POSTED ON 2022年2月24日 1 MINUTE READ BY 田嶋 嶺子
アーティスト、女優、モデル。様々な分野で挑戦を続ける”仲万美”に21の質問でインタビュー。椎名林檎やマドンナなどそうそうたる著名人とともに世界を回った20代前半、そして今は女優として進み始めた演技の道。変化を恐れず進む彼女は、どんな言葉で生き様を語るのだろうか。
Q1:ダンスに興味を持ったきっかけを教えてください
母親が元々ミュージカルダンサーだったんです。それもあって、私が5歳のときにダンスをやりなさいって言われたのがダンスを始めたきっかけです。
ほぼ無理矢理やらされたのがきっかけなので、正直最初は全く興味はなかったです。自分からダンスが楽しいって思えたのは中学生ぐらいだと思います。
Q2:そこからダンサーを職業にしたときの心境は?
ダンサーになりたいっていう夢があったというよりは、ただただ踊っていたらダンサーになっていたという感覚で、自分で望んで決めた、というのとはちょっと違うかもしれないですね。今では、ダンサーといった肩書きも卒業させていただきました。
Q3:椎名林檎さんのツアーが楽しかったとお聞きしました。印象的だったエピソードはありますか?
昔から椎名林檎さんの大ファンだったので、夢のようでした!
印象的だったのはテレビ収録のリハーサルのときに、カメラアングルがちょっと悪かったらしくてダンサーである我々が全然映っていなかった時があったんです。その時に、「この2人はダンサーではありません、アーティストです」っていうふうに抗議してくださって。わあ、この方は何て方なんだっていう。衝撃でしたね。
Q4:マドンナやBoaのバックダンサーなど、海外で活動するときに感じた日本との違いを教えてください
一緒に活動する人のタイプにもよりますが……。アメリカで活動していたときは、時間に対する考え方が日本と違いすぎて戸惑いました!いい見方をすると、時間にとらわれないで自由気ままにやってるっていう感じでしたね。(笑)
Q5:女優としても活動なさっていますが、新しいことにチャレンジするときのコツは?
思いきりです!もう飛び込むしかわからないので、とにかく飛び込んでみることがコツです。
自分もまさか女優さんのお仕事をやると思っていなかったです。でも、駄目だったらその後考えればいいし、ポジティブですね、とっても。
Q6:演技とダンス、一番の違いはなんですか?
大きな違いはセリフと役名があるかないかですね。でも、ダンスするときも普段の自分とは違う「仲万美」を演じている面もあるので、演じることに関しては共通する部分があります。
Q7:普段好きなファッションスタイルはどんな感じですか?
自分のシルエットが見えるのが好きですね。もちろんダボってしてる服も好きなんですけど、どこかしらシルエットはでてるかと思います。昔はもっと奇抜なものが好きだったんですけれど、今はもうシンプルになってきましたね。
Q8:タトゥーがめちゃくちゃかっこいいです。モチーフに込めた意味を教えてください。
今全部で19個入っているんですけれど、全部に意味があります。
胸の太陽は、太陽のような人になりたいからです。笑ってることがすごい好きなので、人を温かくして笑わせていたいんです。
あとは両肩に鹿のツノのマークがあるんですけど、これは生涯万美である誓い。一番最近入れたのは先日の誕生日の時で、自分の生まれた時間と時計の歯車を入れましたね!
Q9:一人称が「ぼく」ですよね。いつ頃からそう呼ぶようになりましたか?
気付いたら、ですね。でも小さい頃からではなかったです。
ただ言いやすいっていうだけなんですよ。すごいマニアックなんですけど、「ぼ」っていう破裂音が好きなんです。逆に、「わたし」は3文字もあるし、ちょっと面倒くさいなっていう。
あとはアニメオタクだからっていうのもあるかもしれない。アニメがすごい好きで、自分でも無意識に影響を受けているのかもしれないです。
Q10:自分自身のあり方とか指向に、違和感や葛藤を感じる若い世代に一言アドバイスをください。
違和感あって当たり前だと思いますよ!人はみんな違う顔で、みんな違う髪の毛で、みんな違う身長で、みんな違う腕の長さで…って違いがあるから、そこに違和感があって当たり前なんですよ。もちろん脳みそも一人一人違いますし。
だからみんなに合わせたところで、「私本当はこうじゃないんだよな」ってモヤモヤするのは当たり前だと思うんです。人それぞれ違うので、目立ってナンボだと思いますよ。
私も学生時代からすごい目立ってました。いじめられたこともありましたけど、ダンスがあったからここまでこれたかな。そういう意味では、どこかで何か逃げ道を絶対作った方がいいと思う。たくさん悩んで!って思います。
Q11:活動名である「万美」の由来はなんですか?
高校1年生のときに、5人組の女の子チームで一緒にダンスをやってたんです。その中でディズニーのバンビに似てるから万美って呼ばれるようになりました。
それがいろんなところで広まって、ついには初めましてで出会う人にも「万美っていうんでしょ!」って声かけられて。結局誰も本名覚えてくれなくて、そこから活動名として決めた感じですね。
Q12:幼い頃に影響を受けたアーティストはどなたですか?
大好きなアーティストたくさんいます!バンドだったら椎名林檎さんとかBUMP OF CHICKENさんとかが大好きです。
ダンスで影響したのはブリトニー・スピアーズです。中学生の頃に誕生日プレゼントで父親からブリトニーのミュージックビデオのDVDをプレゼントされて、それをずーっと見てました。
いまだにブリトニーの曲を聴くと一番テンション上がります。原体験的な感じですかね。中学生には刺激が強いんですけれど、Toxicとかもずっと踊ってました。ずっと踊ってた。懐かしい。
Q13:現在のインスピレーションの源を教えてください。
あんまりないんですよね…。影響されたくないので、いろんな人のダンスの映像とかもむしろ見ないようにしているくらいです。インスタとかツイッターとかで出てきたらシュッってやります。もちろん大好きなダンサーさんもたくさんいらっしゃるんですけど、大好きだと思うだけで自分からは見ないです。
Q14:どんなジャンルでも結構なのですが、これだけは譲れないこだわりはありますか?
左右対称じゃないと落ち着かないですね!以前、50人くらいの生徒さんがいるダンスの作品をやらせていただいたのですが、みんなに並んでもらって身長調べて、シンメトリーになるようにフォーメーション作ったりしたことも…。
Q15:最近ハマっていることはありますか?
自分アニメオタクで。アニメも漫画も大好きなんですけど、最近フィギュアを好きになってしまって集めてますね。ハマってます。
–ちなみに何のフィギュアですか?
全部ワンピースです!今10個以上はあるかな。ワンピースのグッズを集めるのがちょっと今ハマってしまって。ワンピースとABCマートがコラボしてる靴とか。履かないのに買っちゃった。感動しちゃって。
Q16:オフの日の過ごし方を教えてください。
ずっとアニメを見てます。朝から晩までずっと流しっぱなしです。
ダンスの練習も絶対しないです。毎日カレー食べたらカレー嫌いになっちゃうじゃないですか。それと一緒で、踊ることは好きなんですけど休みの日には離れるようにしていますね。
Q17:仲万美としての活動を通して伝えたいことはなんですか?
「Juliet aria」っていうアートプロジェクトを去年作って、第1回目として「DustBunnySHOW」という舞台をやらせていただきました。その中では、女の子の美しさと強さっていうものをまず伝えたいと思って。
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バレエダンサーやポールダンサー、アクロバットダンサー、ブレイクダンサーがいたりして、見た目もジャンルも全部バラバラの子たちに集まってもらいました。一人一人美しさを持っていて、でも強さも持っているんだよっていう。
あとは、主人公である自分が1人もがくんですけど、その中で「誰かのために生きているのではない」っていう歌詞があるんです。本当にその通りだなと思って。
だからさっきの質問にも共通するんですけれど、若い子たちに伝えたいことも自分のために生きましょうっていうことですね。
Q18:活動する上での変わらない軸はなんですか?
お仕事でどんなに疲れている時もずっと笑ってたりとか、何があっても弱音を吐かないとかは変わらないですね。どんな立ち位置になっても、自分が偉くなっても、逆に自分がすごい下の位置になったとしても嫌なものは嫌だってちゃんと言ったりしたいですね。仲万美は本当に絶対ブレないと思います。
Q19:飼っていらっしゃるとんすけくんが可愛すぎます!どんな存在ですか?
私の全てです!この子のために働いてます。だって僕が職をなくしたらこの子はご飯も住む場所もなくなっちゃうから。
僕は1人で食べるご飯が大嫌いなので、自粛のときに食べれなくなっちゃったんですよ。でも周りからとんすけのためにもちゃんとご飯食べなさいって言われて、確かにそうだよなみたいな。
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映画『バンビ』の相棒の名前がとんすけっていうんですよ。本当に私にとっても相棒ですね。
Q20:年齢を重ねて変わってきたことはありますか?大人になったな、と思う瞬間は。
ビビリになったなって思います。若い時ってやっぱ怖いもの知らずじゃないですか。後先考えず、イエーイみたいな。それで失敗してもケラケラ笑っててられたのが、だんだん考えるようになってしまいましたね。
ポジティブな面だと歳を重ねるにつれて、責任を背負うようになったことですかね。割と燃えるタイプなんですよ。よっしゃ、やったろみたいな。
Q21:今後の展望を教えてください。
正直、わからないです。ほんと人生何が起こるかわかんないので、お仕事もプライベートも。でも、自分が行きたい道に自分が操縦すれば、行く道に行くと思うんですよね。だからまた職業すら変わるかもしれないですけれど、好きなことを好きなだけやってると思います。
Photographer:Maruyama Momoko
Interview&Text:Tajima Ryoko
【仲万美】
5歳からダンスをはじめ、20年以上のキャリアを誇る。これまで加藤ミリヤ・BoAなどのバックダンサーを務め、2015年にはマドンナのバックダンサーとしてワールドツアーを約1年半同行。2014年・2015年・2016年・2019年には、NHK「紅白歌合戦」において椎名林檎アーティストダンサーを務め、2016年には、リオデジャネイロパラリンピックの閉会式における、日本のプレゼンテーションにも参加するなど、世界的にも活躍。2019年1月に岡崎京子氏原作の話題映画「チワワちゃん」で女優デビューを果たし、舞台Rock Opera『R&J』では、ヒロイン・ジュリエット役に抜擢。その他、雑誌・広告・CM・MV・イベントに数多く起用されるなど、今後の活躍も期待される。
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