先週水曜日から5日間の間、タイ前国王の火葬が行われ、喪に服していたタイのファッション産業に新しい動きが見受けられる。

1年間黒い服に身を包んできた国民

去年10月13日に前国王がなくなると、首相は政府関係者には服喪を要求し、また国民には「控えめな色」の服を着るように促した。

当初服喪は1ヶ月間のみの予定だったが、前国王は国民に広く親しまれた存在でもあり、タイ国内は約1年間、モノクロの服のみで過ごしてきたのだ。

ブランドのルイ・ヴィトンからザラに至るまでデパートのショールームは白黒ばかりになり、アパレル産業を中心にタイ経済は落ち込んだ。

調査機関によると、去年は5.7%増だったアパレル業界の成長率は今現在1.9%まで落ち込んでいる。

他にもイベントのキャンセルや、観光事業の停滞、小売業では特にアルコール飲料の売上げが低下したが、そのような状況でもアパレル産業は必死の努力を続けた。

ファッション売場ではモノクロ商品点数を増やし、国内ブランド「Asava(アサバ)」は黒い服の売り上げを50%以上もアップさせた。

タイ経済、復活の兆し

前国王の火葬が終了した今、タイアパレル業界が再び活気を持ち始めている。

タイ銀行の最新報告書によると、国内GDP成長率は現在3.8%と過去5年間の中で最も勢いがあり、アパレル関係者は10月以降には消費が上向きになると期待している。

一方、慎重な意見もあり、タイ前政権は国民に家や車を所有するよう促したことから、国民の多くは多額のローンを抱えており、個人消費がどのくらい回復するかは不透明だという予想もある。

しかし、観光業は確実に回復する見通しがあり、ひいては経済も好転すると予想されている。

観光業は現在タイの経済利益の12%を占め、観光庁によると2018年には91億ドルの観光収入を見込んでいる。

調査機関によると2017年以降個人消費は回復し、2016年までは個人消費が1.7%増加だったが、2021年までには4.1%増加すると考えられている。

不安要素もあるが、今後のタイ経済とファッション界が再び動きだす兆候が見受けられる。