那須川天心

3月のメインビジュアルは格闘家の那須川天心が登場。

今回はバンコクのストリートシーンをけん引するCARNIVALとカメオ。「NEVER SETTLE」をテーマに各ジャンルで活躍を遂げる那須川天心の”落ち着かない”生き様と世界に挑戦するアジアンアストリートを落とし込む。

 

3月のテーマは「NEVER SETTLE」(=落ち着かない)ですが、那須川さんも様々なフィールドを横断的に活動されていますよね。まずはその原動力となるものを教えてください。

なんだろうな、一言でいうと”わくわくするかしないか”、”面白いか面白くないか”、ですね。シンプルにそれだけで生きているので。

どんなことに対しても一貫して?

一貫してますね。やっぱり、やってみることって大事だし、やってみないと良かったのか悪かったのかも分からないので。興味ないものだったら、一切いかないですね。

那須川さんが「これはおもしろいな」と思うポイントは何でしょう?

知らない文化やカルチャーを知れることは興味深いですよね。あとは提案していただくものに、斜め上の角度の視点や個性があるとときめきます。周りと違う魅力があったら面白いって思いますね。

 

3月のテーマ「NEVER SETTLE」に付随して、那須川さんが“落ち着かない”タイミングや時期はありますか?

昔から落ち着きがないんですよ。母親や学校の先生からもずっと注意されてて、とにかくじっとできない。高校受験の面接でも、話せるけど待ち時間にじっとできないから、そこをチェックされて落ちるよって言われてたくらいで(笑)。ちなみに受験はいざ本番になったら、トップバッター(笑)。だから幸いにも待ち時間が無かったんですよね。待たずに面接して、受かりました。そういう運もありますね(笑)

 

ボクシングへ転身、新たな挑戦や開拓になるかと思います。挑戦に対して不安を抱く方も多い中で、那須川さんなりのアドバイスをお願いします。

むやみやたらに「やれ」とは言えないし、思わないのですが。本当に自分がやりたいことって、自信をもって周りに言えると思うんです。そこは大事だと思います。友達や家族に止められても、突き進める。それくらいやりたいことへの自信や確証を持って「でも俺はやるから」って100%思えるよう、否定されても周囲とコミュニケーションを取ることは必要だと思いますね。自分の熱意を再確認できると思います。

自分自身で決めたことだから、失敗しても後悔をしないという。

そうですね。やっぱり、まずは信念が大事ですよね。

 

とあるインタビューを拝見し、YouTubeを戦略的に取り組んでいらっしゃることが印象的でした。惰性にせず、真摯に向き合っていらっしゃるというか。YouTubeも「やると決めたから、やりきる」精神に通じますよね。

そうですね。格闘技だから、YouTubeだから、で分けるのではなく、全て同じラインにあるんですよね。第一線で活躍されるトップの方と話しても、みんな伝え方は違うけど、思ってることは同じで。各界のトップの人も、「〇〇だから」って手を抜かない。自分もやるって決めたからには、一緒に活動してくれる人がいて、仲間がいるから、そこは手を抜かずに真摯にやっていきたいですね。

私もそうなのですが、どうしても肩書きや取り組みに先入観を持って中身を決めつけてしまうことも多いと思います。そこは自分でも想像力をもって、それぞれの言葉を読み解いていくことも大事ですよね。

そうなんですよね。例えば焼肉屋さんが焼肉の話をしてても、「これ格闘技に通ずるな」って思うんです。どんなジャンルでもアンテナを張って、吸収してやろうって思ってるので。

 

他ジャンルの話をすると、那須川さんはファッションもかなりお好きですよね。ご自身の心境などはファッションに影響しますか?

個人的にファッションは、かっこいいか、そうでないかが大事ですね。値段が高いから良いとか、安いからダメとかは無いですね。作ってる人の背景や思いを汲んで選ぶことが多いかな。

記者会見のスーツも毎回素敵だなと。

あれ、いいですよね。堂々と着てあげないと、洋服にも失礼ですし。自分の個性をしっかりファッションで表現していきたいですね。

試合時のパンツやガウンなど、衣装はどうでしょう?コンセプトはどのように決められてますか?

基本は髪色に合わせて衣装を選ぶことが多いですね。ガウンも、僕が着る前はそこまで流行ってなかったんですよ。ちなみにガウンって、元々ストンって、起伏の無い形だったんです。当時高校生だったかな?僕はスタイリッシュなモノが良くて、体のラインに絞った型を新しく作りました。ほんと、全て0から作って、今はそれが主流になって来ましたね。

 

因みに、格闘技のパンツや型に流行はあるのでしょうか?

多分流行はないと思いますね、人によってかな?後はスポンサーさんによって使う色も変わりますし…。僕はそこまで気にせずに作っていますね。

格闘技もそうですが、どこにでも自分がいる業界しか知らない人って多いと思うんです。だからこそ僕は、色んな業界や人にあって、カルチャーを取り入れていこうと思っています。

那須川さんが思う、格闘技以外の業界の方に楽しんでもらうフックとは?

やっぱり、ただ「試合します」じゃ見てもらえないですよね。格闘技を見てもらうためにYouTubeやTVに出る。強いっていうのは前提で、オンリーワンの存在にならないといけないと思います。ファッションでもトークでも、なんでもいいけど「なんだこいつ」って気になってもらえる、そういうフックを増やしたいです。

 

格闘技に対するイメージはご自身の活動でどう変わっていますか?実際に感じたことを教えてください。

やはり、変わってますよね。小さい子からめちゃくちゃ声をかけられます。小さい子ってヒーローとか戦隊モノに憧れるじゃないですか、それの実写版みたいな感じなんですかね?

例えば、アンパンマン、仮面ライダーの並びってことですよね?

それはやばいですね(笑)。仮面かぶってないヒーローですね。しっかり顔を認識してくれているのは嬉しいです!

 

インスタグラムでも音楽をよくシェアされていますが、那須川さんにとって音楽とはどのような存在ですか?

ずっと「人によって音楽の好みが分かれるのは何故だろう」って考えてて。結果、それは波長だと思うんですよ。人でもあるじゃないですか、一回しか会ってないけど「こいつ仲良くなれるな」って人。音楽もそれと同じで、自分で自分の周波数をもってて、それに音楽が合ってるか合ってないかだと思うんです。自分がイケイケの時はそういう人や音楽に出会うし、そうじゃないときはネガティブなものが集まる。音楽は自分の波長を表す指標にもなると思いますね。

自分のテンションにあった音楽を探して、聴かれるのですね。シェアされている音楽の幅も広いですよね。

そうですね、まじで聴くジャンル広いですね。バンドもラップもEDMも聴くし、ほんと色々聴きますね。試合前もその時の波長に合うものを選んで聴いています。引き出しを増やすと、波長にドはまりする曲が増えるので楽しいです。

 

ちなみに、最近の波長の合う曲は?

なんだろうな…。kZmさんの『Aquarius Heaven』ですかね。友達の堀米雄斗がずっと聴いてて、ハマりました。雄斗が僕の家に1週間くらい滞在していたので、ずっと2人でノリノリで踊って、めちゃくちゃ楽しんでましたね(笑)。

楽しかったんだなっていうのが、今も伝わります(笑)。

そうなんですよ(笑)。そう、音楽ってそれぞれに思い出があるじゃないですか。あの頃聴いてた曲の、温度感や思い出、匂いを思い出せるのが素敵ですよね。

 

最後に、今後試合も控えていらっしゃいますが、展望をお願いします。

4月と6月の試合でキックボクシングは引退するので、僕の蹴りを見れるのは後2回しかないってことなんですよ。なので、是非見てほしいですね。あとは、格闘技に限らず色んなジャンルの物事に挑戦したいです。その中で今と変わらず応援してもらえたら嬉しいし、僕の姿みて「やってやろう」って奮い立つ人がいれば幸せです。

 

Model:Nasukawa Tenshin
Photographer:Horie Yuri
Stylist:Tachibana Shogo
Stylist Assistant:Abe Junya
Hair&Make:Ikedo Asato
Visual Design:RELESS
Interview&Text:Yoshimura Ayaka

〈Costume credit〉
TOPS&JACKET:CARNIVAL

〈那須川天心〉
5歳から極真空手を習いはじめ、メキメキと実力をつけ、小学校5年生でジュニア世界大会で優勝。 小学校5年生でキックボクシングに転向し、2014年58秒でKOという快挙を成し遂げ衝撃のプロデビュー。 史上最年少16歳でRISEのバンタム級王座を獲得。 天才的なセンスとテクニックでほぼ全ての試合でダウンを奪い、 そのKO率の高さから、「神童」、「キックボクシング史上最高の天才」、「ライトニング・レフト(稲妻の左)」などと称されている。 2022年6月にキックボクシングを引退し、ボクシングへの転向を表明している。

戦績 : 45戦 45勝(32KO) キック 40勝(28KO)/MMA4勝(3KO)/MIX1勝(1KO)

<ニュース>
那須川天心RISEラストマッチ
「Cygames presents RISE ELDORADO 2022」
4月2日(土)@国立代々木競技場 第一体育館
詳細は公式HPへ