAP SEOULがなくなっちゃったのはショックですね。それこそスミンとかも出てた、アンダーグラウンドのR&Bとかエレクトロ界隈の人たちがこぞって出るクラブがあるんですけど…。
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JJ:コロナの影響で無くなったの?
レイジ:多分そうですね。ローカルスターがいっぱいいるし、ステージやビジュアルもめっちゃ作り込んでて、一度は行ってみたかったです。
JJ:Instagram見ても、本当に充実してるね、アーティストの層が厚い。韓国へ行けるようになったら、現地のクラブ情報ももっと知りたいな。
レイジ:ですね!今後も情報交換しましょう。
Photographer:Maho Korogi
【サイトウ “JxJx” ジュン】
ミュージシャン/コンポーザー/プロデューサー。武蔵美術大学基礎デザイン学科卒業。オリジナルな生音ダンスミュージックを追求するインストゥルメンタルバンド、YOUR SONG IS GOOD(ユア・ソング・イズ・グッド)のキーボード/リーダー。近年ではメインコンポーズ、プロデュースを担当。2002年カクバリズムより1st EPをリリース。2006年から2010年、ユニバーサル・ミュージックよりメジャーリリース。以降、これまで6枚のオリジナルアルバムをリリース。FUJIROCKフェスティヴァル等の大型野外フェスへの出演、日比谷野音ワンマンを敢行するなど結成20年を越えてなお精力的に活動中。TV、舞台など、楽曲提供/プロデュース、REMIXワークなどの音源制作は多数。2005年より音楽専門チャンネル番組メインMC、ラジオパーソナリティ等も数多く務める。また交流を深めるハワイの音楽レーベルALOHA GOT SOULを招聘した音楽&ARTイベント「SOUL TIME IN TOKYO」のオーガナイズ、川辺ヒロシ(Tokyo No.1 Soul Set)とのDJユニット、DISCO MAKAPUU(ディスコ・マカプー)の始動と、その活動は多岐にわたる。
Instagram:https://www.instagram.com/jxjxysig/?hl=ja
Twitter:https://twitter.com/jxjxysig
【オカモトレイジ(OKAMOTO’S)】
1991年生まれ、東京都出身。中学校の同級生で結成された4人組ロックバンドOKAMOTO’Sのドラマー。
2010年CDデビュー。デビュー当時は年間平均100本を超えるライブを展開し、海外公演等も積極的に実施。幅広い音楽的素養を生かし、DJとしても活動中。さらにファッションモデルとしての活動やMVのプロデュース、また、自身でエキシビジョンを手がけるなど、クロスジャンルな活躍で現代のカルチャーシーンを牽引。
2019年には10周年イヤーを迎え、全国20か所21公演を廻る全国ツアー「OKAMOTO’S 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2019 “BOY”」を行い、6月27日のファイナルは初の日本武道館公演を敢行し大成功を収める。その後、初の中国ワンマンツアーを北京と上海で行い両会場ともSOLD OUT。
2021年は、1月に配信シングル「Young Japanese」を皮切りに、「Complication」「M」「Band Music」「Picasso」と怒涛の勢いで新曲を発表、その活動の勢いは止まることを知らない。9月29日に9枚目のオリジナルアルバム「KNO WHERE」をリリース。10月8日より全国16か所18公演をまわるライブハウスツアー「OKAMOTO’S LIVE TOUR 2021″KNO WHERE”」を開催した。
Label : Sony Music Labels
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オカモトレイジ
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