POSTED ON 2022年4月20日 1 MINUTE READ BY 田嶋 嶺子
2021年12月のRIZINにて、鮮烈な勝利でデビューを飾った19歳の三浦孝太選手。
勝負強さに加え、10代とは思えない落ち着きや、本人のセンス溢れるSNSのスタイルなどが日本のみならず世界中で話題となった。
サッカー界の伝説である「キングカズ」こと三浦知良選手を父に持ち有名人一家で育ったゆえの葛藤、人生を懸けている格闘技への思い、そしてプライベートに欠かせない相棒の存在。次世代のスターとして輝きを放つ三浦孝太の生き様に、21の質問で迫る。
Q1.自分自身の性格を一言で表すとしたら、どんな人ですか?
自分ではしっかり考えて行動しているつもりなんですけれど、周りからは「ピュア」「ふわふわしている」と言われます。逆にカメラや人前では全然緊張しないんですよね。
Q2.幼い頃はどんなお子さんでしたか?
今とは全然違って、本当にヤンチャでした。不良とかではないんですけれど、家族に恵まれていることとか、周りも真面目な子が多い環境に反発していましたね。
お父さんとお母さんにはたくさん迷惑をかけました。今は友達と口喧嘩するのも嫌なくらい落ち着いていますし、自分はそういうキャラじゃないなって思います。
Q3.格闘技に興味をもったきっかけを教えてください
お父さんがボクシング好きで一緒に観ているうちに、那須川天心さんをはじめとした総合格闘技の選手たちの活躍を知って興味を持ちました。
Q4.総合格闘技を始めた当初の目標はなんでしたか?
RIZINに出ること。でもまさか最初から叶うとは思ってもいなかったので、RIZINに出られるように経験を積んでいこうと思っていました。
Q5.では、今の目標は?
一番最初に一番いい舞台に立たせてもらったので、今後が大変だと自覚していますし、これからもRIZINに見合う選手でいないといけないと思っています。
自分はまだまだ天心選手や朝倉選手のようなトップレベルには遠いので、まずは1試合1試合、目の前の対戦相手に勝つことに全集中しています。経験を積んでいくことで大きいものが見えるようになると思うので。
Q6.三浦選手からみた、格闘技の魅力はなんでしょうか?
格闘技は強くなればなるほど、心も大きくなれるなと思っています。痛みもわかる分、人としても成長できるんじゃないかと。それはこれまで自分が出会ってきた強い選手や、格闘技以外でも一流の方たちを見ていても感じることです。
Q7.ボクシングの前はサッカーをご経験されているとのことですが、サーフィンなどもされるとか。格闘技以外にも好きなスポーツはありますか?
サーフィンは年に1、2回ですね。サッカーは中学まで続けていました。関東大会まではいけましたが、お父さんと比べて見られると自分はプロになれるほどの実力ではなかったです。今は格闘技がスポーツの中で一番好きです。
Q8.先ほど、試合前でもあまり緊張しないとお話しされていました。平常心を保つコツはなんでしょう?
小さい頃から、人前に立つことであまり緊張したことがないんです。いろんな人に見られていることで気持ちが落ち着くくらいなので、逆に人が見ていないような試験や練習の時の方が緊張します。
とはいえ、RIZINのデビュー戦の時は自分でも緊張するかもしれないと思っていました。変に固く考えたくなかったので、前日の夜も家で兄貴の友達とゲームしたりして普段通り過ごすようにしました。
Q9.普段モチベーションを上げるためにどのようなことをされていますか?
試合が決まると、自然とモチベーションも上がります。逆に試合など予定がないと気持ちが上がらないこともあるので、そういう時はあえて格闘技から離れる日を作るとリフレッシュできたり、練習していないことに対する焦りが出てきますね。
あとはちょっと変かもしれないんですけれど、表参道や高級住宅街のような華やかな街を散歩すると、自分も頑張らないといけないなとやる気が出てきます。
Q10.服も大事な要素かと思います。会見時のワインレッドのジャケットや試合の衣装はどうやって決めましたか?
会見の時のジャケットは父親が用意してくれていたんです。入場の時に着ていたパーカーは自分でデザインしたものですね。
–今日も着用している服ですよね!ロゴの「NoworNever」に込めた意味を教えてください。
いつも、「万が一明日事故に遭っても、後悔しない日にしたい」と思って生きているんです。先のことを考えたくない性格もあるかもしれないですね。「Now or Never」、「今しかない」という気持ちで毎日過ごしていたいです。
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—これからもファッションのお仕事は前向きに取り組んでいきたいですか?
ブランド制作に向けてアイテムも少しずつ増やしていきたいところです。服作りは、お金の面も含めて初めてのことだらけなので難しいです。その分、これから自分が作るものがファンの皆さんに気に入ってもらえたらなと思います。
Q12.普段どんな音楽を聞いていますか?
ジャンルはバラバラですね。でも穏やかな曲を聞くことが多いです。
昭和の歌謡曲だったら松坂慶子さんの「愛の水中花」だったり。ロックは、音は派手なんですけれど、聞いていると穏やかな気持ちになる曲も多いです。ブルーハーツさんとか尾崎豊さんとか玉置浩二さんとかよく聞いていますね。最近の曲も好きなんですけれど、少し前の曲の方がリズムや歌詞が自分の中ではしっくりきます。
Q13.ファンの方からもらった中で印象的な反応はありましたか?
最近は街を歩いているときに声をかけてもらったりとかします。あとは先日神戸コレクションに出させていただいた時に感じたのですが、他の格闘技選手とは少し違う黄色い歓声が聞こえたので嬉しかったです。
Q14.現在、日本だけに止まらず海外のファンの方もたくさん増えていますよね!国を超えて応援してくれている人たちにメッセージはありますか?
他の国の言葉ではなかなかメッセージを伝えられないのですが、Instagramは言葉じゃなくて写真だからそこがいいのかな、と思います。言語に関係なく共有できるものがあると思うので。今後も写真や動画で感謝を伝えていきたいので、チェックしてもらえると嬉しいです。
Q15.お父さまをはじめとして有名な一家に生まれて、プレッシャーを感じることはありますか?
今はもう、あんまりプレッシャーはないです。メディアなどで、「カズの息子」として取り上げられている自分と、普段の自分を分けて考えられるようになりました。それに、本当に自分のことを大切に思ってくれている人は、自分の中身を見て接してくれていると思うんです。
小さい頃から、「誰もが誰かの二世」というふうに親から言われています。ラーメン店主の息子さんが周りからそう見られるのと同じことで、我が家の場合は人前に立つ仕事だというだけだと。今ではフラットに捉えられていますね。
Q16.ちなみに、ご家族との最新のやりとりはなんでしたか?
仲は良いんですけれど、やりとり自体はそんなに頻繁ではないかもしれないです。みんなそれぞれのフィールドにいるので、「がんばれよ」とお互い思っていますね。
Q17.犬のアペちゃんとの写真をよくInstagramにあげていますよね。三浦選手にとってどんな存在ですか?
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聞かれたことがないのでこれまで言っていなかったのですが、実は自分が飼っている犬ではなく、昔からの知り合いが飼っている犬なんです。
ただ自分とアペは飼い主と飼い犬じゃないからこその良い距離感で、恋人、友人のような関係がある気がします。本当にアペのことが大好きです。
Q18.寅さん好きとのことですが、どんなところが魅力ですか?
寅さんの映画は、見ていると落ち着くんです。感情移入する部分もありますし、実家にいるように安心できます。
あとは何より寅さんの人柄が好きです。お金持ちの人にも、旅の途中で一瞬だけ出会った方とも、みんなに同じ対応をしている姿が好きなんです。自分もそういう人でありたいし、たとえばファンの方とも分け隔てなく接するように心掛けているのも寅さんの影響を受けています。
ーーちなみに一番おすすめの作品はどれですか?
第27作です!松坂慶子さんが出ているのですが、理想の女性像なんです。寅さんがチャンスを逸して振られてしまうことも含めて、親近感があります。
Q.19以前のインタビューで、女の子によく振られるとおっしゃっていましたが…差し支えない範囲でどんな失敗談がありますか?
これはちょっと訂正したいんです。振られるというよりは、あんまり女の子とうまく長続きしないんですよね……。性格がキツそうな女性を好きになって周りに止められることもよくあります。結果あんまりいい終わり方をしないことも多いです。
Q20.5月に20歳になるとのことですが、成人を迎えるにあたって心持ちはいかがですか?
うーん、何か変わるのかなあ?
意外と時間がないなっていうふうに最近感じています。特に10代から20代のうちは周りからも若く見られることが多いと思うんですけれど、それでもあっという間に30代になりますよね。特にスポーツ選手はどんどんライバルが出てくるので、自分が若いからといって油断せずに、どんどん成長しないといけないと思います。
Q.21これからどんな選手として成長していきたいですか?
今まであんまりいなかった選手になりたいです。一番はもちろん強くなることですね。
ただ、せっかく強くなっても興味を持ってもらえなかったらそこまでなので、格闘技に限らず色んな方面で活躍したいです。その上で本業でも結果を残せるようになれればいいなと思います。
Photographer:Horie Yuri
Interview&Text:Tajima Ryoko
【三浦孝太】