POSTED ON 2022年6月26日 1 MINUTE READ BY 田嶋 嶺子
自転車、車、お酒、スニーカー…。それぞれの趣味嗜好が現れるこだわりのアイテムと共に、アーティストの素顔と日常を覗き見する連載企画。
第6回となる今回は数々のヒット曲を抱えるダンスロックバンドのDISH//から、DJ/Keyを務める橘柊生が登場。「趣味:帽子集め」というほどの帽子マニアである橘柊生に、お気に入りの帽子や選び方の真髄、いずれ欲しいという理想の1個まで詳しく話を伺った。(連載の過去回はこちら)
「趣味:帽子集め」とプロフィールに書いているほどの帽子マニアだとお聞きしました。帽子のコレクションはいくつぐらいありますか?
正確に数えたことはないですけれど、たぶん100個弱くらいだと思います。今住んでいる家だけじゃなくて、実家にもダンボール2箱分ぐらいあるんですよね。
帽子にハマったきっかけは覚えていますか?
小学4年生か5年生ぐらいのときにダンスを始めたのですが、当時めちゃくちゃニューエラ(NEW ERA)が流行ってたんです。今でももちろん流行っていますけれど、当時の先輩たちが被っているのを見て影響を受けましたね。
ニューエラはキャップのツバの部分にシールを貼ったままにしている人が多いですが、僕もそのころはシールを貼る意味もわからずに、周りに合わせてそういうものだと思っていました。
実はあれ、海外では「俺は新品を買えるほど財力があるぞ」というアピールの意味があるんです。その点、訳もわからず日本の中高生がシールを貼ったままにしているのはちょっと意味が違ってきちゃう部分もありますよね。
とはいえ僕も割と大人になってから知ったことなのですが(笑)、それから自分のニューエラはシールを剥がしたり剥がさなかったりするようになりました。個人的にはデザインはシンプル目の方が好きなので、結構剥がしているものも多いですね。あとは最近すごく人気のあるツバが曲がったタイプのニューエラも、僕はあえてシールを剥がして被ることが多いです。
帽子を選ぶときのこだわりはありますか?
とにかく人とかぶらないこと。それと、ちょっとクセがある帽子が好きかもしれないですね。真っ黒じゃなくてワンポイントあるとか。
あとは一目惚れというよりは結構試着して確かめてから買うタイプです。本当にこれまで、信じられない数の帽子をかぶってきたんですよね。
逆に、デザインに惹かれて即決で買ったのに、家に帰ってかぶってみたら全然形が自分に合わなくて結局しまい込んでいる帽子もありますね。
僕は割とおでこが広いので深くかぶれる帽子が好きなんですけど、最近は浅いジェット帽も流行っていますよね。面長か丸顔か、おでこが広いか広くないか、そういうちょっとしたところでも似合う帽子がかなり変わってくるので見極めが大事だと思います。
今日着ている服もかなり特徴的でかわいいですよね。洋服のこだわりはいかがですか?
服も人と重ならないのがいいですね。今日のズボンも、なかなかこんなの履いてる人いないですよね、ブランドの住所が書いてあるって。
この靴は「未来のスニーカー」をテーマにしているらしく、最初からすっごい汚れてるんです。初めて見たときはちょっと嫌だなと思ったけど、裏に込められているテーマを知ってからは逆にいいなと思いました。ソールの形も特殊なので、街でお年を召した方に「靴の底剥がれてるよ」と言われたこともありますが(笑)。
今の「ストリートっぽくて動きやすい」みたいな自分のスタイルが一番しっくりきているので、多分おじいちゃんになってもこういう格好してるんだろうなと思いますね。
最近ヘビロテしているお気に入りの帽子はありますか?
Nemesというブランドの、このキャップですね。
キャップは6枚のパネル(布地)を縫い合わせてできているのが一番ベーシックなんですけれど、これは8面あるんです。深く被れるしフィット感もあるのでお気に入りなんですよね。サイドのデザインもすごく可愛いんです。
他にも今日持ってきた中で最近好きなのは、このKANGOLのニット帽です。OKAMOTO’Sのオカモトレイジさんがキュレーションしているクルー「YAGI HABITION」とコラボした商品で、なんと言ってもこの耳がポイントですよね。
外に出してウサギみたいに被るのもありだし、耳の部分をひっくり返して内側に入れることのも好きです。「パラッパラッパー」みたいになるんですよ。
帽子もいろいろ種類がありますよね。どのタイプが一番出番が多いですか?
最近はバケットハットばっかりかぶってますね。友達と集まったりすると、3~4人いる中で3人黒いバケハ、みたいなことが多発しているので、近いうちにやめようかなとも思っています(笑)
でも寝癖とかめちゃくちゃついてても、そのままガバってかぶっちゃえば気にならないし、本当に便利なんですよね……。
実は数はそんなに持ってなくて、たぶん10個くらいだと思います。色違い、柄違いで揃えているのもありますね。
自分で帽子をアレンジやリメイクされたりもしますか?
新品同様にかぶっていられる方が僕は好きなので、あんまりしない方ですね。
でも昔は安全ピンだらけにしたり、友達と一緒にペンキで汚しまくったりとかもしていました。あとはツバが曲がっているタイプのキャップが好きなので、昔から真っ直ぐのキャップも自分でアレンジして曲げたりしていました。
無理やりやると折れて三角形みたいになってしまうんですけれど、靴の履き口に添うように入れて置いておくと、自然なカーブになるんです。ちょっとしたコツですね。
最後に、いつか手に入れたい帽子はありますか?
やっぱりキャップですね。本当に自分の一番の理想の形っていうのがあるんですよ。つばが広くて曲がってて、かなり深くかぶれて、デザインが自分好み。
もう本当にここ数年ずっと探し続けてるんですけど、やっぱり未だに見つからないので、これからも探していきたいです。
Photographer:Korogi Maho
Interview&Text:Tajima Ryoko
(編注:橘さんが持ってきてくださったコレクションの一部をご紹介!)